忌中 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 207
レビュー : 29
  • Amazon.co.jp ・本 (229ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167654030

作品紹介・あらすじ

死んでも死に切れない-。泣く泣く妻を殺め、女に狂い借金まみれの挙句に自殺した初老の男。若くして自殺したエキセントリックな叔父の後日談。事業失敗で一家心中をはかり、二人の子供を道連れにした夫婦。強姦殺人の憂き目にあった高校時代の女友達。救済でもなく逃避でもない、死者に捧ぐ鎮魂の短篇集。

感想・レビュー・書評

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  • 車谷長吉『忌中』文春文庫。短編集。初読み作家。

    どの短編も死と性が描かれ、重くもあり、どこか可笑しくもあり、もしかしたら、これが本当の人生の姿なのではないかと思ったりする。誤魔化しの効かないのが人生なのだと思うが、もしかしたら、然程真摯に向き合う必要はないのかも知れない。

    『古墳の話』『神の花嫁』『「鹽壷の匙」補遺』『三笠山』『飾麿』『忌中』の6編を収録。

  • 初読

    死の匂いの短編集

    車谷長吉であろう男の性格は全然好きじゃないんだけど
    その眼を通して描かれた世界はなんか良いんだよなぁ…

    「古墳の話」
    死刑廃止論反対、古墳めぐりの女子高生、鎮魂の祝詞。

    「三笠山」
    バブル崩壊の一家心中。
    側から見たら競馬の下りも(やめておきなよぉ…)や
    (さっさとバンザイしちゃうしかない話なんだよな)
    なんだけど、同時に(でも、どうしようもないよな。
    こうするしかなかったんよなぁ…)
    と思わせる。

    「忌中」
    もそう。
    全てが仕方ない。
    人生って仕方がないんだよな。
    生も死も。

    「神の花嫁」に出てきた舟越保武死の「巨岩と花びら」
    は読んでみようと思う。

  • 人は毒を求めている。

  • 人間の価値判断はしない。

  • 様々な死の状況がモチーフの短編集だが、読み進むうちに、これは愛情を語っていると思えてる。それほど濃密に人生が語られている。

  • 一家心中の話なんかは途中から辛すぎてもう読むに耐えない。

  • すごい、すごい、すごい!
    こんなにむき出しで、こんなに純粋で、静かに激しい男女のつながりを描けるとは!
    これだけの想いを、こんなに端正な文章に結実させる力は凄まじい。
    純粋な愛は時に醜く、時に残酷であり、時に悲惨であり、そしていつも美しい。
    そんな風に思わせる激しい作品。出逢えてよかった。

  • すぐそばにある狂気を感じる。共感できるが故に、自分の中にある狂気におそれを感じる。

  • かつて、ほのかに想いをよせた彼女とのやりとり。殺されてしまった彼女は、古墳が好きだった。(「古墳の話」)
    朽ちて行く妻の屍体。若く美しい女の肢体。男がとった選択は。(「忌中」)
    ほか、神の花嫁、三笠山など六編収録。

    男と女と生と死にまつわる短編集。最初の二編は私小説のような作り。三笠山は後味悪い。忌中は読みおわって表紙を見るとぞっとする。語り口が古めでややとっつきにくいところはあるけれど、淡々としてるわりにじっとり重い感じはハマるとなかなかよかった。

  • この作家、好きではないけど、この表題作品は、たまらないものがあった。湯島のラブホテルに、いい歳した老人がマッサージで知り合った女と泊まるのがよかった。かなり、どうしようもない。

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