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Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784167661991
感想・レビュー・書評
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時々だしてきて、一つ二つ読んでみる。が、なかなか読み込めなくて同じ章を何度読んでいることか。
でも、やっぱりこれはこの先も続くのだろう。
一つ印象に残ったところ
人の生涯なんて、実はそれほど長い期間ではないのだ。そんな短い人生の中で相手の男の資質を知り尽くすことなんてできないし、あるいはまた相手の言い分の根底にたどりつくこともできやしないのだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
簡潔な言葉で強く語りかけてくる文体に、これまでにない衝撃を受けました。
芸術はあまりにも長く、人生はあまりにも短い。
難解な文章を目の前に、しみじみとそう思う。 -
どの作品も短いのだけど、ザクッと肉を斬ったような感触で、しっかり重みがある。
でも時折ちょっと笑ってしまいそうにもなり、悲劇と喜劇が縒り合わさ縒り合わさったものが人生、と思う。
フェイスものが特に魅力的。
著者自身が味わったのだろうユダヤ人差別は、多くの作品の根底にあり、それについても読めてよかったと思う。
ただ、差別を受けているユダヤ人が黒人を差別する場面や、シオニズムを評価するような発言の場面もあり、それは時代的に仕方のないところがあるとはいえ当然のものとして書かれているのか、それとも作者は批判の立場なのかが私には作品を読んだだけではわからず、うーん、と口を歪めもした。
後で調べたところ、作者は自らはシオニストではないとはっきり言っていたそうなので、批判の文脈を私が汲み取れなかったのだろうとは思うのだけど。
作者自身は賛同していないことを作品内でも必ず示さなければならない、とは思わない、ただパレスチナのことがあり続ける中での読書では、やはり引っ掛からずにはいられなかった。 -
ファンでなければ理解できない
この短編小説集はどれも理解するのは数回読む必要がある。だが、話の辻褄を理解できる人は稀かもしれない、それほど内容の展開を理解し読みづらい。翻訳者の村上春樹氏もいわく「やはり所々読みにくい部分があるかもしれない。しかし、言い訳するのではないが、それこそグレイス・ペイリーの真骨頂であり・・・」とある。 -
読了日2010.5.20
・必要なもの/Wants
・負債/Debts
・道のり/Distance
・午後のフェイス/Faith in the Afternoon
・陰鬱なメロディー/Gloomy Tune
・生きること/Living
・来たれ、汝、芸術の子ら/Come On Ye Sons of Art
・木の中のフェイス/Faith in a Tree
・サミュエル/Samuel
・重荷を背負った男/The Burdened Man
・最後の瞬間のものすごく大きな変化/Enormous Changes at the Last Minutes
・政治/Politics
・ノースイースト・プレイグラウンド/Northeast Playground
・リトル・ガール/The Little Girl
・父親との会話/A Conversation with My Father
・移民の話/The Immigrant Story
・長距離ランナー/The Long-Distance Runner
訳者あとがき グレイス・ペリー、温かく強いヴォイス
p.305
〜 自由気ままにシフトさせることが多いし、ツボに来ると独特のカラフルな詩的表現を目一杯「駆使する」〜
p.307
グレイス・ペイリーの物語と文体には、いったんはまりこむと、もうこれなしにはいられなくなるという、不思議な中毒性があって、そのややこしさが、とにかくびりびりと、病みつきになる。ごつごつとしながらも流麗、ぶっきらぼうだが親切、戦闘的にして人情味溢れ、即物的にして耽美的、庶民的にして高踏的、わけはわからないけどよくわかる、男なんてクソくらえだけど大好き、というどこをとっても二律背反的に難儀なその文体が〜。 -
登場人物の共通性がおもしろい
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トニ・モリスンと並ぶアメリカの代表的女流作家であるグレイス・ペイリーの第2短編集。50年にも及ぶ作家人生の中で、本作を含む3つの短編集しか出していないにも関わらず、圧倒的な支持を受けているその凄さを探るべく読了。
