- Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167654092
作品紹介・あらすじ
この世で一番恐ろしい生き物、それは人間だ人間とはなんと愚かで醜いのか。どんな人間も一皮むけば“業”に囚われているのだ。私小説の名手が描く、妖しくも哀しい掌篇小説集。
感想・レビュー・書評
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妻であり詩人でもある高橋順子が車谷長吉との結婚生活と死別を描いたエッセイ集『夫、車谷長吉』
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初読
なるほど。私小説。
本人であり、奥さんであるような登場人物が繰り返し繰り返し登場。
日常の中の妖話。
奥さんに言われたという「あなたほどの嘘つきはいない」
とのフレーズをおもいだし。
「社会の下の方で生きていきたい」
金を稼ぎたいという生き方への嫌悪。
世捨てというか隠遁というか、
古今東西、インテリの解脱願望って存在した筈だけど、
現在、それにピンと来ないという事は資本主義の完全勝利なのかもねぇ…
でもさ、車谷長吉も世捨てした筈が呼び戻してくれる人がいて
直木賞取って
嫁はんの為に家も買ったんだから、
インテリのおままごとは信じたら痛い目見るよw
しかし「まぐわひ。」強烈だな。
「色」の女の人、凄まじいけど一種の爽快さもあるな -
34編の短い文章の短編集
アイデアを記したような雰囲気があり、それぞれを素材に長編にしてほしいような作品集です。 -
【この世で一番恐ろしい生き物、それは人間だ】人間とはなんと愚かで醜いのか。どんな人間も一皮むけば“業”に囚われているのだ。私小説の名手が描く、妖しくも哀しい掌篇小説集。
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あるヒマな日、図書館で見つけパラパラめくると、あっ、これ好きなタイプのやつや!って思ったやつ。日常の怪。太宰や椎名麟三より文体処理をちゃんとしてないので評価は微妙!でもこれ、好きなやつやっ!
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車谷の人間観を、
繰り返し取り出しては煮詰めて、
残りかすをちょっと掬い取ったような短編集。
残りかすという表現は、
各々で一遍の中篇が書けそうだからだが、
このくらいの短さだから読みやすく、
本質にまっしぐらという側面も否めない。
信子はん
嫁いびり
まさか
讀賣新聞配達員
二人の母
あたりが大変良かったが、
最も良作であるのは、
個人的には『二人の母』か。 -
「私の母も弟も便所で大便をするのは一日一回である」の出だしを読んでなんとなく買ってしまった。2〜3ページくらいの掌編が続く、私小説と小説の合間のような不思議な感じ。それぞれの掌編は独立しているようでいて、底を通じている。
「妖談」というタイトルで表紙にも猫の妖怪のようなものがいるのでそういう話かと思い込まされてしまった…。妖とかそういう類いのものは出てこないです。