リスクテイカー (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2003年10月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (496ページ) / ISBN・EAN: 9784167662028

みんなの感想まとめ

ビジネスと哲学が交錯する物語が展開され、登場人物たちが国際金融の世界に挑む姿が描かれています。特に、ビジネススクールを卒業した若者たちと天才物理学者が形成するファンドの過程は、リアルなヘッジファンドの...

感想・レビュー・書評

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  • ビジネススクールを卒業した2人と
    天才物理学者がファンドを形成して、お金儲けするって話。

    軽い感じの小説家と思いきや、かなり本格派。
    ここまで詳しく書かれたヘッジファンドの小説を
    読んだのは、正直初めてかもしれない。

    さらにちょっと哲学チック。
    「マネーとは何か?」考えさせられた。

    僕はヘッジファンドには否定的。
    短期的に稼いだ金は
    結局、貧しい人から搾取している気がするから。
    「流動性をもたらす」ってのも一理あるものの、
    言い訳に聞こえる。

    そんな中、完璧ではない資本主義をきちんと理解しない限りは、
    やっぱり第三案は出てこないもの。
    今の世界を理解する助けになる一冊です。
    その辺の経済の教科書読むより、
    100倍楽しくて勉強になりました。

  • レポートみたい。
    取材した投資経済に関するあれこれをすべて反映したいのか、ほとんど咀嚼せずストーリーにぶっ込んであるため、端的に言えばおもしろくない。
    門外漢にとっては体系的に学べない教科書未満の代物。

  • コロンビア大学のビジネススクール出身の若者たちが、それぞれのもつ様々な動機から、国際金融の世界に挑んだ3年間。
    周囲の曲者たちも巻き込みながら、彼らが成し遂げたことは…

    金融に関する知識がないと、しんどい部分はありますが、それがなくとも(…少なくとも私にはそんな知識は1ミリもありません)、この小説は楽しめます。
    これは男たちの青春と情熱を描いた物語だから。
    金融の知識なんかなくても、為替の売り買いの緊迫した場面は、手に汗握りながら楽しめます。
    ラストで描かれる3日間の闘いのあとの心地よい開放感も味わうことができます。

    …もちろん、金融の知識があれば、さらに何倍も楽しめるのでしょうけど(笑)

  • 2024年10月31日、YouTubeで「株式 システムトレード」と検索して投資でーたかじり虫さんの動画で紹介されてた。これ読みたい!

  • 読むだけで金融の勉強になるような小説だった。実在の人物も出てくるのが分かりやすくて良い。

  • 夏のロケットがとっても面白かったので、これも読んでみました。

    金融のお話なのですが、これも夏のロケットとはいかないまでも楽しむことができました。

    お金のお話って難しい・・・。私は小額ですが株取引をしていて、少しだけ言葉がわかりましたが、まったく知識のない人は厳しいと思います。


    儲けた時の高揚感や、損切りをしなければならない嫌な気持ちもある程度はわかったので、より一層物語りに入り込むことができました。


    最後もきれいにまとまっていて、本当に良かった。のし上がっていく感じは本当に痛快ですね。


    女性が2名出てくるのですが、最初の地味なお姉さんの存在意義がちょっとわからない。もしかして主人公の恋人になるのかと思ったけど、それも違う。早々に結婚しちゃったしw


    真っ赤なスーツがトレードマークのド派手なおねえちゃんともしかしたら恋愛関係になっちゃうのか?なんて思いましたが、それも思い違いでした。


    派手なおねえちゃんと天才が出てきた所は、夏のロケットに似ていますね。


    主人公が余り飛び出た才能が無いのだけども中心となって物語は進んでいく。


    わが人生もこうでありたいものだ。

  • ディテールが素晴らしい。この本で金融周りの専門用語や歴史の知識を仕入れることができた。統計物理を勉強していたのでヤンの説明する概念は馴染みのあるものが多くて学生時代を懐かしく感じた。これは十年以上前に出版されたものだが現在の研究の最先端ではどういった理解のされ方をしているのだろう。

  • ちゃんとわかっている人が書いた相場、ヘッジファンドの話。為替の共同幻想性にも触れている。

  • MBAを取得した主人公と天才物理学者がヘッジファンドを立ち上げてマーケットの完全な予測モデルを作り、成功を目指すストーリー。一貫しているテーマは「マネーとは何か」。このテーマ、考えさせられる。
    川端裕人が書いているだけあって人物描写がすごく魅力的で引き込まれる。

  • MBAを卒業した主人公が天才的な友達とヘッジファンドを立ち上げる話

  • 僕らはマネーが絶対の価値ではないと思いながら、マネーに支配されていると知っており、マネーに計られる世界に生きている。
    点数、成績、マネー。生活に根差している価値観《生活価値》とは乖離しがちだけど、共同幻想に根差した価値観で、だから共有しやすい尺度。主人公はそれによって絶大に評価されることを望み、ヘッジファンドに身を投じる。そしてその頂点を垣間見た時、そこではもはやマネーが自分を計ってくれないことに気づく。老先達は、自分はそこで「計られないことが自由」と気づいたのだと諭す。
    そうなのだろう。しかしそれは…マネーに計られたいという欲求から解かれるには、マネーの計る極みに至らなければいけないのであれば、それはなんて苦しい仕組みだろう?

