クリスマス・プレゼント (文春文庫 テ 11-8)

  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (590ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167661878

作品紹介・あらすじ

スーパーモデルが選んだ究極のストーカー撃退法、オタク少年の逆襲譚、未亡人と詐欺師の騙しあい、釣り好きのエリートの秘密の釣果、有閑マダム相手の精神分析医の野望など、ディーヴァー度が凝縮されたミステリ16作品。リンカーン・ライムとアメリア・サックスが登場する「クリスマス・プレゼント」は書き下ろし。

感想・レビュー・書評

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  • 近頃海外の翻訳ものにはまりつつあるなかでみつけた、読む季節に
    今がぴったりなミステリーの短編集。はじめましての作家さんです。

    タイトルの「クリスマス・プレゼント」は、短編集のなかの一編で
    元々は長編でシリーズ化されているミステリの書き下ろし版でした。
    この場のこんな形でリンカーン・ライムなる名探偵(?)にも初めて
    お目にかかれて嬉しい♪ライムさんの存在がとても気になりだしてます。
    シリーズ読んでみようかな...。

    著書の原作名は「TWISTED」というらしく、これには捻じれた...よじれた...
    のほか、ひっくり返す、どんでん返しの意味も含まれているのでしょう
    数十頁たらずのミステリの中でのどんでん返しが16編続きます。

    よかったと思ったのは
    ・ジョナサンがいない  
    ・ビューティフル
    ・三角関係  
    ・釣り日和  
    ・ノクターン
    ・宛名のないカード
    ・クリスマス・プレゼント
    ・パインクリークの未亡人

  • ミステリー短編集。
    ミステリーは好きだがやっぱ海外の著者さんだと風景がイメージしづらく、、読むの大変でした、、

    個人的には最後のひざまずく兵士がシンプルだけどとても面白かった。

  • 短編集。
    結末が面白い。
    訳者が違うせいか読みやすいものと読みづらいものがありましたが。
    どんな結末が待っているのかを楽しみに読みました。

  • 僅か30-40ページだが、かなり中身の濃い短編が盛りだくさん。テイストもそれぞれ異なり楽しめる。短編が好きになってきた。

  • マレーシアに出張になったので、待ち時間や飛行機の中での時間を持て余すだろうと思って、前からちょっと気になっていたけど分厚いので買うのを躊躇していたこの本をちょうど良い機会と思って購入。
    しかし、今度の出張、結構時間がタイトで、行きの飛行機の中では疲れていてあまり本読む気になれず、帰りは夜行便で終始寝ていて、結局ほとんど読めず。
    と言うか、少しずつ読んではいるのだけど、短編を次々に読んでいこうという気になれず。
    「どんでん返し16連発」という帯なのだけど、そこへのテクニックだけ目立って、底意に温かみというものが感じられずに、ちょっと肌に合わない。
    それでも我慢して読んでいたけど、8つ目を読んだところで、もう読む気力失せた。。。

  • J,ディーヴァ得意の「大どんでん返し」が、次々と押し寄せる。しかも必ずしも「勧善懲悪」ではなく、あと味の異なるものばかり。

    前書きで「作者は読者に責任を負っている」と言い、長編では期待される結果を裏切らないように作ったという。
    それが短編では、あと味が妙などんでん返しの結末を意識して取り入れている。
    そこが、なんとも楽しそう。

    短編って「イイね」ってこと……。

  • 一篇、一篇、味わい深い短編集です。短いながらも、よく考えられた短編で、面白いですし、怖い話ばかりです。まさかそんなことが…と思われるようなどんでん返し、実に面白かったですミ(`w´彡)

  • 完成度の高い短編集。
    おなじみのリンカーン・ライム御一行が登場する話しもあり、読み応えのある作品。

    しかし、私は最初のまえがきの中での作者の言葉に何より感銘を受けました。

  • 初めて読んだ作者だったけどとても楽しめた。短い短編なのにしっかりしたオチにつながってて、とてもいい時間だった。ぜひ長編の作品も読んでみたいな。

  • アメリカの作家ジェフリー・ディーヴァーのミステリ短篇集『クリスマス・プレゼント(原題:Twisted)』を読みました。
    ここのところミステリ小説はアメリカの作家の作品が続いています……ジェフリー・ディーヴァーの作品は、7年前に読んだ『007 白紙委任状』以来なので久し振りですね。

    -----story-------------
    ひねりにひねった短篇16連発。
    原題もズバリ“Twisted”。
    これぞ「どんでん返しの魔術師」ディーヴァーの真骨頂だ!

