- Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167656331
作品紹介・あらすじ
宮城県で牡蛎養殖業を営む著者は、「森は海の恋人」を呼びかけに、気仙沼湾に注ぐ大川上流の室根山で広葉樹の植林運動を進めている。あるとき「リアス」という言葉に導かれてスペインに旅立ち、同じリアス式海岸であるガリシア地方との不思議な縁を発見する。帆立貝道をゆくノンフィクション。
感想・レビュー・書評
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フォレストヒーローでもある畠山重篤氏の著書。
気仙沼唐桑を訪問する機に読む。
『森は海の恋人』に続く二冊目であるが、今回は著者が気仙沼で帆立養殖を始めるエピソードが中心。
またリアス式海岸のリアスがスペイン語であり、帆立とも縁深いスペインのガルシカ地方への旅行記も含まれている。
著者が若い頃に夢中になった気仙沼湾での漁についての件は、失われつつある日本の豊かな自然とその自然との共存の素晴らしさを改めて感じさせてくれる。
三陸地方とスペインの歴史的な接点についても興味深い。
キリスト教布教、製鉄、伊達藩との関係等、史実としても理解をしておきたいところ。
本著でも触れられている大籠キリシタン殉教公園については、何度か本吉に行きながら訪問できていないので次回は訪れてみたい。
以下引用~
・気仙沼の海辺から少し内陸部に入った藤沢、本吉、東和の地は、「東北の長崎」ともいわれている。これらの地は隠れキリシタンの里であり、寛永16年、17年の二年間に三百人もの殉教者をだしたキリスト者殉教の地なのだ。
そうした背景には、この地が砂鉄の産地であったことがあげられる。
戦国時代、葛西氏がこの地を治めていた頃、奥州御鉄方の長といわれる千葉土佐は、キリシタン大名として有名な浮田秀家の領地備中(岡山)から、留衣大八郎、小八郎という製鉄技術者を連れ帰った。この兄弟がその後、この地がキリシタンの里となるきっかけをつくったといわれている。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
山は海を育てる、言わずと知れた里山や山を育てることで海が豊かになるというリアス式海岸からスペインまで、海や育てる漁業に興味のあった自分には必須アイテム。
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「心のガーデニング」で
連載していただいている
畠山重篤さんの代表著書です。 -
分類=自然・海・森林。02年5月。