イントゥルーダー (文春文庫 た 50-1)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 29
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  • Amazon.co.jp ・本 (377ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167656270

感想・レビュー・書評

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    第16回サントリーミステリー大賞・読者賞受賞作品。
    原発に対する作者の思いが伝わってくる物語。
    311以前に描かれているところが、ある意味警告にもなっていて怖い。

    ストーリとしては、大手コンピュータ会社副社長の羽嶋に25年前にわかれた恋人からの突然の電話があります。それは、羽嶋の息子の慎司が交通事故で危篤といった連絡。
    初めて自分に息子がいることを知ることになる羽嶋。
    息子の元に駆けつけるも、慎司からは覚せい剤が検出されます。
    警察からの厳しい追及。
    息子はどういった人物だったのか?

    息子の人物像を知るため話を聞いていくと、父親同様の天才プログラマーだったことがわかります。
    そして、一度も会話することなく慎司は亡くなってしまいます。
    慎司の事故を不審に思った羽嶋は慎司の事故までの行動を調べることに..
    慎司は何者かに殺されたのでは?
    警察の捜査もあてにならない中、徐々に明らかになっていく慎司の行動、そして、慎司の人物像。その先には新潟の原発建設に絡む陰謀が...
    そして、羽嶋も命を狙われることに

    慎司の事故の真相は?
    原発建設に絡む陰謀とは?
    羽嶋はどうなる?

    といった展開です。
    そして、慎司の父親に対する思い。
    さらに羽嶋の慎司に対する思い。
    親子の切ない思いが感じられる物語です。

    羽嶋の会社のスーパーコンピュータの開発・リリースに伴う話が絡み合って出てくるのですが、ソフト屋さんにとっては、ちょっと違和感がある表現が...
    ま、それはそれでおいといて、この親子の切ない物語、そして、羽嶋の物語はとても楽しめました。

    お勧め!

  • 交換本にて入手

  • 今から20年程前に書かれた本なんですね。
    あの頃、携帯電話、フロッピーディスク、パソコンのブラウン管ディスプレイなど、時代を感じましたが、物語の内容は、とても面白かった。
    ある日、突然、自分に息子がいたことを知るなんて、男なら、誰もが困るな。妻や娘の様子なんて恐ろし過ぎる。
    いろいろ部分で興味深く読ませていただきました。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    25年前に別れた恋人から突然の連絡が。「あなたの息子が重体です」。日本を代表するコンピュータ開発者の「私」に息子がいたなんて。このまま一度も会うことなく死んでしまうのか…。奇しくも天才プログラマーとして活躍する息子のデータを巡って、「私」は、原発建設がからまったハイテク犯罪の壮絶な渦中に巻き込まれていく。

  • 原発に係る設計ミスの隠蔽。それを見つけた若いIT技術者が殺された。

    日本を代表する有名IT技術者が、元恋人の女性からの突然の連絡で、面識のない息子の死の謎を追いかけ、深みにはまっていく。味方と思いきや、実は周りは敵だらけで、何度も窮地に追い込まれながら、やっと真相にたどり着くが…。

    スリリングな展開。文章は読みやすかった。

    図書館利用。

  • 普通に面白い小説でした。
    読みやすくスラスラ読めるのですが、
    とにもかくにも普通です。

  • 10年以上前に描かれたミステリー。原子力発電所のデータ捏造、活断層の存在、東京電力の腐敗(小説上では関東電力)といった、ここ数年で話題になったことが次々にでてきます。ここに、25年前に別れた女性や、存在もしらなかった息子の存在。覚せい剤にスーパーコンピュータが絡んでくる、これで面白くないわけがないというような小説。作者のストーリーテラーとしての能力の高さが光ります。

  • 1999年に書かれた話なので、パソコンに関する部分はもう石器時代のような話かもしれないけど、面白かったです!というか私てんでわからないので理系な匂いだけ存分に嗅いで満足しましたが…。
    アップルのスティーブ・ジョブズ、マイクロソフトのビル・ゲイツ、そして日本に羽嶋ありと言われる超一流技術者の主人公。そんな彼にとって最初はイントゥルーダーでしかなかった息子が、その友人、会社の先輩や結城の話から段々と人物像が浮かび上がってくる。
    根性があって、頭も切れて、2億円を撥ね退ける健全で強靭な精神力もある。
    ほんと、理想の息子を具現化したような好青年ですよ…。それがまたほろりと来る。

    作者の、科学技術への愛情と誇りが感じられて読んでいて気持ち良かったです。

  • 1999年の作品だが、2011年の東北関東大震災の福島原発事故に重なる内容で
    改めて原発について考えさせられた。
    福島の事故はその後どうなっているのか?ちゃんと調べなくては…

  • ハッキングに関する書き方がつまらない。もっとテクニカルなのを期待してた。

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著者プロフィール

一九四九年、岡山県玉野市生まれ。九四年「メルト・ダウン」で第1回小説現代推理新人賞、九九年「イントゥルーダー」で第16回サントリーミステリー大賞・読者賞を受賞。他に『ダーティー・ユー』『ミッドナイトイーグル』『M8』『TSUNAMI津波』『東京大洪水』『風をつかまえて』『乱神』『衆愚の果て』『首都感染』『首都崩壊』『富士山噴火』『日本核武装』『神童』『ハリケーン』『官邸襲撃』『紅い砂』『決戦は日曜日』など著書多数

「2022年 『落葉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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