陰の季節 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
3.54
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本棚登録 : 4091
レビュー : 394
  • Amazon.co.jp ・本 (247ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167659011

作品紹介・あらすじ

警察一家の要となる人事担当の二渡真治は、天下り先ポストに固執する大物OBの説得にあたる。にべもなく撥ねつけられた二渡が周囲を探るうち、ある未解決事件が浮かび上がってきた…。「まったく新しい警察小説の誕生!」と選考委員の激賞を浴びた第5回松本清張賞受賞作を表題作とするD県警シリーズ第1弾。

感想・レビュー・書評

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  • 久しぶりに横山秀夫を読みたくなって昔の文庫本の「山」から引き出した。完全に内容を忘れていた。面白かった。2003年2月読了のメモがある。この頃は感想文を直ぐにスマホに入れ込むなんて出来ないから章と章の間の白紙にメモしていた。

    感想文の内容は省略するが、どうやらこれが横山秀夫を読み始めた最初らしい。D県警シリーズの最初だった。社会的事件ではなく、県警内部の〈事件〉を扱った短編集である。この後4年間ぐらいで立て続けに横山秀夫が10冊ほど文庫本が出て全部制覇したのを覚えている。
    それほど新鮮だった。時の流れを感じる。

    小説内では、まだぷかぷかタバコを吸い、家には刑事専用の電話があり、ファックスがメールの代わりになっている。まるで昭和のようだけど、21世紀の文庫本なのである(初出は98年)。4編のうち2編は警察内の出世のために東奔西走して敗れてゆく話。一編は昔気質の元刑事のプライドの話、一編は目に見えない女性差別の話。て、そんな話ではないという人も居られるかもしれないけど、私にはそう読めた。いずれにしても、少し話の構造が当たり前だけど古い。現在、横山秀夫の新作のスピードが落ちているのも、新聞記者時代のネタが尽きてもうネタ元が(死んだり退官して)居なくて描けないことに理由があるのかもしれない。

    • kuma0504さん
      地球っこさん、こんにちは。
      最近は「64」ぐらいから直ぐに映像化されるので本を読まなくなったのですが、映画で突然二渡(仲村トオル)が出てきて...
      地球っこさん、こんにちは。
      最近は「64」ぐらいから直ぐに映像化されるので本を読まなくなったのですが、映画で突然二渡(仲村トオル)が出てきて、あゝこれD県警だったんだとわかりました。もっともあれは平成14年の事件だから、この本の事件(98年)の4年後、二渡バリバリの頃です。今はどうなってるんだろ。
      2021/05/07
    • 地球っこさん
      あー、今の二渡さんなんて想像できないっ
      わたしにとって、エース(=仲村トオル)は永遠にバリバリの頃のエース(=仲村トオル)なのです♡
      あー、今の二渡さんなんて想像できないっ
      わたしにとって、エース(=仲村トオル)は永遠にバリバリの頃のエース(=仲村トオル)なのです♡
      2021/05/07
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      kuma0504さん
      「64」が出た時にPR小冊子も配布され、D県警の相関図にフムフムと思った記憶があるのですが、現物が見当たらない。。。
      kuma0504さん
      「64」が出た時にPR小冊子も配布され、D県警の相関図にフムフムと思った記憶があるのですが、現物が見当たらない。。。
      2021/05/09
  • 陰の季節 横山秀夫著

    1.横山さんとのあゆみ
    クライマーズハイ、64、第3の時効、真相、半落ちという具合に読み進めてきました。

    長編小説では、物語の展開がクライマックスまで読めないことの面白さ、短編小説では登場人物の感情そして表情の描写が心地よい余韻へとつながっていました。

    2.陰の季節
    短編小説です。
    読了後の感想は、心地よい余韻、、、というわけではありません。笑。
    警察内部、しかも、刑事部門ではない組織を描写せているためでしょうか? 切実な心象を残します。

    3.陰の季節。こんな方におすすめ
    ①横山秀夫さんが好きな方向け
    ②ミステリー好きだが、どろどろは嫌な方向け。
    ③ミステリー謎解きは好きだが、多少予想ができる展開が好きな方向け。

    #横山秀夫 さん
    #読書好きな人とつながりたい


  • 後の刑事小説の基になったと思える一冊。「震度0」に見える警察機構内部の軋轢と個人の存在意識。「顔」のストーリーの面白さなど、その後の作品の原点を感じた。

  • 先にFACEを読んでた。4話の短編で所々にニ渡が出てくる。40歳で警視になりクールなニ渡が第一話で、元刑事部長に翻弄され珍しくうろたえる様もありですね。黒い線はFACEの平野瑞穂巡査が無断欠勤してしまうが、原因を作った上司の顔を引っ叩いた先輩婦警の友子に胸のすくおもいでした。

  • 久々に再読。ほぼ内容覚えて無かったので、改めて楽しみました。警察ミステリーを、犯罪事件ではなく警察組織をテーマにした良作ですね。そもそも山本周五郎賞を別作品で取られてて、山本周五郎はながい坂では時代劇だったので何故だろう、と思ってはいたのですが大衆文学という整理なんでしょうね。

  • 心情描写に引き込まれる。『64』を読んだ後に読んだので、つながりを見つけると嬉しくなった。(Audibleで読了)

  • はじめての横山秀夫さん

    刑事物、面白い

  • 横山秀夫の警察物は相変わらず良い。
    本作(D県警物)は内向きの警察作品という事だが、外回りの警察作品に引け目を取らない面白さがある。
    D県警物として読んだのは私は本作が2作目だった。
    初めて読んだのは、似顔絵婦警・平野瑞穂が主役の「顔」で、本作に登場した時、ん?と思ったらD県警物だという事を知った。

    読了後にD県警物の64を読むつもり。

  • 全編通して暗い...。ただその暗さが人の裏側を描いていることに密接にマッチし、独特の世界観を紡ぎ出している。二渡、新堂などの登場人物の組織内でのし上がろうとするキャリア観はこの時代の為せる技だろう...。
    警察を舞台とした違う切り口で語られる物語でいっき読みできます。

  • 表題作にもなっている『陰の季節』を含む、四作品収録の短編集。D県警シリーズ第一作目。

    警察小説といえば、捜査をする刑事にスポットを当てるものが多い。しかし、この作品では管理部門の人間にスポットを当てている。

    警察内部で起きた事件や問題を、管理部門の人間が解決するという斬新な作品。

    組織の中で生きるという事を生々しく表現していて、読んでいて息苦しさを感じてしまう程。

    だけど面白くないかと聞かれれば、間違いなく面白いと答えるだろう。その理由のひとつは、著者の圧倒的な筆力で描かれる“心理描写''にあると思う。

    これは是非、読んで確認してもらえたらと思います。

    どの作品もテンポよく読めますが、内容は決して軽くないです。むしろ、長編を読んだ時のそれに近い満足感。

    読後感は必ずしも良いとは言えません。けれど、読み終わった後に改めてそれぞれのタイトルをみてみると、とても感慨深いものがあります。

    警察小説が苦手だった方も、もしかしたら意外と読めてしまうかもしれません。

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著者プロフィール

国際商科大学商学部卒業。1979年上毛新聞社に入社。1991年、『ルパンの消息』が第9回サントリーミステリー大賞佳作を受賞。1998年、『陰の季節』で第5回松本清張賞を受賞、小説家デビュー。代表作に『半落ち』『クライマーズ・ハイ』『64』などがある。

「2015年 『漫画でよめる! 語り継がれる戦争の記憶 戦火の約束』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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