クリスマス・プレゼント (文春文庫 テ 11-8)

  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (590ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167661878

感想・レビュー・書評

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  • ミステリー短編集。
    ミステリーは好きだがやっぱ海外の著者さんだと風景がイメージしづらく、、読むの大変でした、、

    個人的には最後のひざまずく兵士がシンプルだけどとても面白かった。

  • 僅か30-40ページだが、かなり中身の濃い短編が盛りだくさん。テイストもそれぞれ異なり楽しめる。短編が好きになってきた。

  • 完成度の高い短編集。
    おなじみのリンカーン・ライム御一行が登場する話しもあり、読み応えのある作品。

    しかし、私は最初のまえがきの中での作者の言葉に何より感銘を受けました。

  • アメリカの作家ジェフリー・ディーヴァーのミステリ短篇集『クリスマス・プレゼント(原題:Twisted)』を読みました。
    ここのところミステリ小説はアメリカの作家の作品が続いています……ジェフリー・ディーヴァーの作品は、7年前に読んだ『007 白紙委任状』以来なので久し振りですね。

    -----story-------------
    ひねりにひねった短篇16連発。
    原題もズバリ“Twisted”。
    これぞ「どんでん返しの魔術師」ディーヴァーの真骨頂だ!

    スーパーモデルが選んだ究極のストーカー撃退法、オタク少年の逆襲譚、未亡人と詐欺師の騙しあい、釣り好きのエリートの秘密の釣果、有閑マダム相手の精神分析家の野望――。
    ディーヴァー・マジックが次々に炸裂するミステリー短篇集。
    お馴染みリンカーン・ライムとアメリア・サックスが登場する「クリスマス・プレゼント」は本書のための書き下ろし。
    2006年週刊文春ミステリーベスト10第8位、このミステリーがすごい!第2位。
    -----------------------

    2003年(平成15年)に刊行された短篇集……以下の16篇が収録されています。

     ■はじめに 池田真紀子
     ■ジョナサンがいない(原題:Without Jonathan) 土屋晃
     ■ウィークエンダー(原題:The Weekender) 土屋晃
     ■サービス料として(原題:For Service Rendered) 土屋晃
     ■ビューティフル(原題:Beautiful) 池田真紀子
     ■身代わり(原題:The Fall Guy) 土屋晃
     ■見解(原題:Eye to Eye) 森嶋マリ
     ■三角関係(原題:Triabgle) 池田真紀子
     ■この世はすべてひとつの舞台(原題:All the World’s a Stage)
     ■釣り日和(原題:Gone Fishing) 土屋晃
     ■ノクターン(原題:Nocturne) 池田真紀子
     ■被包含犯罪(原題:Lesser-Included Offense) 池田真紀子
     ■宛名のないカード(原題:The Bkank Card) 藤田佳澄
     ■クリスマスプレゼント(原題:The Christmas Present) 池田真紀子
     ■超越した愛(原題:Together) 藤田佳澄
     ■パインクリークの未亡人(原題:The Widow of Pine Creek) 池田真紀子
     ■ひざまずく兵士(原題:The Kneeling Soldier) 池田真紀子
     ■解説 三橋曉

    原題は『Twisted』……つまり「ひねり」で、その名の通り全ての作品でどんでん返しが仕込まれている、、、

    ストーカーに悩むモデル、危ない大金を手にした警官、罪を認めない悪党と対峙する検事など、ディーヴァー度が凝縮された全16篇。

    どんでん返しがメインの秀逸な作品が並んだ短篇集でしたねー 16篇、どの作品も意外性のある結末が待っていて愉しめました……そんな中で特に面白かったのは、

    ピート・アンダーソンは古本屋から万引きしてきた書籍『三角関係』をなめるように読み、三角関係が引き起こした殺人事件の一部始終をしっかり頭に入れ、同居しているモーと彼女と付き合っているダグとの三角関係を解消しようと計画する……この叙述トリックにはやられました、途中にヒントも隠されていたんだけど心地よく騙された『三角関係』、

    有罪が確実な裁判、その被告人レイ・ハートマンは優秀な弁護士を雇い無罪を勝ち取るが、法廷で最後に検事ダニー・トリボウはある質問をする、そして、その質問こそが……すっきりしてわかりやすい、そして結末が心地良い法廷闘争を描いた『被包含犯罪』、

    四肢麻痺で車椅子の犯罪学者を主人公としたリンカーン・ライム・シリーズのスピンオフ……クリスマスの日、少女カーリーが自分の母親スーザンが行方不明になって探して欲しいとライムに頼んできたことから、ライムはパートナーのアメリア・サックス等と捜索を行うことになり、それがきっかけで家族のトラブルに巻き込まれる『クリスマスプレゼント』、

    の3篇かな……それ以外では、

    夫ジョナサンの思い出に苦しんでいる34歳のマリッサは一人のハンサムな男性と知り合った……しかし、その男は殺人鬼だった というドキドキの展開の『ジョナサンがいない』、

    ハリー・バーンスタインはNYのパーク・アヴェニューにオフィスを持つセラピスト……患者で1980年代にドナルド・トランプが建てた豪奢な高層ビルに住んでいるパッツィ・ランドルフが彼にひとつの転機をもたらす『サービス料として』、

    夫スタンを消したいキャロリンは、帰宅途中のガス・ステーションで強盗に襲われたところを前科者のローレンスに助けられ、彼の手を借りて夫を殺害しようとするが……因果応報、天網恢恢疎にして漏らさず的な展開がスッキリする『身代わり』、

