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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784167660093
みんなの感想まとめ
寄生虫に対する深い愛情と好奇心が詰まったエッセイで、寄生虫学者の視点から描かれるユーモラスな内容が魅力です。ポップなイラストが施された装丁は手に取りやすく、豊富な写真や小見出しが読みやすさを引き立てて...
感想・レビュー・書評
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中1の娘に「カイチュウって何?」と聞かれた。
海中、懐中、回虫…、やっぱり回虫だろうと「お腹の中にいる寄生虫の事??」と答えてみたら、「ええ~夏休み理科の宿題の籤(?)でカイチュウを当てちゃったんだけど、そんなに気持ち悪いものだったのか~~~」とのこと。
いくつかの生物の中でテーマを籤引きで決めたらしい、面白いな最近の女子中って。(他には、ライオン、フクロウ、カメムシなどがあったらしい。梟だったら私が嬉しかったのに。娘は回虫で不満らしいけれどカメムシよりはやり易そうだ。)
さて。回虫だったらとりあえず「目黒寄生虫博物館」の亀谷了先生と、カイチュウ博士藤田紘一郎先生が思いついたので、私のために借りてみた。(娘にも差し出したが「ご飯食べられなくなっちゃう~」と敬遠気味(苦笑))
私が子供の頃親戚の本棚でこの本のフルカラー版を見た覚えがある(この親戚の部屋には他にも色んな物があるんだが)。あれから40年くらい経つがついに自分で読んだ。
そういえば20年以上前に夜に放送されていた「シネマ通信」という映画情報番組で、来日するエドワード・ノートンに日本でしたいことを聞いたら「日本で一番賑やかなところと、日本で一番奇妙なところに連れて行って欲しい」だった。そこで番組では賑やかなところとして築地の朝市場(20年以上前なのでまだ外国人観光客とかいない頃)、奇妙なところとして目黒寄生虫博物館へ連れて行っていた。エドワード・ノートンは大喜びして、お土産の寄生虫ストラップとかTシャツとかにサインして視聴者プレゼントにしていた。彼のところは天才家系らしいがやっぱりちょっと変わってるな~~。
さてこの本は世界で唯一の寄生虫博物館、「目黒寄生虫博物館」初代館長の亀谷了先生の寄生虫エッセイですが、人柄の善さ、寄生虫への愛、研究の悦び、人や動物の大便を調べることの心からの悦び!に溢れていて、生物としても分かりやすくエッセイとしても非常に面白かった。
まずは動物を生活面で分類してみる。
●自由生活
⇒自分で働き獲物を探し配偶者を見つける。
●共生生活
⇒二種類の動物が相互に害することなく共同生活を送る。お互いが相手の存在で利益を受ける「双利共生」と、一方のみが利益を受ける「片利共生」がある。
●寄生生活
⇒自分だけの力では生きられない。一方がもう片方を宿主(しゅくしゅ)として、衣食住すっかり寄りかかり生きる。
そして寄生生活を送る寄生虫の生態系は驚くばかり。
回虫の場合は、宿主は人間なので、野菜などについた卵から人間の体内に住みただただ子孫を増やし続けてそのまま人間の体内にいる。
しかし中間宿主を必要とする寄生虫もいる。
広節裂頭条虫(すごい、一発変換できた)というのは、水の中で孵化して第一時幼虫としてミジンコ(第一次宿主)の体内に入る⇒
ミジンコがサケやマス(第二次宿主)に食べられて第二次幼虫になる⇒
サケやマスが人間に食べられて、人間の中で広節裂頭条虫に成虫する⇒
卵は人間の大便とともに排出されて水中に…と繰り返してゆく。よくそんなにうまく乗り換えられるものだ。
宿主の乗り換え方も凄い。
宿主が別の生物に食べられるときに移動、しかも最初の宿主を次の宿主に食べられやすく操ったりする。
研究のために動物を解剖すると、その胃腸がはちきれんばかりに寄生虫が溜まっていたとか、血液や脊髄や魚の場合は鰓からたくさんの寄生虫が出てきたり…
さらに寄生虫は子孫を残すために生きるということに特化している。目玉を目的の宿主に辿り着く妙だけの機能として、辿り着いたら目玉をポロっと落っことして捨ててしまうという寄生虫がいるんだそうな。自分が生きて子孫を残すという目的のためにはあっさりと体を変えられる単純さと、しかしそのような構造になるためにはかなり複雑な進化を経ているだろう。
寄生虫の身体は単純なんだか複雑なんだかよく分からない。
寄生虫も住める宿主である生物は決まっていて、そこで大人しくしている分には宿主に迷惑を掛けない
。しかし何かで間違えて違う宿主に入ってしまったら、彼らなりに生きようとして宿主の健康に害を与えてしまう、ということ。
しかし「害をなさない」の害はどこまでを言うのだろう。
「ロイコクロリディウム」という寄生虫は、
幼虫の間はカタツムリの体内⇒鳥の体内に乗り変えて成虫になる⇒卵は鳥の糞として排出されてカタツムリに入る⇒繰り返し…としているが、カタツムリに十分害をなしているのではなかろうか。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%82%A4%E3%82%B3%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%AA%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%A6%E3%83%A0
さらに「幼虫はアリ⇒アリを草の上に登らせ、草ごと羊に食わせて羊に入る」という吸虫(きゅうちゅう)ももいるが、この場合は、最初の宿り主の蟻んこを羊に食わせるために操っているんだから、十分宿主に害をなしているような。
寄生虫に入られたら宿主の考えや行動まで変わってゆくというのが怖いというか感心するというか、そしてちょっと安心するというか。
