世界一周恐怖航海記 (文春文庫 く 19-7)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (177ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167654078

感想・レビュー・書評

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  • 新型コロナウイルスで外出自粛要請が出ている最中、積読を漁っていたら出てきたので。

    希望難民御一行様 以来のピースボートもの。

    しばらく、こんな旅行を積極的に楽しめる時は来ないのかもなぁと思う。

  • 作家車谷長吉さんの世界一周時の日記。
    嫌々行く世界一周とはこれいかに。

  • これも面白い本です。現生の私小説作家の車谷長吉氏がお連れ合いとその姐御の3人でピースボート主催の豪華船(?)に乗って世界一周をした航海記。
    氏の乗船動機が面白い。曰く、お連れ合い無しに一人では日常生活を生きて行けないので、仕方無く(選択肢が無いので)乗船したとの事。
    また、世界はどんどん変わって行くのに、船内部は出航時の社会関係をそのまま保持して行く構造を指摘しているが、慧眼であり、かつ我々を取り巻く世界に対する暗喩なのではという感想を持った。

  • あまり観光の事を書いている訳でもないが、面白く読めたのは、さすが文章が上手いからなのだろう。言っている事は所々辻褄が合わなく感じられる(死んだら消滅するだけだと言ってみたり、地獄に落ちるといってみたり、他人特に女性に対する見解など)が、それはそれで構わないと思わせるのも力量というか魅力?お店の前で我慢できず大便をしてしまったり、昔に駅のホームでしてしまったりと書いてあるが、後片付けはどうしたのだろう?そのまま立ち去ったのだとしたら、された方はたまったものではないよね…
    また、所々に旧字が使われているのが難しかった。

  • シニカルな還暦のピースボート乗船記。年寄の参加も多いらしい。一方若い輩はあれ目当てでギラギラしていて、彼らが船内でいちゃつく様子を執拗に書いている。欲が露で醜悪だと。当然、観察者も醜悪でなければそんな光景は目に入らない。己を含め人は醜悪だと。

  • 車谷長吉によるピースボート世界一周の旅ルポ。

    面白いのは旅行記なのにどんどん内省的になっていくところ。ちっとも浮かれていない。(浮かれているであろう)周囲との格差はいかばかりか。

    かっこいい、うらやましく思う反面、船内での法被姿などはイカれているっていうか、自己顕示欲が強く感じられ少し嫌味にも思える。
    海外旅行なんだから浮かれて当たり前なのに浮かれない、周りの人間を白けさせてしまう存在。

    それこそが文学なのだろうが、文学とはそれ程高尚なものではない。

    同じ船旅の人は愉快に思う人もいたろうが、苦々しく思った人も多くいたろう。
    まあ、そんな本です。

  • 直木賞作家らしいけど・・・つまらない。ピースボートによる世界一周。行きたくなければ行かなければいいのに。

  • 『四国八十八ヶ所感情巡礼』は、とにかく山道でウンコしすぎるというお話だったけれど、今回は、豪華客船で世界一周しているのにお風呂に入らず、いつも奥さんに体を拭いてもらうというお話。
    うそです。それだけじゃないけれど、この作家は大好きです。

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著者プロフィール

車谷長吉

一九四五(昭和二〇)年、兵庫県飾磨市(現・姫路市飾磨区)生まれ。作家。慶應義塾大学文学部卒業。七二年、「なんまんだあ絵」でデビュー。以後、私小説を書き継ぐ。九三年、初の単行本『鹽壺の匙』を上梓し、芸術選奨文部大臣新人賞、三島由紀夫賞を受賞。九八年、『赤目四十八瀧心中未遂』で直木賞、二〇〇〇年、「武蔵丸」で川端康成文学賞を受賞。主な作品に『漂流物』(平林たい子文学賞)、『贋世捨人』『女塚』『妖談』などのほか、『車谷長吉全集』(全三巻)がある。二〇一五(平成二七)年、死去。

「2021年 『漂流物・武蔵丸』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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