    スーパーモデルが選んだ究極のストーカー撃退法、オタク少年の逆襲譚、未亡人と詐欺師の騙しあい、釣り好きのエリートの秘密の釣果、有閑マダム相手の精神分析家の野望――。
    ディーヴァー・マジックが次々に炸裂するミステリー短篇集。
    お馴染みリンカーン・ライムとアメリア・サックスが登場する「クリスマス・プレゼント」は本書のための書き下ろし。
    2006年週刊文春ミステリーベスト10第8位、このミステリーがすごい!第2位。
    -----------------------

    2003年(平成15年)に刊行された短篇集……以下の16篇が収録されています。

     ■はじめに 池田真紀子
     ■ジョナサンがいない(原題:Without Jonathan) 土屋晃
     ■ウィークエンダー(原題:The Weekender) 土屋晃
     ■サービス料として(原題:For Service Rendered) 土屋晃
     ■ビューティフル(原題:Beautiful) 池田真紀子
     ■身代わり(原題:The Fall Guy) 土屋晃
     ■見解(原題:Eye to Eye) 森嶋マリ
     ■三角関係(原題:Triabgle) 池田真紀子
     ■この世はすべてひとつの舞台(原題:All the World’s a Stage)
     ■釣り日和(原題:Gone Fishing) 土屋晃
     ■ノクターン(原題:Nocturne) 池田真紀子
     ■被包含犯罪(原題:Lesser-Included Offense) 池田真紀子
     ■宛名のないカード(原題:The Bkank Card) 藤田佳澄
     ■クリスマスプレゼント(原題:The Christmas Present) 池田真紀子
     ■超越した愛(原題:Together) 藤田佳澄
     ■パインクリークの未亡人(原題:The Widow of Pine Creek) 池田真紀子
     ■ひざまずく兵士(原題:The Kneeling Soldier) 池田真紀子
     ■解説 三橋曉

    原題は『Twisted』……つまり「ひねり」で、その名の通り全ての作品でどんでん返しが仕込まれている、、、

    ストーカーに悩むモデル、危ない大金を手にした警官、罪を認めない悪党と対峙する検事など、ディーヴァー度が凝縮された全16篇。

    どんでん返しがメインの秀逸な作品が並んだ短篇集でしたねー 16篇、どの作品も意外性のある結末が待っていて愉しめました……そんな中で特に面白かったのは、

    ピート・アンダーソンは古本屋から万引きしてきた書籍『三角関係』をなめるように読み、三角関係が引き起こした殺人事件の一部始終をしっかり頭に入れ、同居しているモーと彼女と付き合っているダグとの三角関係を解消しようと計画する……この叙述トリックにはやられました、途中にヒントも隠されていたんだけど心地よく騙された『三角関係』、

    有罪が確実な裁判、その被告人レイ・ハートマンは優秀な弁護士を雇い無罪を勝ち取るが、法廷で最後に検事ダニー・トリボウはある質問をする、そして、その質問こそが……すっきりしてわかりやすい、そして結末が心地良い法廷闘争を描いた『被包含犯罪』、

    四肢麻痺で車椅子の犯罪学者を主人公としたリンカーン・ライム・シリーズのスピンオフ……クリスマスの日、少女カーリーが自分の母親スーザンが行方不明になって探して欲しいとライムに頼んできたことから、ライムはパートナーのアメリア・サックス等と捜索を行うことになり、それがきっかけで家族のトラブルに巻き込まれる『クリスマスプレゼント』、

    の3篇かな……それ以外では、

    夫ジョナサンの思い出に苦しんでいる34歳のマリッサは一人のハンサムな男性と知り合った……しかし、その男は殺人鬼だった というドキドキの展開の『ジョナサンがいない』、

    ハリー・バーンスタインはNYのパーク・アヴェニューにオフィスを持つセラピスト……患者で1980年代にドナルド・トランプが建てた豪奢な高層ビルに住んでいるパッツィ・ランドルフが彼にひとつの転機をもたらす『サービス料として』、

    夫スタンを消したいキャロリンは、帰宅途中のガス・ステーションで強盗に襲われたところを前科者のローレンスに助けられ、彼の手を借りて夫を殺害しようとするが……因果応報、天網恢恢疎にして漏らさず的な展開がスッキリする『身代わり』、

    保安官助手のエド、ボズは強盗殺人事件の目撃者としてナサニエル・ホーソン校時代の同級生ネイトから無理矢理証言を得ようとしていた……ネイトはエドとボズが学生時代に虐めていた人物で、その間には当然、見解の相違があり、当然の結末に向かう『見解』、

    殺人事件が頻発しており幼い娘ジェシカから心配されながらも、休日の気分転換のために釣りに出かける父親アレックス……その釣り場には言動が不審な一人の男性が! 温和な家族小説的な展開から不気味で異常な世界への転換が見事な『釣り日和』、

    音楽をこよなく愛するマンハッタンの警官トニー・ヴィンチェンツォは、ニュー・アメリカン交響楽団の第一ヴァイオリン奏者エドワール・ピトキンがストラディヴァリウスを強盗に取られる瞬間に居合わせたことから捜査に加わることに……彼が突き止めるた犯人は、まだ若い少年だった! 心がぞわぞわする嫌な展開の作品が多い中、心温まる展開に好感が持てる『ノクターン』、

    あたりが印象に残りました……面白かったなー リンカーン・ライム・シリーズは機会があれば長篇を読んでみたいですね。

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著者プロフィール

1950年、シカゴ生まれ。ミズーリ大学でジャーナリズムを専攻。雑誌記者、弁護士を経て40歳でフルタイムの小説家となる。科学捜査の天才リンカーン・ライムのシリーズ(『ボーン・コレクター』他)や“人間嘘発見器”キャサリン・ダンスのシリーズ(『スリーピング・ドール』他)は全世界でベストセラーになっている。ノンシリーズ長編小説、短編小説など人気作品も多数刊行
『ブラック・スクリーム 下 文春文庫』より

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