CIA秘録 その誕生から今日まで (下) (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2011年8月4日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (608ページ) / ISBN・EAN: 9784167651770

みんなの感想まとめ

本書は、冷戦から現代に至るCIAの活動を詳細に描写し、その裏側に潜む失敗や問題点を浮き彫りにしています。特に、同時多発テロ事件を契機に、組織の能力不足や改革の必要性が明らかになったことが強調されていま...

感想・レビュー・書評

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  •  下巻ではケネディから現代までの活動が載っているが、イランやグアテマラの作戦と比べて失態をおかすばかりで、とくに同時多発テロ事件が悲惨であった。この時期のCIAは、中国語、朝鮮語、アラビア語、ヒンディー語、ウルドゥー語、ペルシャ語など、地球上で多く使われる言語に対応できる人材は不足していたこと、またそれゆえにこれらの地域に関する無知から、組織として大打撃を受けるようになる。そのため組織改革をせざるを得なかった。
    また第46章では日本について言及されている。これによると、1972年までCIAは政府要人に金銭上の直接支援をしたとあり、それ以降は秘密裏の政治的つながりがあったといわれる。冷戦終結後のクリントン政権では、経済諜報という本来の業務とは無関係なことに力を入れていた。
     本書の最後に著者が指摘しているが、多くの人がCIAは万能な組織だと思われがちだが、それはアレン・ダレスが作り上げた神話で、実際のところは上記にあるように失敗した例がほとんどである。しかも組織が巨大化するにつれて、分析部門の軽視やヒューミント能力の欠如を招いた。ほかにも数々の問題点があげられるが、いずれにせよCIAはフィクションのように完全無欠な存在ではない。

  • 訳が今ひとつで、日本語になっていないところが多く、理解が難しい箇所がある。文春は、何回読み返したのだろう。
    内容は、すばらしい。現存する資料を基に説得力ある論述となっている。結局、人は戦争をやめられないと言うことだ。ナチスが滅亡すればソ連が台頭し、ソ連が崩壊すればアルカイダが出現する。アルカイダをたたいてもイスラエルが再び戦争をはじめている。覇権争いはなくならないし、虐殺、陰謀、貧困はなくならない。人の6000年に及ぶ歴史が物語っているし、人間だって動物の摂理に基づく行動しかできない。ライオンはシマウマと仲良くなれないのと同じだ。
    それにしても、日本の対諜報はオソマツ極まりない。厳しいスパイ防止法施行が求められる。

  • ジョージ・テネットが1997年CIA長官に就任した時、CIAは既に破産寸前で専門技能は衰え混乱状態だった。2001年、迫り来るテロを巡る確証のない情報にCIAの神経はすり減っていた。9.11の破局的な失敗の後、ブッシュの命令でCIAは地球規模の憲兵としての役割を始めた。なんと議会はCIAに米国国民を監視する法的権限を与えた。イラクが大量破壊兵器を保有しているとCIAが判断した根拠はなんとたった一人の囚人の自供からだった。そしてイラクへの先制攻撃。4年後に「あれは間違いだった」とテネットは証言した。

  •  CIAの無邪気さについて。情報収集の能力もなく、情報検証の能力もなく…。イラク戦争における大量破壊兵器の存在は、陰謀などではなく、単なるCIAの無邪気さによるものだという印象です。

  • CIAの誕生から現代までを追ったノンフィクション。個人的には日本における工作の部分が興味を惹いた。

    普通の「告発本」と違うところは末尾に筆者によるソースノートが書かれているところ。

    もしかしたら超大国は莫大な力を持つが故、わざわざ諜報能力を発達させずに「力による解決」をしたがるのでは、とも感じた。

  • 純粋なノンフィクションとして裏付けるソースノートには、脱帽。
    諜報機関がゆえに、謎めいた組織であるCIAの決して笑えない様な実態を理解させてくれる。
    次回作は、FBI、 国防総省とアメリカを知るには欠かせないテーマと必ず読みたい。文庫化の暁には。

  • ギャグ100連発。
    CIAは永遠に変わりそうに無いw
    あと、拷問は「拷問者が聞きたい自白」を生むってことを忘れすぎかな。

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著者プロフィール

1956年、ニューヨーク州で生まれ、コロンビア大学と大学院で歴史とジャーナリズムを専攻し、《ソーホー・ニュース》紙で記者としての第一歩を踏みだした。《フィラデルフィア・インクワイアラー》紙に移籍後の1988年、国防総省とCIAの秘密予算にかんする調査報道でピュリツァー賞を受賞する1993年から2009年までは《ニューヨーク・タイムズ》で記者をつとめ、1994年には、CIAが50~60年代に日本で自民党に数百万ドルの資金を提供していた事実を暴露した。2007年に刊行した『CIA秘録 その誕生から今日まで』は《ニューヨーク・タイムズ》のベストセラー・リストに名をつらね、全米図書賞を受賞した。2012年には姉妹篇の『FBI秘録 その誕生から今日まで』を上梓、《ウォールストリート・ジャーナル》から、「スパイ事件について書かれた最高の本」と称賛された。本書は6冊目の著書(共著もふくむ)で最新作にあたる。また、プリンストン大学とコロンビア大学で歴史と文章術を教えたこともある。本書は、辛口で知られる老舗書評専門誌《カーカス・レヴュー》の2020年度のベスト・ノンフィクションに選ばれた。

「2022年 『米露諜報秘録1945-2020』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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