ヴァンサンカンまでに (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2008年3月7日発売)
3.22
  • (4)
  • (24)
  • (46)
  • (9)
  • (2)
本棚登録 : 230
感想 : 21
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784167652067

みんなの感想まとめ

テーマは恋愛と人間関係の複雑さで、主人公の心情や周囲の女性たちのキャラクターがリアルに描かれています。読者は、主人公の気持ちに共感しながら、自身の経験と重ね合わせることができるでしょう。物語はパズルの...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • あとがきで、元気に成るか怖くなるか、怖くなった(笑)。前半小気味よく、終盤どうなるかと思ったら、着地した。怖い。

  • パズルみたいにあちこちが繋がっていく話。主人公の気持ちが分からないでもない年齢に自分も近付いてきてしまった。最期のなんであんな人といたんだろう…っていう気持ちはすごく理解できて、恋愛って楽しい時がすぎたらそんなもんだよなぁと思ってしまった。主人公の周りの女性たちもキャラが各々違うからこそリアリティがあって、自分はどのタイプだろうと考える。

  • おもしろかった。自分とリンクする部分もあったせいかな。年が近いし。女の汚い部分を見たいなら読んでもいいと思う作品。女性は共感できる部分があるんじゃないかと思う。

  • 自分の魅力の使い方を熟知し、入社1年目にして上司と不倫し贅沢な遊びを体験しながら、将来の結婚相手の保険として若手の一番人気も恋人として確保しているという、今だと「猛禽類」と呼ばれるような女性が主人公。


    状況を自律的・自覚的にすべてコントロール下に置いている彼女。しかし、まさしく恋とは「堕ちる」もの。コントロールできているということは、それは本当には相手を好きになれていないということと同義でもある。自律性こそを自らのアイデンティティーとして成長した頭の良いヒロインには、ゲームと割り切って遊ぶことはできても、またスポーツでポイントを獲るように目当ての男を落とすことはできても、恋愛に溺れることだけはできない。


    不倫で感情をコントロールできず、刃傷沙汰まで起こした同僚を横目に、自分がそんなヘマはしないと不倫相手とも適度に距離を取るヒロイン。表面的には何も問題ないハズなのに、彼女の内心でずっと渦巻いている苛立ち。そんな24歳の心情が浮き彫りになる。男にとっては天敵とも言えるキャラクターではあるのに、そして作者の目線も決して彼女に同情的というわけではないのに、なんともやるせない気分にさせる。

    結末らしい結末がない終わり方だけに、『幸福な朝食』以上に、ヒロインのその後の人生が心の隅にひっかかる。果たして彼女は我を忘れるような恋愛ができるのか。それとも絶望のままに「幸せな結婚」をするのか----。

  • 中高の先輩の本だから読んでみようと図書館で借りたやつ、その1。むかし直木賞とった「凍える牙」読んだんだけど何故かはまらなくって、遠ざかってた作家さんなんだけど、もいっかいトライしようと思ってみたのでした。

    この本はバブルの時代で不倫する女性たちの話。まだまだ女性がお茶汲みしてる時代のお話である。主人公含めた若い女性たちのしたたかさと強さ、寂しさ、むなしさを描いた小説だと思う。
    うーん、想像力が普通というか、「バブル」「不倫」「女性」っつったらこんくらいのストーリーにはなるんだろうな…って想像つく感じだった。面白くないわけではないんだけど、綿矢りさの蛇とピアス、湊かなえの母性もそうだったのだが、想像を超えない程度の女の内面や葛藤を描く、みたいなストーリーは私はあまり好みじゃないようだ。(人によってはハマるとは思う)
    女はもっと自然に怖いし、優しいし、強いし、もろいんじゃないかと思うんだよなあ。小説ならそういう怖さをみたいんだよなー。バブルだの不倫だの書くなら、もっともっと怖いリアリティが欲しいなと思いました。林真理子とかそーゆーのが上手いのかもしれない(読んでないけど)

    うーん、すごい先輩なんだがまだハマらない。次いってみよう。

  • 同じ会社の上司と、その部下と
    不倫を楽しんでいた主人公。

    最終的にはどっちも手に入らず。

    「ざまあwww」ってなりそうな話だけど
    なんだか読み終わって気分がズーンと重くなった。
    笑い飛ばせない話だった。

  • 同期の将来安泰くんをキープしながらもゲームと割り切ってた不倫。恋愛も失敗したくない、幸せになりたいって冷静なふりしながらも頑なに思ってる女性の物語。バブリー感はいまの感覚と違うけど、条件面で幸せになれるはずだから好きにならなきゃはうまくいかないし、こんな人とと思ってしまったら時間を重ねられない感じは分かる。