以前読んだ「免疫学個人授業」という本で、「自分とは、自分じゃないヤツじゃないヤツである」として、「では自分じゃないヤツをどうやって見向くか、それが免疫」「免疫が崩れるとアレルギーが起きる」とか書かれていた(はず)。
https://www.amazon.co.jp/%E5%85%8D%E7%96%AB%E5%AD%A6%E5%80%8B%E4%BA%BA%E6%8E%88%E6%A5%AD-%E6%96%B0%E6%BD%AE%E6%96%87%E5%BA%AB-%E5%A4%9A%E7%94%B0-%E5%AF%8C%E9%9B%84/dp/4101410321
普段「自分」とは”この身体”と”考え”だと思っていたのですが、免疫が「自分じゃないヤツを分からなくさせる」とか、「寄生虫によって自分の身体が変化したり、好みが変わったりする」とか、「寄生虫のために自分を他の生物に食わせる」となると、いったい”自分”とはどこまでなのだろうと思う。
しかしそれは不安であると同時に、その不確実に妙に安堵を覚えもする。”自分”なんて、体内に入ってきた原始的生命のせいで変えられてしまうんだ、それならあまり深く”自分”なんて考えなくていいじゃないか!という変な安心感も持ててしまう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「僕は寄生虫がかわいくてかわいくてしようがない」という寄生虫学者・亀谷了のエッセイ。
装丁はポップなイラストで手に取りやすく、中にはイラストと写真が満載。解説に伊藤潤二(イラスト付)。小見出しのつけ方が抜群に良くて「女子高生のおなかの中の合計四十五メートルの寄生虫」「寄生虫はとてもおだやかに生きている」「自分のペニスは相手のヴァギナに、自分のヴァギナには相手のペニスが」「二組の生殖器は必要ですか?」「エラから手が抜けない!手が血だらけだ」など。
軽いタッチのユーモアがある文章でさくさく読ませる。権威ある学者が、こういう本を出していることに脱帽。世間によく知られているような研究ではないだけに、誰にでも読める分かりやすいエッセイという形で認知してもらうという活動は、非常に有効だと思う。
これで税抜き\524はお買い得。「寄生虫」というキーワードに少しでも惹かれたら読んで損なし。絶版の「寄生虫紳士録―やさしい寄生虫の知識 (1965年)」の復刊を望みます。 -
やっぱり私は、誤解を恐れないで言うなら、こういうよくわからない使命感と好奇心とで突っ走ってる人が好きなんだなぁと思い直しました。
突っ走ってるのに妙に冷静で、自分がまわりからどう見えているかもわかっているのに、一向に辞められないし、止めるつもりもなくて、ホントに良いですね。
……いや最近ほんの少し、好みから外れた本が多かったもので、久しぶりにとても楽しかったです。とっても良かった。 -
シーラカンスの解剖に立ち会うまでのくだりと、シーラカンスという貴重な機会なのはわかるけど、さらにシーラカンスの寄生虫というと、うん、さらに希少感が伝わってくるww
とにかく、目黒の寄生虫館に感動するなら、この一冊は読んでおいて損なし! -
「目黒寄生虫館ガイドブック」
「はらのむし通信 180」 2000年12月
「はらのむし通信 181」 2001年10月
参考文献
『世界史の中のマラリア』 橋本雅一 1991
『ペストからエイズまで』 ジャック・リフィエ・他 1996
『歴史をかえた病』 フレデリック・カートライト 1996
『恋する寄生虫』 藤田紘一郎 -
気持ち悪いけどおもしろい。何も殺さずに共生できる、ある意味とても優しい生き方をしている寄生虫。
さくさく読めます。 -
高校の時の生物の先生一押し。この方の助手の寄生虫への愛が半端ない。思わず食べちゃうほど!? ミステリ読んでて死体を放っておくと体の中の寄生虫が穴という穴から出てくるからティッシュ詰めとけ、という描写があったので。サナダムシとかは鼻からとか出て欲しくないナァ…
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全くと言っていいほど、漫画以外の本を読んだ事がなかった高校時代の私が、わざわざ興味を持って買ったのが、これのハードカバー版。そんなバカな自分にも理解できて熱中できるほど、寄生虫について楽しく説明してくれてます。目黒寄生虫館と併せて御覧下さい。
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もう生魚食えねえよ。もう東南アジアでゲテモノ食ったりできねえよ(っていうかタガメはやめといて良かった。お腹痛くなった人がいるって言ってたし。コオロギだけで十分だ)。
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目黒寄生虫館にはまだ1回しか行ってないんだけど、亀谷先生の本は好きだなぁ。寄生虫っていうと藤田紘一郎氏がメジャーだけど、やっぱり亀谷先生がいいと思うのだよ。寄生虫館はみんな行くがいいよ。8m超のサナダムシとか見とくべき。
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目黒区にある寄生虫博物館を戦後から一人で創設し、初代館長を務められた亀谷了氏のエッセイ、寄生虫についてのガイドブックです。文章が読みやすく、寄生虫への愛(?)が伝わってきます。面白い話がたくさん詰まっています。実際の寄生虫博物館にも行きましたが面白い所でした。
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強烈なエピソードに度肝を抜かれます(笑)
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生きるってこういう事かー。
という、希望が湧きます。
この本が好きな人におすすめの本
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