不肖・宮嶋&忍者・大倉一撮入魂! (文春文庫PLUS 10-12)

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  • Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167660826

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  • オウム真理教の元教祖・麻原彰晃の、小菅港所内での姿を捉えた写真
    は衝撃的だった。

    頭巾をかぶせられ、車椅子で移動している場面を掲載したのは「週刊
    文春」。撮影したのは著作も多いカメラマン・宮嶋茂樹。

    この小菅拘置所での麻原彰晃の写真のほか、写真週刊誌などに掲載
    された数々のスクープ写真撮影の裏話を、相棒にしてライバルでも
    あるカメラマン・大倉乾吾との会話形式で綴っているのが本書だ。

    「その一瞬」を抑える為の膨大な待ち時間、いかに他のカメラマンと
    違うショットを撮るかのアイデア。まぁ、無茶苦茶である。

    東海村のJCO臨界事故の時に、誰が「高所作業車から撮影じゃ」なん
    て考え付くだろうか。高所作業車のレンタル料金もばかにならないだ
    ろうに。

    今では「フライデー」が雑誌にその名を留めているくらいだが、写真
    週刊誌全盛時代は各社の競争が激しかったのだろうな。御巣鷹山での
    日航機墜落事故の時は、各誌がかなりえぐい写真を掲載していたこと
    を覚えている。

    本書で一番印象に残ったのは池田小学校児童殺傷事件の犯人・宅間守
    の父親の話。情報が欲しくてちやほやするマスコミもどうかしている
    が、息子がとんでもない事件を起こしたのにその息子の写真やら日記
    やらをマスコミに売り飛ばしてってなんだよ。

    そりゃ、不肖・宮嶋が正義のフラッシュを浴びせてその姿を写真に
    納めようとするわ。

    「財界のフィクサー」と呼ばれた許永中の護送中の写真を狙った
    追跡行、広島刑務所から出所したオウム真理元幹部の上祐史浩を
    広島から東京まで追っていく話は興味深かった。

    おふたりとも、物凄い機動力だ。そうでなければ週刊誌のカメラマン
    は務まらないのだろうが。

    つくづく思うわ。カメラマンって相当に頭と体を酷使する仕事なんだと。

  • 100726 Amazon

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