    保安官助手のエド、ボズは強盗殺人事件の目撃者としてナサニエル・ホーソン校時代の同級生ネイトから無理矢理証言を得ようとしていた……ネイトはエドとボズが学生時代に虐めていた人物で、その間には当然、見解の相違があり、当然の結末に向かう『見解』、

    殺人事件が頻発しており幼い娘ジェシカから心配されながらも、休日の気分転換のために釣りに出かける父親アレックス……その釣り場には言動が不審な一人の男性が! 温和な家族小説的な展開から不気味で異常な世界への転換が見事な『釣り日和』、

    音楽をこよなく愛するマンハッタンの警官トニー・ヴィンチェンツォは、ニュー・アメリカン交響楽団の第一ヴァイオリン奏者エドワール・ピトキンがストラディヴァリウスを強盗に取られる瞬間に居合わせたことから捜査に加わることに……彼が突き止めるた犯人は、まだ若い少年だった! 心がぞわぞわする嫌な展開の作品が多い中、心温まる展開に好感が持てる『ノクターン』、

    あたりが印象に残りました……面白かったなー リンカーン・ライム・シリーズは機会があれば長篇を読んでみたいですね。

  • リンカーン・ライム作品を含む16の短編集

    短編でもドンデン返しの切れ味は変わらないな

    「この世はすべて一つの舞台」「非包含犯罪」
    強大な相手に対してスッキリ

    「ウィークエンダー」
    いちばんゾッとした

    「宛名のないカード」「ひざまづく兵士」
    騙されたのは‥

    「クリスマス・プレゼント」
    リンカーン・ライム作品
    ほんの僅かな違和感から解決するのはさすが
    タイトルは誰に対してかな

    「ジョナサンがいない」「三角関係」
    思ってもいなかった関係性

  • ちょっとずつ読むのにちょうどいい。どれも面白かった。

  • J・ディーヴァーの短編集。 16作品収録でページ数だけ見れば長編小説級。

     短編小説を真っ向から感情移入して読む人はいないでしょう。 どれだけドラマティックな結末を用意しても登場人物に思い入れようが無いのだから仕方ない。  ならばひたすらにエンターテイメント性、読者を驚かし裏切ることに傾倒してゆこう。 ただ短い話ではないです、予め短編とはどうあるべきかを作者なりに捉え定義して作られています。 本作はそんな短編集です。
     
     私は本作を一種のパズルクイズのように考え、直感的に誰が悪意を持っているのか答えるように読んでいきました。 当たれば喜び、外れれば驚く、そこには至極単純な感情しか湧き上がっていないのですが面白いのだから何の問題もないです。 大きな展開の起伏と複雑な感情が欲しいのなら大人しく長編を読めばいいのですよ。  
    短編に求められてるものを見極め書かれた本書は「クリスマスプレゼント」程の一大イベントではないが大きなサプライズになりました。

  • 印象に残ったのは、「ビューティフル」、「宛名のないカード」、「クリスマス・プレゼント」でした。

    「ビューティフル」は、キャリーが最終的に幸せになれたからいいけど、悪、つまりストーカー相手にキャリーが折れて整形をすることにしたのはちょっとなぁっと。悪に制裁があっても良いような気がした。やったもん勝ちにならないように。

    「宛名のないカード」は、理解がしづらかったから印象に残った。これは、デニスがメアリとシドに嵌められた、という解釈でいいのかな。

    「クリスマス・プレゼント」は、途中まではただの母の行方不明事件だと思い、発見されたのでこれで終わりかと思ったが、まさかアンソニーが殺害計画を企てていたとは思わなかった。最後にどんでん返しをくらいました。

  • ジョナサンがいない★★★☆
    ウィークエンダー★★★
    サービス料として★★★★
    ビューティフル★★★★
    身代わり★★★
    見解★★★
    三角関係★★★★
    この世はすべてひとつの舞台★☆
    釣り日和★★★
    ノクターン★★★★
    被包含犯罪★★★★
    宛名のないカード★★★
    クリスマス・プレゼント★★★★☆
    超越した愛★★☆
    パインクリークの未亡人★★★★
    ひざまずく兵士★★★★

  • ジェフリー・ディーヴァーのショートミステリ集。表題となっているクリスマス・プレゼントや、ウィークエンダーなど、どんでん返しを楽しめる。ニューヨークの街が出てくるので、ふとした風景は想像できるのだけど、ショートショート的にそのあたりは端折られているので、やや一気に結論(逆転)まで走っていく。
    スーパーモデルが、ストーカーに追いかけられ続け、最後にとった整形で普通の女になるという方法、など通常は取らない方策を用いて読者を欺く手法をとってくる。一つ一つの短編を、味わいながらゆっくり進んで、一冊を終えられる幸せ。

著者プロフィール

1950年、シカゴ生まれ。ミズーリ大学でジャーナリズムを専攻。雑誌記者、弁護士を経て40歳でフルタイムの小説家となる。科学捜査の天才リンカーン・ライムのシリーズ(『ボーン・コレクター』他)や“人間嘘発見器”キャサリン・ダンスのシリーズ(『スリーピング・ドール』他)は全世界でベストセラーになっている。ノンシリーズ長編小説、短編小説など人気作品も多数刊行
『ブラック・スクリーム 下 文春文庫』より

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