訳者である村上春樹自身が、非常に難解であり、柴田元幸の助けがなければ翻訳は完成しなかった、と語っているように、確かに何度も読み込まないと理解できない独特の難文ではある。ただ、その中でアメリカの中年女性のリアルな生が描かれているのは間違いがなく、そこがこの圧倒的な支持を生んでいるのだということは理解できる。
田舎から家出をしてきた14歳の少女が、辿り着いたNEW^ヨークで行きずりの男に犯され、男に窓から突き落とされた、もしくは自ら身を投げたかという真相は不明のまま、とにかく少女が死んだという事実だけが残る「リトル・ガール」が印象的。この救いようのなさをソリッドに描くことこそ、この著者の魅力の一つのように感じた。 -
ぱしっと捉えるのは難しい(一度読んでハマる人はラッキーなのでは?)けれど、三歩進んで二歩下がるのような格好でゆっくり読み進めていくと、スルメみたいに味が出てくる。
一度読んで、数年後に再び読んでみたところ、とても心の深いところまで触れてくるなぁ、という感覚になりました。 -
最初はタフな(登場)人物達だな、と読んでいてちょっときつかったのですが、だんだんそれが気持ちよさに変わりました。読んだ後、気持ち良く鍛えられて、自分まで少しタフになれたような感覚になれました。
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原典はとても悪文らしく、春樹氏も翻訳に苦労したらしい。ところどころ素敵だな、と思えるところはあっても全体的には確かにとても読みにくい。タイトルのつけ方のセンスがとてもよい。
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私は、最近は短編小説も好きだし、とっても期待して読んだのだけど、ほんのちょと、私の嗜好からは外れているようだ。
なんとなく、好きな感じもするのだけど、どうも読みにくい。
さらっとストーリーを追うことができず、頭を働かせながら読まないと、全然読めない。私は、小説でそんなに頭を使いたくはないのだ。
村上春樹のあとがきを読むと、この作者自体の特質がどうも難解な文章ということで、それがハマる人にはハマる、とのこと。どうやら私はハズレ らしい。
短編ながら、フェイスという中年の女性が登場してくるお話はいくつかあり、他の物語に比べてもやや長い。
なのに、それが私にはしっくりこず、他のとっても短い話のほうがどちらかといえば好きだ。
最初の、「必要なもの」というお話はすごくいい。
別れた夫と道で会った。私は新しくできた図書館の階段に座っていた。
ごきげんよう、我が人生、と私は声をかけた。
この物語の始まりはとても素敵だ。
そして、
人の生涯なんて、実はそれほど長い期間ではないのだ。そんな短い人生の中で相手の男の資質を知り尽くすなんてできないし、あるいはまた相手の言い分の根底にたどりつくこともできやしないのだ。
との言葉に、そうだ、その通りだ、と割り切る私がいる。 -
f.①2005/9/30(s)
p.2005/7/22 -
①文体★★★★★
②読後余韻★★★★★ -
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村上春樹の翻訳は柴田元幸直系というか、基本的にシンプルに読みやすいものというイメージがある。本作は短編集ということで、お前も読みやすそうだと思って手に取った。そうだろ?
しかし本作の原文は難解ともいえる文体だそうで、村上春樹の翻訳もそれに呼応してかすらすらとは読みにくい感じにはなっている。
ところがやはり非凡な視点を持った短編集である。お前みたいに骨のある小説が読みたいやつはぜひ手に取るがいい。 -
# 最後の瞬間のすごく大きな変化
面白いか。面白いとはいえない。
最初の方は読みにくかったが、だんだんペースに慣れてきて、最後の方はテンポよく読めた。
しかし終わってみるとほとんどのディテールは思い出せない。部分的に思い出せることもあるからそれでいいのか。
筋を追って順に語れるということはない。そもそも筋というものがあるのか。
でもいろいろな状況や考え方や観念が書き込まれているのは確か。
きちんと理解することは簡単ではないだろう。
移民、黒人、ユダヤ人、未婚の母、娼婦など、差別される人々が中心に登場する。
それぞれに苦労を抱えているが、みんな何となくあっけらかんと生きている。
“男たるもの、亭主だろうが、息子だろうが、下宿人だろうが、朝食の席には髭を剃ってつくものです” p.34
“人はすべて、現実の人間であれ架空の人間であれ、人生においては決定されていない運命を享受する権利を有しているのだ。” p.232
## 必要な物
よく分からない
## 負債
思い出を語ることによって楽になる。
友人の物語を代わりに語る。
ってこと?
