- Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167652029
感想・レビュー・書評
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(収録作品)置きみやげ/塵箒/なかないで/野良猫/母の秘密
「引金の履歴」を改題 -
偶然、一丁の小型の拳銃(コルト)を手に入れてしまったごく普通の主婦。それがどこから来てどのように彼女の手に渡ったのか、遡る短編集。一編ごとに独立しているが、それぞれがコルトで繋がっているのが面白い。
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銃をめぐる連作短編集
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「私は拳銃を構える。恐怖にひきつった顔を思い描くだけで、胸のもやもやが晴れていく」―。久しぶりの同窓会で、歌舞伎町に流れ、家出少女から受け取った包みの中身はなんと拳銃。なぜか主婦は警察に届けない。日常に倦んだ市井の人々を狂気に変えていくコルトの魔力。巧みな構成で魅了する連作短篇集。
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以前は「引き金の履歴」みたいな題名だったと。
一つの拳銃の周りの人間模様がいくつかの短編でまとめられている。
そしてそれぞれがどこかで出会ってたり繋がってたりしてけっこう想像をかきたてられる作品でした。
今でも大好きな作品です。 -
著者の新潮文庫から出ているものは古い順に読んだので抜けは無いと思うのだが、他社から出版されているもので読んでない物は無いか確認したら、普段読まない短編集かと思っていたのが連作集らしいので読んでみた。
おそらく一丁の拳銃が多数の人の手に渡り、それを手にした人の物語集。
微妙にそれぞれの人が絡み合うのだが、つじつまが合うように時系列に並べることが、この本だけではできない。
解説にあったのだが、著者の作品(特に本著)の主人公は半分読者自身で半分読者が自分より劣っていると考える人間で、読者は当初これは自分だと感じ、その主人公がこんな馬鹿なことするなよと思わせ、感情移入させるのがうまいと分析している。
うまい表現だと思う。