百番目の男 (文春文庫 カ 10-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (425ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167661960

感想・レビュー・書評

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  • 猟奇物ド定番の増殖する首無し死体様+暗号。
    前面に出してはいないものの十分にアウトローすぎるブラザーズ。典型的な悪の組織。
    レク〇ター博士顔負けの囚われたサイコパス。
    そのサイコパスの手綱の握り方がプロ並のアル中。
    ーーーーーーーーーーーーーーメモ。

    よだれもののセットリストと難解なユーモアにページをめくる手と戻す手が止まらない。
    とても楽しませてくれる表現力だが、区切り区切りで背景がガラッと変わる事が多く、切り替えるのには慣れが必要だった。
    乏しい想像力を鍛える為にも続編を楽しみたいと思う。

  • ほとんど全ての本を「すべての国民は、いつでも必要とする資料を入手し利用する権利を有し、この権利を社会的に保証することに責任を負う機関」に依存している私は「読みたい本リスト」を地域の当該機関の蔵書を一括して検索でき、その予約ページに直接アクセスすることができる便利サイト「カリール」(年寄りは一度覚えてしまった言葉を簡単には修正できないの法則に基づいて変換された「カーリル」)にて管理しているのですが、そのサイトに本作を登録した直後にブクログを覗いたらヒボさんが本棚登録してました

    やだなにこのシンクロ率の高さw

    まさに『百秒後の男』なんちて

    さて『百番目の男』です

    その本を読むスピードだけは早いという無駄な能力と暇人特性を活かしてお先に読了しました

    めちゃくちゃ面白かったです!

    心理学を専攻しており、その過去に秘密を抱える若き刑事カーソンと暖かくときに厳しく彼を見守り導く先輩刑事ハリーのユーモアと機知にとんだバディが彼らの関係性も含めてとんでもなく魅力的

    彼らをとりまく人物たちも色々抱えていてなかなか興味深い

    二人が犯人を追うクライマックスではドキドキさせてくれました

    また二人(プラス1もしくは2?)の活躍を読みたいな!と思ったらシリーズものでした!
    やった!

    続けて読むぞ!

    • 土瓶さん
      ええと……漫才ですか(笑)?
       
      あ、お二方、こんばんはです。
      (著者の名前がカーリイというのも偶然でしょうが紛らわしい)
      ええと……漫才ですか(笑)?
       
      あ、お二方、こんばんはです。
      (著者の名前がカーリイというのも偶然でしょうが紛らわしい)
      2022/05/05
    • なおなおさん
      土瓶さん、こんばんは。

      あ!ホントだ!
      「カーリイ」ですね(笑)
      土瓶さん、こんばんは。

      あ!ホントだ!
      「カーリイ」ですね(笑)
      2022/05/05
    • ひまわりめろんさん
      土瓶さん
      こんばんは!

      あ!ホントだ!
      (意図してないやつはなんか恥ずかしい…w)
      土瓶さん
      こんばんは!

      あ!ホントだ!
      (意図してないやつはなんか恥ずかしい…w)
      2022/05/05
  • 邪悪すぎる真相。メッセージの意味に驚愕。
    誰だ、これをバカミスなんて紹介したのは。怖いよ。

    猟奇的な殺人事件と警察内部のパワーゲームが、ユーモアと皮肉に満ちた比喩表現を巧みに駆使して描かれる。荒削りで勢いあまる筆致だが、僕は好みだ。陰惨で嫌な空気が漂う事件が、あまりじめじめした感じにならないのはこの筆のおかげ。

    主人公カーソン・ライダーとハリー・ノーチラスのバディがいい。政治的手腕に長けた嫌みな上司と腰巾着。個性的な検死官。同僚の警官から他部署の巡査、聞き込み先のアパートの管理人からチョイ役のバーテンダーにいたるまで、皆活き活きとしていて警察小説としての面白みもある。カーソンとハリーのコンビは、若き日のマット・デイモンとサミュエル・L・ジャクソンで脳内再生された。

    ありきたりのサイコ・サスペンスではなく、ミステリとしての捻りがかなり利いていて面白かった。ラスト間際の展開が多分にハリウッド映画的で惜しい気もするが、これはこれで気持ちが良い。

    『ブラッド・ブラザー』の評判がいいので第1作から読み始めたが、このシリーズは期待できる。楽しみがまた一つ増えた。

  • 抜群にグロテスクなサイコミステリーなのだけど、主人公のライダーとハリーの刑事コンビが溌溂とユーモアも交えながら捜査に取り組んでいく展開で、題材の割に気分良く読み進めることができる。

    ハリーのアメリカンジョーク?が中々理解し難いし、アラバマ州モービルという土地柄を情景描写から場面を想像するのも多少疲れるけど、登場人物たち間で繰り広げられる人間活劇はとっても魅力的。

    ただ、クライマックスの犯人に迫る場面は小説的というより映像的、さらにはど派手な展開を好むアメリカ的な感じがして、少々脂っこかったかな。個人的にだけど。
    それを差っ引いても読み応え抜群、散りばめられた伏線もちゃんと終盤に回収してくるし満足×2。

    ジェレミー・リッジクリフが何よりも頭脳明晰かつぶっ飛んでて魅せられた。第2作の「デス・コレクターズ」の評価がすこぶるいいので、当然読んでいるつもり。

  • 首無し死体に始まる連続殺人もの。
    警察内で厄介者扱いされている部署のメンバー 2 人が主人公となるのですが、終盤にかけての抑圧された部分の、最後の反撃の部分のコントラストが良いバランスだったと思います。
    読んでいてすっきりしましたしね。
    暴かれる犯人の行動の意味も、想像の斜め上な感じで良かったです。
    いや、目的がアレだとはビックリしたな。(^^;

