夏のロケット (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2002年5月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (400ページ) / ISBN・EAN: 9784167662011

みんなの感想まとめ

夢を追い続ける大人たちの姿を描いた物語は、青春の熱さを再び呼び覚ます。主人公は、高校生の頃に抱いた夢を叶えるためにロケットの発射実験に挑む姿が描かれ、読者に「大人になっても夢を諦めないこと」の大切さを...

感想・レビュー・書評

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  • アツい青春小説。

    30代後半の大の大人が高校生の頃の夢を叶えるため、
    ロケットの発射実験をするストーリー。
    まさしく「大人気ない大人」です。

    大人になると、結婚したり子供が生まれたりして、
    段々保守的になってくるところではありますが、
    こういう小説を読んで子供心を忘れないようにしたいものです。

    以前紹介した「NASAより宇宙に近い町工場」と
    合わせて読んでもらいたい一冊です。

  • 爽快でした!青春を感じたい方向けですね。良い一冊です。

  • 夢に導かれて大人になった仲間が再び集まって夢の続きを見たっていいんだよね。もちろん実際には大人になるといろいろなしがらみがあって元ロケット班のメンバーみたいに集まることはかなり難しい。学生の時と違ってみんな犠牲にするものがそれなりに生じちゃうし。それにしても大人になった元ロケット班のメンバーがそれぞれロケットや宇宙に携わる仕事をしているっていうのはすごいな。高野、北見、日高、清水、氷川はアプローチこそ違うけど、火星とロケットという自分にとってほんとうに大切なものと高校時代に出会うことができた幸せ者だ。オイラにとって生きる原動力は、走ることとサッカーだ。まさかこの歳でそこにはまるとは自分でも予想していなかったけど。それから仲間ができたことが大きい。元ロケット班みたいな幼馴染じゃなくて大人になってからの仲間だ。気が付いたら10年くらい一緒にボールを追いかけてる。この物語みたいに何かを達成することはないだろうけど、おやじたちがちょっとでも上達しようとする姿はオイラを元気にしてくれる。氷川が大金をつぎ込んでしまうのもわからなくもない。夢中になれるものを見つけられた人は幸せだ。

  • 5年以上は前に読んだ本です。何度も古書買取への候補にあがったものですが、どうしても心に引っかかって手元に置き続けた本。
    それが何だったのか忘れてしまったので、今回はようやく再読することにしました。
    そこに描かれているのは大人の夢。そしてそれを実現させてしまう情熱。友情。“大人の夢”は子供の夢のように、綺麗で夢過ぎないところも良いです。しっかりと打算と目的が含まれている。
    私が書く言葉では、どうしてもありきたりな物語に聞こえてしまうのが情けないです。
    でま、夢は自分さえ動けば、必死に動けば実現できるんだという気持ちにさせてくれて、読み終わった後の興奮と希望に満ちた読後感がなんとも言えません。
    だから手放せなかったんだ。多分それを忘れた頃にまた読むんだと思います。

  • 子供の頃、宇宙に行きたいと一度は考える。宇宙好きの仲良しグループだった子供たちは大人になり別々の道を行き社会で生きている。しかし夢はあきらめていない。それぞれがロケットに必要な知識や材料を調達できるような会社でスキルアップしています。そして時が来ると夢を実現するため仲間は再び集まります。
    童心を思い出し、何年経っても変わらない友人。心が温かくなる本です。

  • サントリーミステリー大賞の優秀作品賞。でもミステリではなくて、むしろ青春小説といったところ。かつてバイキング計画に魅せられ高校時代を天文部ロケット班のメンバーとしてすごした主人公は、ある事件をきっかけに、かつての仲間たちがロケットの打ち上げをもくろんでいることを知って……というストーリー。
    読んでいると自分も計画に参加しているような気分にもなってきてうれしい。主人公たちはぼくよりいくつか年上の設定。すなわち社会人として一応中堅どころに差しかかっている年代である。彼らが高校時代からの夢のロケットを打ち上げようと考えるまでにはいろいろとあるはずで、そのあたりもいろいろ想像できて面白い。登場人物がぼろぼろになったブラッドベリの『火星年代記』を持っていたり、ミュージシャン氷川の作った曲名が「わたしを火星に連れてって」だったりする小技もいい。
    「火星」というのはやっぱり魅力的な星で、SFを読む人間の大半は何らかの思い入れを持っているのではないだろうか?いろいろな物語がこの赤い惑星を扱ってきた。この物語もそれを継承するにふさわしい一作だと思う。

  • 高校の同級生が集まってロケットを飛ばす。荒唐無稽な話だし、読んでいて違和感もあったが、ローンチからの勢いは圧巻。大人の青春小説よように、青く稚拙で愛おしい勢いを感じた。
    個人の嗜好としてこの手の話は納得がいかないことが多いのだが、不思議とこの本は突き抜けるようなものがあった。

