青い虚空 (文春文庫 テ 11-2)

  • 文藝春秋
3.77
  • (49)
  • (95)
  • (71)
  • (14)
  • (1)
本棚登録 : 689
感想 : 63
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (649ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167661106

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • シリコンヴェレーの有名女性の惨殺事件。犯人はハッカーと断定。
    コンピュータ犯罪課の刑事は、服役中の天才ハッカーに協力を要請。
    ゲームで高得点を狙うように難攻不落の対象のみを狙う連続殺人犯。
    天才ハッカー同士の息詰まる一騎打ち。。。

    題名「青い虚空」blue nowhereとは
    blue→コンピュータを動かす電気
    nowhere→実在のない世界
    でコンピュータの世界。サイバースペース。
    この世界を自在に駆け巡る天才達の攻防戦は、ディーヴェーの本領発揮。
    犯人の共犯者が誰か登場人物を疑いすぎて誰も信用できない。ぐったりです(笑)

    ブルー・ノーウエアにいればなんでも望むものになれるし
    真実を話さなくても誰にもわからない。
    すべてが嘘でも誰にも見抜けない。
    20世紀には人はお金を盗んだけど、今盗まれるのは情報が一番恐いのかもしれない。

    10年以上前の作品だから今はもっともっとすごいことになってるんだろうな。
    この分野の人が読んだら?なとこはあるかもしれないけど
    用語の説明含めておもしろかったです。新しい世界が広がりました。

  • 小説としての完成度は高い(ストーリーが練られていて無理がなく、伏線のはり方もソツがない)と思います……が、最後まで「世界に入れない」感覚が残りました。

    最初の方で、アンディ・アンダーソンがいかにも主人公(読者の視点を共有する人物)といった風格で登場したため、彼とジレット以外の印象が薄くなってしまったのがその原因かも。そのため、一章だけでアンダーソンが退場したら、後はキャラの区別がつかなくなってしまったのですよ(涙)

    犯人の「共犯者」の正体は? という所で、彼らの結びつきの強さから、共犯者は女性なのか、それとも彼はゲイでアッーなのか、と思っていたら……なるほど、そう来ましたかって感じでした。

    10年以上前に書かれた作品ですが、それほど古さは感じませんでした。テクノロジーより「ソーシャル・エンジニアリング」に重点が置かれたせいかもしれませんね。また、「ちょっとありえない」という所もなくはないですが、描写に説得力があったせいか、それほど気になりませんでした。

  • 面白かった。ディーヴァーなら当たり前かもしれないですが。
    いろいろと怖い要素がたくさんあったけれど、なにを言ってもネタバレになりそうな…一番怖かったのは作中、発売中止になり、シリアルキラーが真似たゲーム<アクセス>が、えらく面白そうだったことかもしれない。やってみたいわー<アクセス>。

  • 4+

  • ジェフリー・ディーバーとは相性が悪いらしい。

  • 犯人の片腕の正体について、最後までミスリーディングがつきまとう。わかってしまえば納得なのだけど、そんなシステムが構築できるのか?そんなクラッキングが本当に可能なのか? という疑念は残る。

    が、作者も後書きに残しているように、ことごとく打ち破られたコンピュータ界の常識が、疑問符を取去ってくれることだろう。

  • 2人組の殺人鬼に対抗するため、捜査本部は在野の専門家に協力を依頼した。息詰まる頭脳戦、捜査員の死、政治の介入、愛するものに迫る危険。…そしてハッピーエンドの予感。
    と並べていくと、『悪魔の涙』とそっくりだ。同じ設定を使いまわしているのか、サスペンスの定石なのか。
    今回はハッカー同士の対決の話。誰にでも読める内容ではあるのだが、コンピューターの素養なしに 本書を味わいつくすのは難しい。高等技術の応酬にも、「おお、なるほど!」「そう来たか!」「なんと、そんな手が!」などと感嘆することができず、ただ「へえ」と思うだけだった…。
    しかしそれでもおもしろい。この分量を一気に読ませる。4時間読み続け、目が痛くなるまでやめられなかった。

  • とても面白いと勧められてまだ読んでいない。早く読みたい。

  • ある有名人が「オススメされた本は必ず読む」と言っていました。
    “オススメするという事は面白いはずだ!”という理由だそうです。
    なので、知人がオススメしていた“青い虚空”を読んでみました(笑)

    一言で・・・

    “面白かった!!”

    です。

    海外の小説は、読むのが難しいと思っていましたが、“そんなことはない!”と思わせる逸品でした。

    内容は、殺人鬼であるハッカーの話。
    このハッカー(フェイト)は、パソコン1つで被害者の“富”、“精神”、“生命”を奪っていく。
    このハッカーを捕まえるために、警察側も天才的な元ハッカー(ジレット)と手を組む訳です。

    ↑このジレットが一癖二癖あるんですよ。というより、各登場人物にも一癖二癖ありますね。

    コンピュータの話なのですが、知識がなくても問題無。
    今となっては“ipad”や“スマートフォン”があり、昔に比べたらスゲー進歩しているけど、これこそ“元祖”って思う小説です。

  • 読み切りの、サイバー犯罪もの

    「青い虚空」ブルーノーウェアとは、サイバー空間を表した言葉

    最初の被害者がギブソンときて、こりゃウイリアム・ギブスンからの命名か?とか、凄腕ハッカーはワイアット・ジレット…こりゃワイアードからか?とか、英語原文ではないから勝手に想像して楽しむ

    コンピュータ犯罪で捕まったワイアットが、警察に協力する事を条件に、仮釈放される
    犯人は、人間をゲームのキャラクターになぞらえて、連続殺人を犯す
    犯行を阻止する事は出来るか?!

    という流れなんだが、ディーヴァー慣れしてきたので、どんでん返しが楽しみで仕方ない
    しかし、推理しながら読むミステリーファンは純粋には楽しめなくなるように…
    こいつは何か装っていそうだ
    こいつはしょっちゅう電話している

    と、誰彼なく怪しく見えてしまう(笑)!
    しかも、それも織り込み済みだろうから、みんな怪しい処を作ってある(笑)


    裏切者その1がスッキリしなかったなぁ
    しかし今回もどんでん返しだらけ
    最後のどんでん返しは幸福に、後味よし!

全63件中 31 - 40件を表示

著者プロフィール

1950年、シカゴ生まれ。ミズーリ大学でジャーナリズムを専攻。雑誌記者、弁護士を経て40歳でフルタイムの小説家となる。科学捜査の天才リンカーン・ライムのシリーズ(『ボーン・コレクター』他)や“人間嘘発見器”キャサリン・ダンスのシリーズ(『スリーピング・ドール』他)は全世界でベストセラーになっている。ノンシリーズ長編小説、短編小説など人気作品も多数刊行
『ブラック・スクリーム 下 文春文庫』より

ジェフリー・ディーヴァーの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×