夏のロケット (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 729
レビュー : 83
  • Amazon.co.jp ・本 (396ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167662011

感想・レビュー・書評

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  • 5年以上は前に読んだ本です。何度も古書買取への候補にあがったものですが、どうしても心に引っかかって手元に置き続けた本。
    それが何だったのか忘れてしまったので、今回はようやく再読することにしました。
    そこに描かれているのは大人の夢。そしてそれを実現させてしまう情熱。友情。“大人の夢”は子供の夢のように、綺麗で夢過ぎないところも良いです。しっかりと打算と目的が含まれている。
    私が書く言葉では、どうしてもありきたりな物語に聞こえてしまうのが情けないです。
    でま、夢は自分さえ動けば、必死に動けば実現できるんだという気持ちにさせてくれて、読み終わった後の興奮と希望に満ちた読後感がなんとも言えません。
    だから手放せなかったんだ。多分それを忘れた頃にまた読むんだと思います。

  • 子供の頃、宇宙に行きたいと一度は考える。宇宙好きの仲良しグループだった子供たちは大人になり別々の道を行き社会で生きている。しかし夢はあきらめていない。それぞれがロケットに必要な知識や材料を調達できるような会社でスキルアップしています。そして時が来ると夢を実現するため仲間は再び集まります。
    童心を思い出し、何年経っても変わらない友人。心が温かくなる本です。

  • アツい青春小説。

    30代後半の大の大人が高校生の頃の夢を叶えるため、
    ロケットの発射実験をするストーリー。
    まさしく「大人気ない大人」です。

    大人になると、結婚したり子供が生まれたりして、
    段々保守的になってくるところではありますが、
    こういう小説を読んで子供心を忘れないようにしたいものです。

    以前紹介した「NASAより宇宙に近い町工場」と
    合わせて読んでもらいたい一冊です。

  • 筆者の知識をひけらかしたい感を感じてしまい、楽しめなかった。

  • 映画「月のひつじ」を見た帰り、ロケット関係の作品が読みたくなりっ本屋で見つけた作品。ミステリーの部分よりもロケット製造に重点が置かれているので(当たり前か)、それほど謎めいた展開ではなかったがそれなりに楽しめた。ロケットの技術的な描写が細かく描いてあり、取材の細かさをうかがわせる。作者が日本テレビで科学技術庁担当記者だったというのもストーリーとダブっていてなるほどと思う。プロローグでいきなり火星着陸が始まるのはちょっとカッコいい。純子はぼく(高野)とくっつくのかと思っていたら氷川を追っかけていってしまったのがちょっとしんみりさせる。内容には直接関係ないが、表紙のイラストがちょっと和田誠風でもありよい。20020824


    [private]火星に憧れる高校生だったぼくは、現在は新聞社の科学部担当記者。過激派のミサイル爆発事件の取材で同期の女性記者を手伝ううち、高校時代の天文部ロケット半の仲間の影に気づく。非合法ロケットの打ち上げと事件は関係があるのか。ライトミステリーの筋立てで宇宙に憑かれた大人の夢と冒険を描いた青春小説。

    本書に登場する5人のロケッティア

    ぼく(高野):バイキング号の火星着陸にあこがれ宇宙少年に。大学の卒論のテーマは「火星文学の系譜」。卒業後、新聞社入社、現在科学部宇宙担当記者。

    北見:体格がよく押しが強い。"僕"を高校天文部ロケット班にひきずりこむ。大学卒業後は一流商社に入社。運命的に宇宙開発事業本部に配属される。

    日高:高校ロケット班でのあだ名は「教授」。理論派で独断的。大学では工学部の航空宇宙を専攻。修士課程修了後、宇宙開発事業団の研究者になる。

    清水:手先が器用で物作りが好きな職人肌。大学では材料工学を専攻。修士課程修了後、大手特殊金属メーカーの研究者になる。

    氷川:容姿端麗な秀才。父親の後をついで医者になると思われていたが、高校卒業後ロックミュージシャンになりミリオンセラーを生む。現在は事務所社長。


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    Hotwiredにこんな記事が!

    アマチュアグループの開発した宇宙ロケットが発射準備完了
    http://www.hotwired.co.jp/news/news/20020829205.html
    土屋 旭/infostand

    2002年8月29日 1:00pm JT  米国のアマチュア宇宙開発愛好家グループ『民間人宇宙開発チーム<http://www.civilianspace.com/>』(Civilian Space eXploration Team、CSXT)が開発した宇宙ロケット『プリメーラ』(PRIMERA)が、米連邦航空局(FAA)および土地管理局(BLM)から打ち上げの最終許可を得た。9月後半にネバダ砂漠から打ち上げられる。成功すればアマチュア初の宇宙ロケットとなる。

     プリメーラは全長5メートル余り、重量約230キロ。アマチュアが製作したものとしては最もパワフルという。順調に飛べば、15秒でマッハ5を超え、1分半後に宇宙空間に達する。大気圏再突入時に2つに分解し、37キロ離れた地点にパラシュート降下する予定。飛行時間は約10分。安全上の理由で、打ち上げ日時は直前まで公表されない。

     プリメーラは、随所に航空電子工学システムを応用し、追尾システム、イベントタイミング・コンピューター、さらには生中継のカラーテレビ送信機を搭載している。CSXTは、引退したハリウッド・スタントマンや教師、科学者、テレビ技術者、アマチュア無線家、学生ら約30人の熱狂的な宇宙愛好家のグループで、アマチュア製作のロケットを世界で初めて打ち上げることを目的とする。