  • 新聞社に務める高野は、蒲田で起こったテログループのミサイル制作事故現場の写真を見て、妙な違和感を抱く。そこには高校時代に同級生たちとの部活で設計したロケットの部品に似た噴射板とジャイロのような物が写っていた。そこで、社会人になっても部活仲間でロケット制作を続けている日高を疑い、行方を探し始める。すると、高野を除く4人は、ロケット制作を続けていたことを知る…。

    なにかの新人賞だそうで、熱い作品だ。ロケットが好き、でも高校とは違う打算的なもの、犯罪に対する疑い、素直な素材や設計に対する熱意など、変にひねくれたりしないでまっすぐ書かれている。

    主人公である高野だけが最初から置いてけぼりにされているが、だからこその俯瞰した見方ができる部分を活かし、ある事件を追うことで夢だけではないものを訴えていくが、ふとしたきっかけでその最後の防波堤は決壊していく。

    最終的に、素人5人が作り上げるロケットは、宇宙まで到達するのか、そこにロシアの古い知恵であったり、日本の伝統的なものづくりであったりが生かされていく。

    肝心な部分はぼかされていたり、なんとなく一つのことが解決してしまえばうまく行ったりするところは、まあお話なんだけど、それぞれのものに意味をもたせ、実直に突き進んでいくという、青くて熱い情熱を描ききった良作である。

    難を言うなら、SFが好きな作家なんだろうけど、いくらなんでもウェルズ、ヴェルヌ、ブラッドベリにハインラインで終わっていたのはちょっと浅すぎるんじゃないかな。ロシアの宇宙史をかなり詳細に調べているんだから、1980年代くらいの宇宙もののSFもねじ込めばよかった。

  • 細切れで読み進めた結果、あまり感動を得られなかった。

    あと、専門用語が煩わしかった。

    まぁ、そんなところだ。

    凡庸な印象。

  • ロケット開発に熱狂する男達の一夏の物語。
    ヒロインがちゃっかりしていた。

  • 子供の頃の夢を夢だけで終わらせない、どこか情熱に満ちた物語だった。

  • 少年時代の夢だけでは大人になってから起こす行動の燃料にはなり得ない。そこには「打算と目的」があっていいと思う。

    少しばかり都合がよすぎる節があるが、嫌な感じはしない。

  • 夢があっていいなぁ。大人版のドラえもんといった感じ。藤子・F・不二雄にマンガにしてもらいたい。

  • いくつになっても青春出来るのって羨ましい。
    損得抜きに熱くなれる、とても素敵です。

    読み終わってわかる、プロローグの素敵さが最高でした。

  • ロケット大好きメンバーが、力を合わせてロケットを打ち上げるという物語。ロケットの構造や歴史について、門外漢の私にはとても専門的にうつりました。実際にこの構造のロケットを作ったら、打ち上げることは可能なのかなあ。登場人物が一癖も二癖もある人ばかりで、しかもみんな社会人。さわやかさのない青春小説みたいな物語でした。

  • 筆者の知識をひけらかしたい感を感じてしまい、楽しめなかった。

  • 映画「月のひつじ」を見た帰り、ロケット関係の作品が読みたくなりっ本屋で見つけた作品。ミステリーの部分よりもロケット製造に重点が置かれているので(当たり前か)、それほど謎めいた展開ではなかったがそれなりに楽しめた。ロケットの技術的な描写が細かく描いてあり、取材の細かさをうかがわせる。作者が日本テレビで科学技術庁担当記者だったというのもストーリーとダブっていてなるほどと思う。プロローグでいきなり火星着陸が始まるのはちょっとカッコいい。純子はぼく(高野)とくっつくのかと思っていたら氷川を追っかけていってしまったのがちょっとしんみりさせる。内容には直接関係ないが、表紙のイラストがちょっと和田誠風でもありよい。20020824


    [private]火星に憧れる高校生だったぼくは、現在は新聞社の科学部担当記者。過激派のミサイル爆発事件の取材で同期の女性記者を手伝ううち、高校時代の天文部ロケット半の仲間の影に気づく。非合法ロケットの打ち上げと事件は関係があるのか。ライトミステリーの筋立てで宇宙に憑かれた大人の夢と冒険を描いた青春小説。

    本書に登場する5人のロケッティア

    ぼく(高野):バイキング号の火星着陸にあこがれ宇宙少年に。大学の卒論のテーマは「火星文学の系譜」。卒業後、新聞社入社、現在科学部宇宙担当記者。

    北見:体格がよく押しが強い。"僕"を高校天文部ロケット班にひきずりこむ。大学卒業後は一流商社に入社。運命的に宇宙開発事業本部に配属される。

    日高:高校ロケット班でのあだ名は「教授」。理論派で独断的。大学では工学部の航空宇宙を専攻。修士課程修了後、宇宙開発事業団の研究者になる。

    清水:手先が器用で物作りが好きな職人肌。大学では材料工学を専攻。修士課程修了後、大手特殊金属メーカーの研究者になる。

    氷川:容姿端麗な秀才。父親の後をついで医者になると思われていたが、高校卒業後ロックミュージシャンになりミリオンセラーを生む。現在は事務所社長。


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    Hotwiredにこんな記事が!

