- 本 ・本 (384ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167656270
感想・レビュー・書評
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面白かった!
第16回サントリーミステリー大賞・読者賞受賞作品。
原発に対する作者の思いが伝わってくる物語。
311以前に描かれているところが、ある意味警告にもなっていて怖い。
ストーリとしては、大手コンピュータ会社副社長の羽嶋に25年前にわかれた恋人からの突然の電話があります。それは、羽嶋の息子の慎司が交通事故で危篤といった連絡。
初めて自分に息子がいることを知ることになる羽嶋。
息子の元に駆けつけるも、慎司からは覚せい剤が検出されます。
警察からの厳しい追及。
息子はどういった人物だったのか?
息子の人物像を知るため話を聞いていくと、父親同様の天才プログラマーだったことがわかります。
そして、一度も会話することなく慎司は亡くなってしまいます。
慎司の事故を不審に思った羽嶋は慎司の事故までの行動を調べることに..
慎司は何者かに殺されたのでは?
警察の捜査もあてにならない中、徐々に明らかになっていく慎司の行動、そして、慎司の人物像。その先には新潟の原発建設に絡む陰謀が...
そして、羽嶋も命を狙われることに
慎司の事故の真相は?
原発建設に絡む陰謀とは?
羽嶋はどうなる?
といった展開です。
そして、慎司の父親に対する思い。
さらに羽嶋の慎司に対する思い。
親子の切ない思いが感じられる物語です。
羽嶋の会社のスーパーコンピュータの開発・リリースに伴う話が絡み合って出てくるのですが、ソフト屋さんにとっては、ちょっと違和感がある表現が...
ま、それはそれでおいといて、この親子の切ない物語、そして、羽嶋の物語はとても楽しめました。
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高嶋哲夫さんといえば、私の中では地震や津波の災害系と感染症のパンデミック系。普段はそっちのジャンルばかり読んでいるので箸休め的な気分でこの作品は楽しめた。
お父さんなりに息子のことを理解したくて孤軍奮闘。最後は分かり合えたのかな…生きてるうちに息子の存在に気付いてあげられたら… -
交換本にて入手
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今から20年程前に書かれた本なんですね。
あの頃、携帯電話、フロッピーディスク、パソコンのブラウン管ディスプレイなど、時代を感じましたが、物語の内容は、とても面白かった。
ある日、突然、自分に息子がいたことを知るなんて、男なら、誰もが困るな。妻や娘の様子なんて恐ろし過ぎる。
いろいろ部分で興味深く読ませていただきました。 -
内容(「BOOK」データベースより)
25年前に別れた恋人から突然の連絡が。「あなたの息子が重体です」。日本を代表するコンピュータ開発者の「私」に息子がいたなんて。このまま一度も会うことなく死んでしまうのか…。奇しくも天才プログラマーとして活躍する息子のデータを巡って、「私」は、原発建設がからまったハイテク犯罪の壮絶な渦中に巻き込まれていく。 -
普通に面白い小説でした。
読みやすくスラスラ読めるのですが、
とにもかくにも普通です。 -
10年以上前に描かれたミステリー。原子力発電所のデータ捏造、活断層の存在、東京電力の腐敗(小説上では関東電力)といった、ここ数年で話題になったことが次々にでてきます。ここに、25年前に別れた女性や、存在もしらなかった息子の存在。覚せい剤にスーパーコンピュータが絡んでくる、これで面白くないわけがないというような小説。作者のストーリーテラーとしての能力の高さが光ります。
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1999年の作品だが、2011年の東北関東大震災の福島原発事故に重なる内容で
改めて原発について考えさせられた。
福島の事故はその後どうなっているのか?ちゃんと調べなくては…
著者プロフィール
高嶋哲夫の作品





