中田英寿 新世紀へ ジョカトーレ (文春文庫 こ 30-1)

著者 :
  • 文藝春秋
3.48
  • (4)
  • (7)
  • (20)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 72
感想 : 9
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167656515

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ¥100だったけど、いや〜面白かった。本田とは全く違う中田のメンタリティー、2015年の今でも重みが違う。やはり中田こそジョカーレだったんだと改めて感じる。中田という大きな壁を、今の現役の選手たちはすごく感じてるんじゃないだろうか。

  • 「ジョカトーレ」
    2002年サッカーW杯で日本代表チームを決勝リーグに導き、その後も日本サッカーを牽引し続けている中田英寿。彼が世界の舞台に登場したのは1996年アトランタ・オリンピックだった。それからイタリア・セリエAへ移籍するまでの4年半の苦悩と栄光、そして成長の全て。


    19歳の中田英寿選手のインタビューから始まる今作品。Numberは分かるけど、プレーボーイとか、女性誌とかにもインタビューが掲載されていたことを考えると、この時代辺りから、サッカー選手を芸能人として、世間は扱っていたんですね。


    19歳の中田英寿は、既にサッカー選手。節々に出てくる言葉には、プロとしての誇り、自信、責務、アスリートとしての立場と姿勢への拘りと価値観を感じます。


    「ジョカトーレ」での読みどころは、中村俊輔選手の話が出てくるところですね。2人の初対面は、確か、98年W杯予選。そこから、2人は代表で比較されていくようになります。一番よく挙がるのは、06年ドイツでしょうか。あの頃も、トップ下は俊輔かヒデか?とメディアが騒いでいました。しかし、彼ら2人は互いを尊敬し合っていたということを、メディアはほとんど取り上げていないんじゃないでしょうか。


    俊輔は、セリエAで活躍するヒデに憧れ、ヒデの期待に応えようとした。一方、ヒデは、俊輔の類まれなるテクニックを認め、代表試合でのFKやCKを俊輔に任せることが多かった。そんな、2人が共鳴しあったのが、シドニー五輪です。中田選手は、トップ下でタクトを振るい、中村選手は、守備MFとしてチームに貢献する。同じ攻撃的MFであっても、チームの為に働くことをお互いに目指していたんです。つまり、メディアが面白がっていた対立とかそんなもんは無いんですよ。


    そんなメディアに対する中田選手の姿勢が変わった経緯についても、イタリアと日本のメディアの違い、ファンの違いにも触れています。ここら辺を読むと、「あぁ、当時は、本当に頭にきていたんだな」と思いますw


    インタビューを詰め込んでいるので、同じ経緯が出てくること、文章的なひっかかりもありますが、中田選手のインタビューという点は、貴重かな。

  • 8/6読了

  • 中学生の頃、彼は私のヒーローで
    「鼓動」を夢中になって何度も何度も読んだ記憶がある。

    あの時期を過ぎて、あれほどの温度にはならなかったけれど
    彼への熱はじっと、じりじりと、持ち続けていた。

    そしてあれから10年たって、これを読んだ。

    98年の試合、ダイナスティカップやフランスワールドカップの試合の流れを
    文章で読んでいると、まざまざとシーンが映像でよみがえった。

    やる気が、でてくる。

  • 最近マイブーム「中田英寿本」第4段。

    「鼓動」とか金子逹人のドキュメントを読んで、この本より以前の時代の知的で理性的な中田というイメージをずっともっていた僕にとって、「誇り」でかなりメンタリティを強調した発言が増えていることを意外に思いました。(この面は実はあんまし好きではない。「誇り」は良書であることは付け加えますが)

    その僕にとってのギャップを埋めるのがこの本だった気がします。

    やはり欧州への移籍が彼のサッカーに対する考え方、プロサッカー選手であることの意義を大きく変えたんですね。

    彼のとっている行動自体は若かりし頃から一貫した哲学が貫かれているのだけれど、その突き動かす心の内は大きく変化している。まあ、あたりまえっちゃそうなんですが、その事実を認識でき、改めて中田への共感を強めました。

    この人はやはりとんでもない人物です。

  • ひで的な考え方がたくさん

  • 僕が本当に面白く読んで、しかも中田を尊敬するようになった本を紹介します。
    ジョカトーレ

    著者の小松さんは、本当に中田の心の中まで迫っています。
    中田は、考える人ではあるが、本当に行動の人。素晴らしい行動力には驚かされます。

    自分のIQを調べるために、一人で大学の研究室を訪ねたエピソードなんかは、すごいと思います。
    フランス大会後に、海外移籍のために、水面下で交渉し、ついには

    あと、日韓ワールドカップの試合で、相手選手からガンガン足を削られて(アタックされて)足がパンパンに膨れてしまっていたのだが、それを全く周りの人に知らせず、もくもくとプレイしていた、なんて涙が出るエピソードもある。
    (これは、中田英寿鼓動だったかも。−−−きっとそうだ。)

    ニュースステーション出演のときに言っていたように、「楽しんで」ワールドカップを戦って欲しい。
    でも、その楽しむとは、中田いわく「大活躍して、結果も残して」初めて可能なのだ。
    彼の自分にかすハードルは、昔から全く変わらず、ものすごく高いままだ。

  • 中田の原点がここに。知られざる素顔の全て
    新天地パルマでも活躍を続ける中田英寿。彼のスタート地点ともいえるアトランタからセリエA移籍までの4年間を完全ドキュメント。

全9件中 1 - 9件を表示

著者プロフィール

一九六二年横浜市生まれ。広告代理店
勤務などを経て八九年より執筆を開始。
主題は多岐にわたり、人物ルポルタージュ、
ノンフィクション、インタビューなどの作品を発表。
著書に『YOSHIKI /佳樹』『全身女優 私たちの森光子』
『五郎丸日記』『それってキセキ GReeeeNの物語』
『虹色のチョーク 働く幸せを実現した町工場の奇跡』
などがある。

「2020年 『M 愛すべき人がいて 愛すべき人がいて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

小松成美の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×