- Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167652043
感想・レビュー・書評
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体の部分をテーマに描かれた5篇。
人は体のどこかに異様なまでの興味を持ったり、自分の体に劣等感を持ったりしているもの。
だからこそ、この小説は怖い。
誰にでも起こり得そうだから。
2016.1.24詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
軀にまつわる5つの短編集。
どれもちょっと後味の悪い、
うす怖いサスペンスホラー仕立て。
最後の「顎」は他とややテイストが異なっていて、ラストが好き。 -
常に不穏な空気を漂わせながら、ある身体の部位を起点として物語が展開されるのが面白い。
この短編集が「臍」から始まるのも良いなと思った。「お父さんて、我が家のお臍だったのね」という台詞、怖すぎる。 -
母から回ってきたから読んだ。読もうとして読んだのではない。そう、この作者さんに何度も裏切られてるから自分からは進んで読まない。結局この本もそうだった。
身体の一部を使ったサスペンス的な内容で、でも誰も救われないどうしようもない陰鬱になるオチしかない。作者さん、病んでるのかな?
文章の運びは悪くないし読み難いとは思わない。ただストーリーがよろしくない。
オチもすべて途中でわかるし、目新しさもない。または意味不明なオチでもはや読んでてモヤモヤとも来ない。ただページ数を稼いでいく作業ゲー。
俺、お疲れ様。 -
体のコンプレックスにまつわる短編集。
病んでる。 -
日常が一瞬にして非日常に変わる怖さを描いた作品。あなたの躯が静かな復讐を始める…。
身体的なコンプレックスは人それぞれ。他人の何気ない一言が狂気の引き金にもなり得る。
嫌な話ばかりですが、ねっとりしたしつこさがないのは乃南さんの個性なのだろうと思う。
「膝」は中盤まで面白くなかなかインパクトが強い。私の膝もいけてそうな気がする。笑 -
軀にまつわる5作品の中では『尻』のラストが圧巻だ。女子高生の過剰なダイエットが拒食症に発展し、精神崩壊まで一気に突き抜けていくはなしである。最後の病院へ行く件にはゾッとさせられた。著者、乃南アサに注目。
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なんともやるせない気持ちになった。この作家は初めてだが、違和感なく読めたし、扱うテーマも好みなので他のも読んでみようと思う。
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一見真面目な人が抱えるフェティッシュな欲望をテーマにした「血流」がもっとも面白かった。拒食症の女子高生を描く「尻」は恐ろしかった。過去の自分と出会うボクサーの夢を描いた「顎」は切ない。
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2015.2.11
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からだにまつわる短編。
『臍』と、『顎』が良かった。
顎はなんとなく予想出来たけど素直に感動した。
こういう人間味のあるホラーは乃南さんが一番です。 -
怖いわ、乃南さん。
躯にまつわる短編5篇。
拒食症におちいっていく女子高生の「尻」はその姿が目に浮かび、痛々しくていたたまれなかった。 -
体じゃなく、躯ってとこがニクい。体の一部分って、こうやって見てみるとすごくミステリアス。臍…怖かったなぁ〜いろんなラストを想像しながら読んだけど、やられました、
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サスペンスではないのだけれども、思わずサスペンスに分類してしまった…。
乃南アサほど残酷な作家は、なかなかいないと思う。
他の作品もそうだが、行き着くところまで行ってしまうという印象だ。
それも静かに、ジワジワと…。
またその様子があまりにもリアルなので、ゾクゾクさせられる。
本作では、「臍」と「尻」が特におぞましい。
「ありうる」からこそおぞましいのだ。 -
身体にまつわるエトセトラ^m^
じゃなくて、身体にまつわる少しホラーな短編集。
誰もが陥りそうで陥らない感覚。
との話も最後がゾワゾワ(笑)
そんなゾワゾワが好きな人にはお勧め。
☆臍
☆血流
☆つむじ
☆尻
☆顎 -
体にまつわるこわい話。
短編集なので、すぐ読めました。 -
人間の体の部位を題材とした短編集。
「臍」「血流」「つむじ」「尻」「顎」
ラスト、ちょっとぞっとするような。
それはなかなか普通は超えないところを超えてしまうから。
整形手術、痴漢、若はげ、拒食症、
いや、誰にでも超えるきっかけはあるのかもしれません。
血流がすごく気持ち悪かった。これは理解できない。
こういう頭の構造の人が犯罪を起こすのかと思うと
こちらはどうしたらいいのかわからない。病気だよ。
この中で、顎はちょっと感じが違いました。
弱かった少年が強くなる。ボクサーを目指して。
(ただラストの解釈があっているのかが、不安。) -
とってもフェチな方々のお話。
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体のパーツに焦点を当てた短編集。美容整形や拒食症、若ハゲ等、珍しくない身近な話だけど、ある一線を超えて堕ちていく様が怖く面白い。
乃南アサの、物語の終わらせ方がとても好き。短編ではそれが特に光る。 -
『世にも奇妙な物語』みたいな感じ。
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気持ち悪かった。
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人が狂うというものは
唐突に繰るもの。
その度合いが激しいのは血に魅力を
感じるようになってしまった男の「血流」が
印象的でしょう。
それはある意味私の「耳」の
それに近いものがあるかもしれません。
侵略する感覚とでも言うのでしょうかね…
一番身につまされたのは
「尻」です。
彼女が陥った状態、気持ち分かります。
やせれば綺麗、というものではないのに…
そしてどうして女という生き物は異様に
群れたがるのやら…
不思議な世界に浸れる作品でした。 -
最後の「顎」が、なかなかに切なく悲しいけれど、ようやっと「不幸せな環境を呪う自分」から脱却できつつあったところがさらに切なさを増すんだけど、かすかな希望というかなんというか、ほんのすこし暖かいものが残った。
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最後の一作を除いて、ネタはわかってしまったが、それでも面白かった。黒沢清監督が映像化したら怖そう