  • 時代も考え方も違うなぁという感想。共感も同情もできなかった。自分を幸せにできるのは結局自分だけということ。

  • 殺人事件が起こるのかと思ったら何も起きなかった・・・。
    主人公の24歳OLは会社の上司と不倫しながら、良物件の同僚と結婚前提の付き合いを始めるが、実はこの同僚がたいしたことのない男で、上司との不倫も終わり、同僚とも別れ、結局この一年半なんだったんだろう・・・という話です。

    一番の被害者は殺されちゃったペットの亀だよ!
    途中から殺すんじゃないかってずっとハラハラして、やっぱり殺しちゃってすごくもやもやする。しかも箱につめて放置して殺すって・・・

    この人の書く話はすごくリアルで、バブルの頃の話が多いけど面白いです。

  • 昔はこういう「女」って感じの、いわゆる大人の恋愛してますよ、っていうの苦手だったけど、今はなぜか楽しく読めるようになってしまった。

    やっぱり、ハッピーエンドはあり得ないよね。
    殺人事件から始まるミステリを期待したけど、そういうわけじゃなかった。
    これはこれで面白かったけど、乃南さんはミステリが好きだなあ。

  • ありきたりな展開だったので、まあまあかな。

  • 女はコワイです。

  • OLの社内不倫の話しが永遠続くのか…と思ったけど、後半は感情が爆発して面白かった。女は怖いね~。

  • これは確か調布が出て来たはず

  • めちゃくちゃしたたかな主人公だが、好きにも嫌いにもなれん。女の黒いところの描写がすごい。読み終わったあとのダルさ、結構きつかったっす。

  • 器用にうまくやって満たされているはずなのに、翠が少しずつ少しずつおかしくなっていく所が、飼ってる亀に対する扱いとかにどんどん表れてくる。
    読んでいて自分が追い詰められていくような気分になる。

  • 女性の心の表と裏を改めて突きつけられたような、こんなことあり得ない!と口では言いながら実は自分の心の片隅にも翠がいるわ。。と気付いてしまうコワさがありました。

  • 周りがどんどん幸せになっていって、自分だけが取り残されているような感覚には共感できたけれど、翠の生き方には共感できなかった。

  • イマイチ「恋愛小説」に乗り切れない自分の中では、当確ライン。
    そこそこ楽しめたし。


  • <ネタバレ>
    おもに不倫の話。荻島の妻にいたずら電話してたのが翠だった、っていうのは、本当にびっくりしてしまった。これ、伏線読み取れた人、どれくらいいるんだろう?少なくとも私は全然気付かなかったです。翠はもっとサバサバしてるんだと思った。でも、よく考えたら、不倫なんかしてたら、どこかで自分の存在が消されてることにもやもやして、存在主張をしたくなるかもね。うーん、、、わかる。
    荻島の家庭が少し良くなってくる前兆だけ見せて、物語は終わってしまうんだけど、それは本当に良かった。いつでも犠牲は子どもにくる。子どもたちの荒れはやっぱり読んでいて嫌な気分だったから。なんか荻島家だけで1冊本が書けそうだと思う。
    荻島が翠と別れるとき、最後まで物をねだられることに閉口するんだけど、やっぱ、蜜月のころには「かわいいやつめ」って思いながらも、どこかで「なんでお金をかけてるんだろう」と思ってるよね。うん、これもわかる。
    前半ははっきりいってモタモタしてあまり面白くないんだけど、最後のほう、面白かった。恋愛ゲームなんて、ないんだよね。


    「アパレルメーカー新入社員の仲江翠は、入社後すぐにエリート課長との不倫が始まったが、しばらくして同期で課長の部下とも交際。きちんと仕事もこなしつつ、ゲーム感覚の恋愛を楽しんでいた。だが、同じように社内不倫をしていた女子社員に思わぬ事件が発生。それを機に翠の恋愛ゲームにも暗雲が立ち込める。 」

全20件中 1 - 20件を表示

著者プロフィール

1960年東京生まれ。88年『幸福な朝食』が第1回日本推理サスペンス大賞優秀作となる。96年『凍える牙』で第115回直木賞、2011年『地のはてから』で第6回中央公論文芸賞、2016年『水曜日の凱歌』で第66回芸術選奨文部科学大臣賞をそれぞれ受賞。主な著書に、『ライン』『鍵』『鎖』『不発弾』『火のみち』『風の墓碑銘(エピタフ)』『ウツボカズラの夢』『ミャンマー 失われるアジアのふるさと』『犯意』『ニサッタ、ニサッタ』『自白 刑事・土門功太朗』『すれ違う背中を』『禁猟区』『旅の闇にとける』『美麗島紀行』『ビジュアル年表 台湾統治五十年』『いちばん長い夜に』『新釈 にっぽん昔話』『それは秘密の』『六月の雪』など多数。

「2022年 『チーム・オベリベリ (下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

乃南アサの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×