    アマチュアグループの開発した宇宙ロケットが発射準備完了
    http://www.hotwired.co.jp/news/news/20020829205.html
    土屋 旭/infostand

    2002年8月29日 1:00pm JT  米国のアマチュア宇宙開発愛好家グループ『民間人宇宙開発チーム<http://www.civilianspace.com/>』(Civilian Space eXploration Team、CSXT)が開発した宇宙ロケット『プリメーラ』(PRIMERA)が、米連邦航空局(FAA)および土地管理局(BLM)から打ち上げの最終許可を得た。9月後半にネバダ砂漠から打ち上げられる。成功すればアマチュア初の宇宙ロケットとなる。

     プリメーラは全長5メートル余り、重量約230キロ。アマチュアが製作したものとしては最もパワフルという。順調に飛べば、15秒でマッハ5を超え、1分半後に宇宙空間に達する。大気圏再突入時に2つに分解し、37キロ離れた地点にパラシュート降下する予定。飛行時間は約10分。安全上の理由で、打ち上げ日時は直前まで公表されない。

     プリメーラは、随所に航空電子工学システムを応用し、追尾システム、イベントタイミング・コンピューター、さらには生中継のカラーテレビ送信機を搭載している。CSXTは、引退したハリウッド・スタントマンや教師、科学者、テレビ技術者、アマチュア無線家、学生ら約30人の熱狂的な宇宙愛好家のグループで、アマチュア製作のロケットを世界で初めて打ち上げることを目的とする。

     元ドラッグレーススターでチームリーダーを務めるカイ・ミケルソン氏は、「素晴らしいチームが数年かけて製作したロケットの打ち上げ準備が完了した。世界で25チームほどが同様に宇宙を目指しているが、われわれは彼らをリードしている」と話している。[/private]

  • 仕事が閑散期に入り、早く家に帰れるので、読書がはかどります。お金は余りもらえないけど、自分を見つめなおすという意味では、いい期間かもしれないと思っています。

    今回の本も、図書館でたまたま手に取った本。だけど、こんな本にたまにあたるから読書って本当に楽しいと思う。久々に夢中になって読んでしまいました。

    宇宙好きな俺にはほんとぴったりの小説だった。最近ちょっとモチベーションが上がらないなぁと思う人は是非呼んでみて欲しい。特に男。男は読んでおいたほうがいい。

    火星に行くなんて夢のまた夢と思っていたが、本を読んでいくうちに「もしかして・・・」という気持ちになってくる。こんな風に話を持っていける作者はすごいなぁと思います。本当に宇宙のこと好きなんだろうなぁ。

    超金持ちや超天才がたくさん出てくるのだけど、なんとなく納得させれられる設定になっています。長さも丁度良かったし、エンディングもすっきりで本当に面白かった。

    川端氏は他作品があるみたいなので、さっそく読まないと。

    ちょっとお勧めしたい書籍です。

  • 力作。ロケット知識や制作過程が緻密に書かれており、非常に勉強になりました。特にロケットを発射するシーンは、読んでるこちらも手に汗握るくらい、文章からロケット発射の緊張感がビシビシ伝わってきて迫力があった。

    一方ストーリーとしては、本書は高校時代に持っていた夢を大人になってから再度追い求める大人向けの青春小説の側面が強い作品だと思うが、個人的にそのあたりにはそこまで共鳴せず、どこか惜しい作品だなという印象を受けました。全文主人公視点の物語だったけど、どうにも心理描写が浅い感じが拭えず、教授と氷川の思考心理は大体理解できたけど、北見と剛太の人物像は読み終わった段階でもどこかふわついたまま。そのあたり、多少視点変えするなりして、各々の登場人物の心理描写を掘り下げた方がより味が出たのではと感じました。

  • ロケットや宇宙に心を奪われた若者たちによる、ロケット打ち上げ物語。といっても打ち上げることが最終目標ではなく、その先には火星有人着陸が大目標としてあり、それを目指して物語が進んでいく。各人の能力や情熱はわかるが、ちょっとうまくいきすぎの感もあるが十分楽しめた。

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著者プロフィール

川端 裕人(かわばた・ひろと):1964年兵庫県明石市生まれ、千葉県千葉市育ち。文筆家。東京大学教養学部卒業。『ドードーをめぐる堂々めぐり──正保四年に消えた絶滅鳥を追って』『おしゃべりな絶滅動物たち──会えそうで会えなかった生きものと語る未来』(ともに岩波書店)、『我々はなぜ我々だけなのか──アジアから消えた多様な「人類」たち』(講談社、科学ジャーナリスト賞・講談社科学出版賞受賞)、『科学の最前線を切りひらく!』(筑摩書房)、小説に『ドードー鳥と孤独鳥』(国書刊行会、新田次郎文学賞受賞)、『川の名前』(早川書房)、『銀河のワールドカップ』(集英社)など多数。色覚をめぐる絵本に、『いろ・いろ 色覚と進化のひみつ』(絵・中垣ゆたか、講談社)がある。

「2025年 『新版 「色のふしぎ」と不思議な社会』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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