## 道のり
思い出せない
## 午後のフェイス
フェイスが老人ホームに入っている父母に会いに行く。
フェイスは父親に逃げられた母子家庭で、忙しい生活のためなかなか会いに行けない。
フェイスが帰るとき、父が駅まで送ってきてくれる。
比較的長い作品でたくさん書き込まれていたがほとんど覚えていない。
祖父
パパ
ダーウィン夫人:ママ。老人ホーム「ユダヤの子どもたち」に入っている
チャールズ:兄。子どもがいる
フェイス:子どもがいる
ホープ:妹。子どもがいる
イェンタ:老人ホームに入っている人
リカルド:フェイスの最初の夫
シリア・ヘーゲルシュタイン:老人ホームに入っている人
エッシー・シャイファー:老人ホームに入っている人
スロヴィンスキー:ダーウィン夫人の隣人
テッシー:スロヴィンスキーの娘。フェイスの幼なじみ
## 陰鬱なメロディー
思い出せない
## 生きること
友人のエレンが死ぬ
## 来たれ、汝、芸術の子ら
キティーとその時の夫ジェリー・クックが何やら話している。
ジェリーのビジネスについて。
タイトルは最後の方でラジオから流れる歌詞。
## 木の中のフェイス
フェイスは木の上に上り、母親たちが公園で話しているのを聞いている。
自分も会話に参加したり、息子と話したりもする。
デモを行う人々が近くを通りかかったりする。
## サミュエル
電車の中でふざけていた黒人の子どもたちの内、サミュエルが電車から落ちて轢かれて死ぬ
## 重荷を背負った男
隣の妻と不倫した男が、その夫から妻とともに撃たれる。
命は助かり、夫は逮捕される。
## 最後の瞬間のすごく大きな変化
アレクサンドラの家に若い男が転がり込む。
男はタクシー運転手で、アレクサンドラを客として載せたときに知り合ったのだろう。
男は何かのコミューンに属していて、音楽をやっている。
## 政治
母親のグループが公聴会で歌を歌う
## ノースイースト・プレイグラウンド
公園で未婚の母たちがあつまって子どもを遊ばせている
## リトル・ガール
田舎から出てきた少女が、黒人の男に声をかけれれてレイプされ、窓から落ちて(落とされて?)死ぬ
## 父親との会話
父親に小説を書いてみせる。ダメ出しをされ、第二稿も提出する。
## 移民の話
ジャックの父母がどのようにしてポーランドからニューヨークに移り住んだか
## 長距離ランナー
フェイスがマラソンを始める。
走っているうちに子供の頃に住んでいた地域を通りかかり、子供の頃に住んでいたアパートにしばらく住まわせてもらうことになる。
戻ってきて家族との生活を再開する -
村上春樹の翻訳ということに興味を持ち、読んでみたが、自分には面白く感じられなかった。またいつか挑戦してみたい。
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大分前に購入し、積読になっていたもの。
タイトルと表紙と、訳者に惹かれて。
サリンジャーの訳本が素晴らしく良く、ふと思い出してこちらを読みました。
いつも、海外の作品はすっと入っていけない事が多いです。入っていけるのはサガンくらいです。
元々短篇がそこまで好みではなく、今回も文章に慣れるのに時間がかかりました。
自由自在な文章表現が、私には解り難かった。
1つだけ好きな作品はあったなぁ。後半辺りに。
それと、最初に出てきた、こんにちは私の人生、みたいな文章が物凄く好きでした。
原文の方が、もしかしたら好きになれる作品なのかも知れないな、と感じながら終えました。 -
訳者の懸念どおり入っていけなかった、、、
この訳者にして読み辛いところを見るに相当の悪文(?)ではと思わざるを得ない。
一番忙しい時期に読む本ではなかったかな。
しかし口の悪い人物ばかりが出てくるわ出てくるわ。女性ファンが多いとのことですが、そんなに攻撃的というか不満をぶちまけるものなんですかね、女性は?
グレイス・ペイリーの作品
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