きれぎれ (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 1726
レビュー : 176
  • Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167653033

感想・レビュー・書評

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  • へらへらと生きる“俺”がだらだら語るうちに、友達の、道行く人の、他人の悪意が襲いかかってくる。
    でも読んでいるうちに、全ての悪意はこの本人から発せられたものに見えてくる。
    自分が社会に向けた敵意は、鏡のようにはね返されて自分を突き刺す。

    “俺”が社会を突き放しているのか、社会が“俺”を突き放しているのか。
    しかし、解説で池澤夏樹が書いているように、どんなに馬鹿馬鹿しくても“俺”は「大衆を見下して超然としているわけにはいかない」。
    どれだけ社会を軽蔑していても、現実ではおべんちゃらを言いながらへらへら笑って金を借り、ハムをめぐんでもらわないと生きられない。
    だからこそ主人公は滑稽にも、悲しくも見える。

    “俺”は孤独だけど、真っ暗な中で一人ぼっちの孤独じゃなくて、雑踏の中でぽつねんと立っている姿がどうしようもなく孤独。

  • 疲れすぎて眠れないようなときにこういうダメ人間のふらふら幻想譚を読むと、ごわごわになった脳みそがもみほぐされる。次の一文でなにがどうなるのかわからないのも、日々に倦んだ身体に効いた。

    「人生の聖」の、頭蓋骨を透明なケースにしちゃった男の話が一番好き。

  • 刊行当時手にとって挫折したので19年ぶりのリベンジ。
    面白いし「一言も。ねぇ。」とかふふってなるところもあるんだけど、趣味の合わないギャグ漫画読まされてるような感じだった。

  • 面白い。これは知人の展覧会にいく直前の一瞬を切り取った物語なのだろうか。そんな気がする。

  • 町田康独特のブラックユーモアは面白い。
    しかし内容が読解力不足なのか町田康のはちゃめちゃストーリーのせいか私の中に入ってこなかった。
    もしくは芥川受賞という名声の影響かもしれない。
    以上。

  • 小説というより詩集のような。
    リズミカルな言葉遊びが、自然と視線を文の先へ先へ送り出す。
    社会への侮蔑、敵意、慢心がそっくりそのまま自己へ帰ってくる。太宰の人間失格を町田康風に咀嚼したらこんな風になるかなぁなんて考えました。

  • 独特の文章だけど何故かスラスラ読める不思議な本だった。リズムが良くて、目は文字を追ってどんどん先に進んでしまうけど、途端に「えっ?どういう意味?」というシーンが連続してやってくるのでもう一度読み直したりする。読み直しても意味は分からない。
    きれぎれの方の主人公は妄想がとどまるところを知らず、人生の聖の主人公は哀れですらある。どちらも生きるのが大変そう。
    午後のワークの話が不気味で興味をそそられるのでその後あの工場がどうなったのか読みたい。

  • 2004-04-00

  • ついていけませんでしたがなんとか読了

  •  町田康を読むのもこれで三冊目。
     前二冊に比べると少し面白みが足りなかったかなぁ。
     スケルトン頭の半ケツならぬ半脳になる男の物語が一番面白かった。

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著者プロフィール

1962年生まれ、大阪府堺市出身。バンド「INU」のボーカリストとして活動する一方、俳優、詩人としても活躍。1996年「くっすん大黒」で小説家デビューし、第7回bunkamuraドゥマゴ文学賞、第19回野間文芸新人賞を同時受賞。2000年「きれぎれ」で第123回芥川賞を受賞以降は、作家としての活動にほぼ専心している。
その他受賞歴として、2001年『土間の四十八滝』で第9回萩原朔太郎賞、2002年「権現の踊り子」で第28回川端康成文学賞、2005年に『告白』で第41回谷崎潤一郎賞、2008年『宿屋めぐり』で第61回野間文芸賞をそれぞれ受賞。
上記文芸作が代表作として評価を得る一方、映画化された『パンク侍、斬られて候』など、メディア化作品が多い。エッセイストとしても定評があり、『猫にかまけて』『スピンク日記』などが人気。

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