邦銀崩壊 傷 (下) (文春文庫 こ 25-2)

著者 :
  • 文藝春秋
3.33
  • (4)
  • (13)
  • (27)
  • (3)
  • (1)
本棚登録 : 142
感想 : 7
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167656133

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • この小説の表向きの主人公は男性ながら、真の主人公は、たった一人で腐った大蔵省や銀行と戦う女性だった。
    いかに日本の金融機関内部の人間が腐っているか、日本人の思考が画一的で信念がないか、ズバズバ切り込んでいく姿が見もの。
    女性ならではの繊細さとしなやかさ、そして男性にはない強さが描かれていて、とても格好良かった。

  • 1

  • ラストの言葉が身に沁みる

    みんな傷を持っている…

  • 幸田真音、名前だけ聞くと男性か女性か分からないが、元女性ディーラーの書いた小説。

    文体が非常にハードボイルドで男らしい。(下)だが、(上)から併せて全体的な感想を述べると、非常にクールさに、人間味に溢れた作品だと思う。

    金融という賭け事のような世界の中で、「金」というものがいかに人を生かし、また殺していくのかを具に描いていると言える。通貨の無いやりとりではない、いわゆる金が媒介する世の中でどれだけ人の思惑が交錯するかということを丁寧に描いてみせている。その辺は女性ならではの書きぶり、と言えるかもしれない。

    最後、色恋沙汰に落ち着いてしまうのかと危惧したが、見事にそれをぶった切って、最後までハードボイルドだった。寧ろ残された男性の方が女性を想うという辺りがさっぱり感を増していた。

    「傷」というタイトルは非常に重く、深いものだ。人は誰しも瑕があるが、そのタイトルの意味が中盤まで分からなかったのも、また良い。

    星ひとつ、は己の不勉強さで交わされる金融業界のやり取りを、よく分からなかったことから、深く楽しむことが出来なかったため。ま、自業自得ではあるが。

  • 金融は奥が深い。そして政治の闇も深い。。

  • いきなりの展開に驚いた。芹沢、レイプはないだろ。州波の方も、そんなことされて冷静でいられるなんて・・・。
    その辺がちょっと引っかかるものの、その後の展開はスピーディーでなかなか読み応えがあった。
    大筋は予想された展開ではあったものの、州波の最後の決断とか、ちょっとしたどんでん返しもあったり。
    あと、ケネス佐々木が、ずっとイイキャラなのも良かったなぁ。
    幸田真音さんは本当にすごい作家だわ。
    ところで、州波が幸田さんにダブって見えて仕方がないんだけど・・・。

  • (05年03月18日購入)

全7件中 1 - 7件を表示

著者プロフィール

1951年生まれ。米国系投資銀行等で債券ディーラー、外国債券セールスを経て、1995年『小説ヘッジファンド』で作家に。2000年に発表した『日本国債』は日本の財政問題に警鐘を鳴らす作品としてベストセラーになり、多くの海外メディアからも注目される。2014年『天佑なり 高橋是清・百年前の日本国債』で第33回新田次郎文学賞を受賞。主な著書は『日銀券』『あきんど 絹屋半兵衛』『バイアウト 企業買収』『ランウェイ』『スケープゴート』『この日のために 池田勇人・東京五輪への軌跡』『大暴落 ガラ』『ナナフシ』『天稟(てんぴん)』のほか、『マネー・ハッキング』『Hello, CEO.』『あなたの余命教えます ビッグデータの罠』など、時代に先駆けてITの世界をテーマにした作品も多い。

「2022年 『人工知能』 で使われていた紹介文から引用しています。」

幸田真音の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×