  • 最後までお金はいったい何か?がわからなかった…(((・・;)

    計れないものこそが自由。


    それぞれの個性がわかりやすく表現されていたし、小説としておもしろく読めた。


    最後に凡庸なケンジがこれからも続けていくところが、よかったな~

    自分のいきる道を自分で決めていく。


    チームが解散したり、いれかわったり、その中でいかに自分がどう生きるのか、悩んで、答えを探すしかない。


    日々、変化、進化していくんやね。


    マネーからだいぶ遠ざかった感想になりました。

  • ケンジ、ジェイミー、ヤン。ビジネススクールを卒業した三人は理論物理の複雑適応系を応用した外国為替予測システムを開発、ヘッジファンドを立ち上げる。マネーの海へ出航した彼らの船出は順調に見えたが、すぐに金融市場は新参者の三人に牙をむく。ただ信用によってその存在を確立するマネー、果たしてその本質とは何か。そして数十億ドルを手にした先に見える世界とは。まさに世界を相手にしたマネーゲームが今はじまる。

    再読。名作です。金融取引の場面が一番印象に残っていたんだけど、改めて読み返してみたらマネーに関する、延々と続く、金融史を絡めた深い考察が書かれてあって、記憶の中の作品よりも重く、ずっと面白かった。専門用語が乱立してその技術的な側面はなかなか理解できるようなものではないけれど、例えば目の前にある一万円札が、ただの紙切れがなぜ人を狂わすほどの力を持っているのか。そんなことを考えさせてくれる。そしてその力というものがこの上なく脆弱なものであるということに気付かされる。

    名作です。

  • マネーの本質とは何か、を深く考えさせられた小説でした。
    人は稼ぐマネーによって(自己評価も含めて)評価される事が多いし、それによって評価される事を望む人間も多いけど、
    マネーという尺度で計られない事こそが自由である、
    という部分は忘れないでおこうと思う。

    細かい部分で、内容的にいろいろと齟齬はあるんだろうが、
    こういう金融の本質をしっかり書いてくれる小説はあまりない。

  • 物語は96年春に始まり「3日戦争」を経て99年夏に終わる。97年アジア通貨危機と98年ロシア財政危機・LTCM破綻などの国際情勢を巧みに織り込み、読者を物語に引き込む。一読『ビッグ・ウェンズデー』を思い出す。勿論、最新の経済物理学を駆使するヘッジファンドの旗手達と、60年代のサーファー野郎では接点を持ちえない。只「万里の長城」何するものぞとの気概と、戦い終えた者だけが感じ得る心地良い疲労感が一瞬、交叉するする。ノンフィクション作家のように調べSFマインドを持って書かれた青春小説。もっと評価されて良い作家。

  • なるほど、こういう風にmoneyを考えるのか…と、題材の斬新さに感心した。話の筋よりもテーマに魅かれた一冊。丁度自分の投資スタイルとか考えてる頃やったからおもしろかったのかも。もう少し若い頃に読んでると感想が全然違っただろうなぁ。

  • 金融業界に疎いので、オフショアとかデリバティブとか、専門用語の羅列はきつい感じがしましたが、内容は面白かったです。
    凡人の主人公と周りの天才たちという構図が「夏のロケット」と似ていると思いました。

  • よく調査した後がうかがえるが、小説としての完成度としてはどうだろう。好みの問題とはいえ、説明とかどうしても硬くてリズムに乗れない

  • 金融のことは全く無知なので、よくしらないが、おそらくこのヤンというような天才も、彼の考えたアルゴリズムも、プログラムもこの世には存在しないし、これからも存在することはありえない。仮に存在したとしても私のような者が知ることはなく、ごく一部のひとたちがずーっと独占して公開することはない。が、おそらく存在する可能性は0.1%以下だと予想します。

  • 得体の知れないマネーの世界で,お金を稼ぐべく集まった仲間達。面白いです。

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著者プロフィール

川端 裕人(かわばた・ひろと):1964年兵庫県明石市生まれ、千葉県千葉市育ち。文筆家。東京大学教養学部卒業。『ドードーをめぐる堂々めぐり──正保四年に消えた絶滅鳥を追って』『おしゃべりな絶滅動物たち──会えそうで会えなかった生きものと語る未来』(ともに岩波書店)、『我々はなぜ我々だけなのか──アジアから消えた多様な「人類」たち』(講談社、科学ジャーナリスト賞・講談社科学出版賞受賞)、『科学の最前線を切りひらく!』(筑摩書房)、小説に『ドードー鳥と孤独鳥』(国書刊行会、新田次郎文学賞受賞)、『川の名前』(早川書房)、『銀河のワールドカップ』(集英社)など多数。色覚をめぐる絵本に、『いろ・いろ 色覚と進化のひみつ』(絵・中垣ゆたか、講談社)がある。

「2025年 『新版 「色のふしぎ」と不思議な社会』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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