日本の名薬 (文春文庫 や 32-1)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (244ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167656980

感想・レビュー・書評

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  • 本書は、江戸や明治に誕生した、いわゆる伝統名薬40のルーツを紹介するものである。製造法から効果効能、さらに販売所まで網羅した一冊。

    本書に登場する薬を検索してみると、地元の薬局でしか売っていない薬もあれば、ネットから取り寄せられる薬もあって、そんなこんなも調べつつ、予想以上に楽しい読書だった。それらの薬の中には、薬事法の制限を受け、成分を変えて存続しているものもある。この時代、さすがに“万病に効く”と謳うわけにはいかない。

    てっきり漢方薬だと思っていたあの薬やあの薬のルーツが、実は蘭方医学だったと知ったときは驚いた。それにしても世の中には知らない伝統薬が結構あるんだなあ。

  • おお!そのへんの薬局にあるアレもアレも、こんなに伝統があったのね、と小さな驚きをいくつも感じつつ読む。
    日本の伝統、ないし東洋医学が語られるとき、とかく排外的な記述になりがちなのだけど、この本はそういったテイストが少なく、そこも好印象。

    でもまあ、どうなんだろう、実際のところの効能は。
    基本的に「今の薬」と比べては劣るんだろうね。もし勝っているならば、新薬がこれだけポコポコ出るわけがないんだから。

    であれば、我ながら暴論ではあるのだけど、有効成分とされる化学物質を並びたてる必要はないんじゃないかな。
    もう「今の薬」とは違う価値観で作られています、(例えば)イモリの黒焼きが血の巡りをよくするんです、と言っちゃう。以上。
    イモリに含まれるイモリフェドキシン(適当)が血中のイモフェデール(適当)と結合し云々……なんて説明は一切なし。

    だって、現代医学の土俵で勝負しても勝てるわけないもん。
    それに何より「現代医学とは別物だけどなんか効く感じのもの」が世界に存在している意義は、実はめちゃくちゃでかいんじゃないかな、と僕は思っているのだ。暴論かなあ。暴論か。

  • 090227(s 090301)

  • 長い伝統と実績に支えられた名薬を学ぼう。

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著者プロフィール

山崎光夫
一九四七年福井市生まれ。早稲田大学卒業。放送作家、雑誌記者を経て小説家に。八五年『安楽処方箋』で小説現代新人賞を受賞。医学・薬学関係に造詣が深い。小説に『ジェンナーの遺言』『ヒポクラテスの暗号』『精神外科医』『風雲の人 小説・大隈重信青春譜』『小説曲直瀬道三 乱世を医やす人』など多数。ノンフィクションに『東京検死官』『逆転検死官』『戦国武将の養生訓』『薬で読み解く江戸の事件史』『胃弱・癇癪・夏目漱石 持病で読み解く文士の生涯』など。九八年『藪の中の家 芥川自死の謎を解く』で第十七回新田次郎文学賞を受賞。

「2023年 『鷗外青春診療録控 本郷の空』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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