日本のみなさんさようなら (文春文庫PLUS 50-8)

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  • Amazon.co.jp ・本 (361ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167660369

感想・レビュー・書評

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  • 「司馬本の合間の息抜きに最適。」っていったら怒られるか?いや、彼なら笑い飛ばしてくれるだろう(笑)

    「東京タワー…」を読了し、俄然作家として興味の湧いたこの人。そういや本業は別にあったような…と淡い記憶をたどりながら古本屋でこの書を手に取る。「ああ、絵を描くんだった、この人は。」とポスターの如き巻頭のイラストを眺め、よく中身を確認せずそのままレジへ。その結果は…、自分的には二重丸。1)この本が邦画評集であったこと、2)彼の重要度の低い視点が延々展開されること、3)基本路線はエロであること、4)etc. etc....だった割には(笑)

    自分が今住む街では邦画のレンタルなどは贅沢の部類であるし、テレビを付けても流れていない。でも幸いこの街にはこの寸評集の中に含まれていたいくつかの作品をたまに上映したりする酔狂な映画館がある。そのお陰で全くの新参者ではない状態で程よく楽しませていただくことができた。それら数本の作品への彼の斬り方を笑って聞く側として(笑)

    あぁ、この世にはまだまだ生きているうちに触れねばならない作品がたくさんある。映画の助数詞がなぜ「本」なのか、想像もつかないような世代が生まれてこようともお構いなしにリリー氏ぐらいのぬるさで心底楽しんでいきたい、と切に願うのであった。まる。

  • 「リリー・フランキー」の映画コラム集『日本のみなさんさようなら』を読みました。

    8作品連続で「東野圭吾」長篇作品を読んだので、ちょっと軽い作品を読みたくなったんですよねぇ、、、

    「リリー・フランキー」作品は一昨年の11月に読んだ「ナンシー関」との対談集『小さなスナック』以来なので、久しぶりですね。

    -----story-------------
    それは世間に呆れ、疎ましさを感じた時に出る言葉。
    洋画を偏重する日本人の感性に男は叫ぶ。
    「日本のみなさーん、さよーならー」。
    空気も言葉も時代も、日本映画はわかる。
    だから腹が立つし、だから好きになる。
    名作珍作にインスパイアされ、「リリー」君が描き出す心の原風景、全173点。
    『ぴあ』連載「あっぱれB級シネマ」で話題の映画コラム、待望の文庫化。
    -----------------------

    1994年から1999年までの期間、雑誌『ぴあ』に連載された映画コラム『あっぱれB級シネマ』を編集した作品です。

    著者も本書の中で語っていますが、映画評論ではなく、映画を観て「リリー」が何を考えたか… を語った作品なので、観たタイミングとか環境、精神状態が内容に色濃く反映されている感じがしますねぇ。

    名作から怪獣モノ、ポルノ作品、アニメ作品等幅広いジャンルの邦画173作品… それも戦後間もない頃の作品から最近の作品まで、全ての作品を「リリー」のイラスト付きで紹介されているのは嬉しいですね。

    多分… 90%以上は観たことのない作品ですが、、、

    それでも『天城越え』、『お葬式』、『「男はつらいよ」シリーズ』、『霧の旗』、『獄門島』、『櫻の園』、『幸せの黄色いハンカチ』、『四月物語』、『砂の器』、『「大魔神」シリーズ』、『月とキャベツ』、『天国と地獄』、『幻の光』、『めし』、『萌の朱雀』等々、観たことのある作品については、同感できる部分もあり、愉しく読めました。

    特に「松本清張」作品に関して「善悪がグレーに混じり合ってイヤな気分に浸れる」という感想や、

    「高倉健」は「極寒の中で活きる」という意見には、思わず頷いてしまいました。

    まっ、独特の切り口で感想が語られているので、こんな感じ方もあるんだなぁ… と改めて感じた部分が大半でしたけどね。


    本書を読んで「木下恵介」監督作品の『女』、

    「岡本喜八」監督作品の『独立愚連隊』、『肉弾』を観たくなりました。

  • 38677

  • これを読んでいたお陰で、NHK BSプレミアムの映画が楽しみになりまくった。

    映画の紹介本のなかで、もっとも肩のこらない本ではなかろうか。いや、このジャンルほとんど読んだことないから何ともいえないけど。

  • リリーさんの文章は小気味よくて良いですね!

    ヽ(・ω・)/ズコー

    最近、日本映画を見始めるようになった僕は常日頃から映画評みたいな本を探していて、そんな中で出会ったのが本作なわけですけれども、なかなか秀逸なレビュー…というのかどうかは定かじゃないにせよ、個人的にリリーさんの本は以前に読んで気に入っていたので、これも絶対に気に入る!! と思って読み始めたんですけれども、やっぱし良かった…

    ヽ(・ω・)/ズコー

    まあ、本作を読んだからって、じゃあこの日本映画を観てみよう…みたいな気持ちは起こらないわけですが。仮に起こったとしても今現在、レンタル屋さんに在庫があるのかどうか分からないし…まあ、これはリリーさんの映画に絡めた与太話? を楽しむための本ですね…おしまい。

    ヽ(・ω・)/ズコー

  • 『東京タワー 』の作者、リリー・フランキー。

    しかしながら彼の醍醐味はエッセイにありと言っても過言ではない??

    日本映画の評論をテーマとしたエッセイ。

    ほぼ評論してませんがそれでよいのです、それがリリーさんなのです。

  • リリーさんが言いたい放題言ってるんだけど、
    面白いからその映画を見たくなってしまう。

  • あまり映画に対する愛情が感じられない一冊。映画評って「なんでこんなバカな映画作っちゃったんだろうね〜。バカだよな〜。でも好きなんだよね〜」って愛があってこそだと思うんだけど、この人の場合はただ茶化してるだけで読後感あまり良くない。

  • 映画評論・紹介の本なのですが。
    内容がちょっと古くて、見たことがないものばかりなので画が思い浮かばずついてゆけない、という点で★2つ。
    でも、読んでるとDVD借りて見たい!と思えてくる名作が数知れずありますなっ。

  • リリーさんらしい視点での映画評論
    ほとんど映画の評価はしてないけど面白い
    全く意味はないけどなんか読んじゃった。

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著者プロフィール

1963年生まれ、福岡県出身。 武蔵野美術大学を卒業。 俳優業のほか、文筆家、小説家、絵本作家、写真家、アートディレクター、作詞・作曲など幅広く活躍。自身初の長編小説『東京タワー~オカンとボクと、時々、オトン~』(扶桑社)が06年、本屋大賞を受賞。200万部以上の大ベストセラーとなり、映画化をはじめ、ドラマ化、舞台化された。著書は『美女と野球』『エコラム』など。初のひとり芝居に挑んだ映画『その日、カレーライスができるまで』が公開中

「2022年 『細野晴臣 夢十夜』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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