  • 期待していたほどではなかった。2作目のデス・コレクターをとばして4
    作目に進む。

  • 異常な連続殺人事件を解決し、精神病理・社会病理捜査班、
    略称PSIT、通称ピスイットに配属されたカーソン。
    奇妙な斬首殺人事件が発生し、相棒のハリーと一緒に
    捜査にかかるカーソンだったが、出世のことしか考えていない
    スクウィル警部はPSITのことを疎ましく思っているため、
    PSITに捜査の指揮権を握らせまいとする。
    そして第二の被害者が発見され、連続殺人事件となるが、
    昇進のチャンスが目前に迫ったスクウィルの企みによって、
    PSITは完全に捜査の中心からは追い出されてしまう。
    カーソンとハリーはそれでも独自に捜査を続ける。
    そしてカーソンには、誰にも触れられたくない暗い秘密があった。
    事件解決のため、カーソンはおぞましい自らの過去と
    向き合わざるをえなくなっていく。
    鍛え上げた肉体を持つ男のみを狙って殺し、
    首を切り取って、死体に謎の文字を書き残す犯人の意図とは?

    2008年版「このミステリーがすごい!」で上位にランクインした
    「デス・コレクターズ」の作者のデビュー作。
    原題「The Hundredth Man」。
    一昨年の「このミス」には本作がランクインしていたらしいが、
    そのときはそこまでチェックしていなかったため知らなかった。

    表紙からしておどろおどろしい雰囲気を放っているし、
    「サイコ・サスペンス」というふれこみの作品だったので、
    狂気に満ちたダークな作品なのかと思いきや、そうではなかった。

    起こる事件の異常性は確かにとてつもないし、
    それなりにダークな内容が描かれているにもかかわらず、
    暗い気持ちになったりすることは不思議とない。

    おそらく、登場人物たちのキャラクター造形や独特の文体が、
    暗さを感じさせない効果をもたらしていると思われる。

    主人公のカーソンと相棒のハリーのやりとりはどれも面白いし、
    他のサブキャラクターも、一度しか出てこない端役でさえ
    わかりやすくデフォルメされた人物ばかりで、
    またそういった人物を描写するときの表現が面白いのだ。

    また、サイコな内容を描いてはいるが、
    グロテスクなシーンや猥褻なシーンは直接的な描写がほぼなく、
    主人公のカーソンも意外に正義感あふれる若者だったりして、
    決して狂気に淫するようなムードにならないのも、
    不思議な健全さをかもし出す一因となっているだろう。

    個人的には、文体がかなり気に入ってしまったため、
    盲目的に「この作品は凄い!」と思いながら読んでいたが、
    読了してみると、ラストはやや収まりが悪い気がするし、
    構成としても少しまとめきれていないかなと感じた。

    そういえば、確かに「例の動機」は物凄いと思った。
    あんなことを考えついたというだけでも
    このカーリイという人は只者じゃないと思う。

    処女作であることを考えると、充分素晴らしい作品だろう。
    二作目の「デス・コレクターズ」も好評のようだし、
    そのうち名作を書いてくれるかもしれないカーリイのデビュー作。
    今チェックしておいても損はない。

  • 今年こそは海外翻訳小説に読み慣れようと手を出してみた作品。
    「シリアルキラーを兄に持つ若き刑事」という字面は大好物だけど、肝心のカーソン・ライダーに魅力を感じなかった。相棒ハリーとの言葉遊びを含めたやり取りもドラマで観たら「好き!」となったかもしれないけれど、やはり私にはまだ「くどい!」と感じるようで、兄が思っていた以上に厄介だったこと以外は個人的には少し期待はずれでした。(犯人に関しても海外ドラマでよくある感じではありました。)でも他の翻訳小説と同じで続刊から急に慣れたりすることもあるので、シリーズを追いたいと思います。

  • カーソン・ライダーという青年刑事が
    相棒のハリー・ノーチラスと一緒に
    首切りサイコキラーを追う話です。

    表紙のデザインといい、このシリーズの
    タイトルとデザインは全体的に暗い
    そしてサイコキラー(Mr.カッター)の起こす
    事件も陰惨なモノです。
    なのにカース(カーソンの愛称)はユーモラスで
    上司からの圧力もある難局に挑みます。

    そしてほかのスリラーとの大きな違い・特徴は「サイコパスお兄ちゃん」としか言いようがない。そんなに登場してるわけではないけど強烈なキャラ

    あと、この話の最大のオチ(ネタバレはしません)
    は圧巻

    帯で「次作のデス・コレクターズの方が完成度が高い」とか書いちゃダメだろ。

  • 『百番目の男 』ジャック・カーリイ
    The Hundredth Man  by Jack Kerley
    このミス6位、文春ミステリー6位

    ディーヴァーみたいな作家さんがいないかなと探してたら
    ディーヴァーをも凌駕する、ディーヴァーを継ぐ名手と
    紹介されてたので、本当かなぁ? で読んでみた。

    前半はチャンドラー調の、やりすぎじゃない?って文章的装飾、比喩で読みにくく感じたが、後半は読みやすくなった、文章が変わったかな?

    犯人どうせこの人でしょ?あれ怪しいのこっち?違った?じゃあやっぱりこの人か?えっ違うの?
    読み進めるほど面白くなっていった、
    すごく練られたプロットがディーヴァーっぽいかな?
    カーソン、ハリー、ジェレミー兄ちゃんの関係も面白い
    シリーズ読み進めよう、楽しみ。
     

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