     元ドラッグレーススターでチームリーダーを務めるカイ・ミケルソン氏は、「素晴らしいチームが数年かけて製作したロケットの打ち上げ準備が完了した。世界で25チームほどが同様に宇宙を目指しているが、われわれは彼らをリードしている」と話している。[/private]

  • 仕事が閑散期に入り、早く家に帰れるので、読書がはかどります。お金は余りもらえないけど、自分を見つめなおすという意味では、いい期間かもしれないと思っています。

    今回の本も、図書館でたまたま手に取った本。だけど、こんな本にたまにあたるから読書って本当に楽しいと思う。久々に夢中になって読んでしまいました。

    宇宙好きな俺にはほんとぴったりの小説だった。最近ちょっとモチベーションが上がらないなぁと思う人は是非呼んでみて欲しい。特に男。男は読んでおいたほうがいい。

    火星に行くなんて夢のまた夢と思っていたが、本を読んでいくうちに「もしかして・・・」という気持ちになってくる。こんな風に話を持っていける作者はすごいなぁと思います。本当に宇宙のこと好きなんだろうなぁ。

    超金持ちや超天才がたくさん出てくるのだけど、なんとなく納得させれられる設定になっています。長さも丁度良かったし、エンディングもすっきりで本当に面白かった。

    川端氏は他作品があるみたいなので、さっそく読まないと。

    ちょっとお勧めしたい書籍です。

  • 力作。ロケット知識や制作過程が緻密に書かれており、非常に勉強になりました。特にロケットを発射するシーンは、読んでるこちらも手に汗握るくらい、文章からロケット発射の緊張感がビシビシ伝わってきて迫力があった。

    一方ストーリーとしては、本書は高校時代に持っていた夢を大人になってから再度追い求める大人向けの青春小説の側面が強い作品だと思うけど、個人的にそのあたりの側面にはそこまで共鳴せず、どこか惜しい作品だなあという印象を受けました。全文主人公視点の物語だったけど、どうにも心理描写が浅い感じが拭えず、教授と氷川の思考心理は大体理解できたけど、北見と剛太の人物像は読み終わった段階でもどこかふわついたままだった。そのあたり、多少視点変えするなりして、各々の登場人物の心理描写を掘り下げた方がより味が出たのではと感じました。

  • ロケットや宇宙に心を奪われた若者たちによる、ロケット打ち上げ物語。といっても打ち上げることが最終目標ではなく、その先には火星有人着陸が大目標としてあり、それを目指して物語が進んでいく。各人の能力や情熱はわかるが、ちょっとうまくいきすぎの感もあるが十分楽しめた。

  • 新聞社の科学部に属するぼくは、過激派のミサイル爆発事件の取材で高校時代の仲間の影に気付く。火星に憧れ天文部ロケット班として活動した日々。ロケットへの夢は大人となった今新たに動き出したのだった。
    自分たちの手でロケットを造って打ち上げる。そんな夢物語のようなことに、現実味を帯びさせ膨らませた青春ストーリーです。大人になっても夢を追いかけることができるし、青春の火を燃やすことができるのです。
    ロケット開発についての説明も要所要所に折り込まれ、興味をかき立てられます。また、それぞれの専門知識や技術を集結させて、ひとつの目標に向かうというのが素敵なんですね。ひとりひとりの能力が都合いいまでに優秀ですが、それまた夢を膨らませる物語には必要なもの。何より読書中ワクワクしました。夢を追いかけることの素晴らしさなんて言うと青くさいですが、その喜びを素直に噛みしめました。

  • 野尻抱介さんのいくつかの作品もそうだけど,まだまだ宇宙産業は「ブルーオーシャン」で,(当然こんなエッジな同級生が一堂に会する可能性なんてほとんどないことはわかっていても)アイデアしだいでは民間でもさまざまな実現できそうな可能性が感じられてとてもワクワクさせてくれた一冊.全体的に犯罪スレスレにならざるを得ない展開なこともあり,手に汗握る展開で一気に読んでしまった.
    この作品が「なつのロケット」につながり,さらに「なつのロケット団」へつながっていることを考えると感慨深いですね.
    現実は作中でも触れられているような法整備の問題などでなかなか国内では民間ロケット事業は難しそうです(作中でも最後は米国に集まってしまうし…)ががんばれる人にはがんばってもらいたいです.

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著者プロフィール

川端 裕人(かわばた ひろと)
1964年、兵庫県明石市生まれの小説家、ノンフィクション作家。東京大学教養学部卒業後日本テレビに入社し、記者として科学技術庁、気象庁を担当。
1995年『クジラを捕って、考えた』を執筆し、ノンフィクション作家としてデビュー。1997年日本テレビを退社後、1998年『夏のロケット』で第15回サントリーミステリー大賞優秀作品賞を受賞し、小説家デビュー。
その後も小説とノンフィクション二つのジャンルで活躍を続け、2000年『動物園にできること』で第31回大宅壮一ノンフィクション賞候補、2004年『せちやん 星を聴く人』で第25回吉川英治文学新人賞候補。2018年『我々はなぜ我々だけなのか』で科学ジャーナリスト賞、講談社科学出版賞をそれぞれ受賞した。

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