マンハッタン狩猟クラブ (文春文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (452ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167661595

感想・レビュー・書評

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  • 冤罪で捕まった男は投獄前に拉致される。死んだものとして処理された男はニューヨークの地下街に放たれハンターに命を狙われる。ニューヨークの地下が迷路のようというのは何かで読んだことがあるが、そんなにホームレス(本書によると本人達は「ハウスレス」。ホームは地下。)が暮らしてるの?

  • 夜の地下鉄の駅、暴漢に襲われていた女性を助けた青年ジェフ。しかし彼は暴行と殺人未遂の罪で捕らえられてしまった。刑が確定し投獄される直前に何者かによって拉致され、解放された場所はニューヨークの広大な地下だった。異常殺人犯とコンビを組まされたジェフに“ゲーム”のルールが言い渡される―「無事に地上に出ればお前らの勝ち。出られなければ負けだ」―彼らはマンハッタンの地下で繰り広げられるゲームの獲物となったのだった。一方、息子の無実を信じるキースは、これまでそりの合わなかったジェフの婚約者ヘザーと協力し、息子の救出に乗り出す。

    7年ぶりの邦訳作品「妖香」以来、ちょうど2年ぶりのソール作品。これまでの陰鬱な空気の詰まったソール節とは異なり、サスペンス作品では定番といえる≪人狩り≫がテーマとなっている。従ってホラー色は低く、むしろサスペンスアクションと呼ぶ方が相応しいか(それでもところどころで出してくるの嫌ぁぁな描写、あるいはそれぞれ鬱屈した感情を抱えるジェフの両親についての記述などはこの著者らしさがたっぷり出てはいる)。それに加え、綿密な取材に基いたと思われるニューヨークの地下の様子、そこで暮らす地下生活者についての描写などは、荒唐無稽にも思われるアクション作品にリアリティを与えている。

    難を言えば、大団円後のエピローグで多少腑に落ちない点もなきにしもあらず。ラストは……「機動戦士Vガンダム」のエンディングをつい思い起こしてしまった。

  • 良くも悪くも「ジョン・ソールらしくない」作品、かも。新境地?
    ソールといえば陰惨・どろどろ怨念ホラー。その陰惨さと後味の悪さが魅力だと個人的には思っているのだけれど、今作はホラーというよりサスペンス。主人公の青年もいい人で、まとも過ぎ。しかもジョン・ソールにあるまじきハッピーエンドだぁ!(笑) いやあびっくり。ま、一番最後のオチはらしいといっちゃらしいんだけど。
    だけど、面白いのは間違いなし。半分くらい読めば話の展開はある程度読めるんだけど、だからこそ逆に安心して読める点もある。後味もすっきり。今までのジョン・ソール作品はちょっと暗くて……という人でもこれはいけるかも。ただし私としては、やっぱり陰惨ホラーが好きだなあ(笑)。

  •  無実の罪で刑務所に送られる途中で、拉致され、マンハッタンの地下道に追い立てられた主人公。そこでは、人を人が狩るというゲームが待っていた。
     途中まで、全く救われることがなくて読んでて辛いぐらいだった。が、その狩っている人達は何者なのかとか、薄紙が剥がれるようにわかってくるあたりからがぜんと面白くなる。
     いきなり作風の変わったソールだけど、やっぱり実力があるんだよな。
     緻密に張り巡らせた伏線が、とても効果的だった。

  • 無実の罪で逮捕され、裁判で有罪とされ、刑務所への護送中に襲撃され、マンハッタンの地下坑道に放り込まれ、異常殺人者と組まされて地下坑道を放浪するハメになったジェフは、ホームレスらによって封鎖された駅などを迂回しつつ地上に向かうが……彼らを追う、完全武装の人間達が存在した、というお話。<BR><BR>うん、まぁなんと言うかな、ものすごく面白くない。<BR>追う者と追われる者との接触は終盤に入ってからだし、主人公を助けようと地下世界に飛び込んだ恋人&父親の活躍も殆ど無し。……こういうのは地上で、まったく別の場所で奮闘してこそ面白いと思うんですが。同じ土俵に二人も主役は要りませんぜ? ・・・しかもハンター倒したのは半分が父親&恋人コンビだしな。ジェフは本当に主役なのか。<BR>まぁ地下世界の恐ろしさや不気味さを手軽に味わうにはオススメ・・・ということもなく。これはまぁ『地下世界にも暮らす人たちがいる』って言いたかったのかもしれませんが、それゆえに舞台設定にも失敗した典型例というか。<BR>全体的に見所がなく、久々に「あ、大失敗した」と思った一冊でした。

  • 最近本屋で見つけてつい買ってしまったソールの最近(?)の本。<br>
    いつものソール節ホラーでないですが、<br>
    嫌な真相が待ってる当たりは期待通り?<br>
    この辺が映画化でもされてくれると<br>
    ソールもメジャーになれるかと思うんですが。

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