リスクテイカー (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (488ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167662028

感想・レビュー・書評

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  • ビジネススクールを卒業した2人と
    天才物理学者がファンドを形成して、お金儲けするって話。

    軽い感じの小説家と思いきや、かなり本格派。
    ここまで詳しく書かれたヘッジファンドの小説を
    読んだのは、正直初めてかもしれない。

    さらにちょっと哲学チック。
    「マネーとは何か?」考えさせられた。

    僕はヘッジファンドには否定的。
    短期的に稼いだ金は
    結局、貧しい人から搾取している気がするから。
    「流動性をもたらす」ってのも一理あるものの、
    言い訳に聞こえる。

    そんな中、完璧ではない資本主義をきちんと理解しない限りは、
    やっぱり第三案は出てこないもの。
    今の世界を理解する助けになる一冊です。
    その辺の経済の教科書読むより、
    100倍楽しくて勉強になりました。

  • レポートみたい。
    取材した投資経済に関するあれこれをすべて反映したいのか、ほとんど咀嚼せずストーリーにぶっ込んであるため、端的に言えばおもしろくない。
    門外漢にとっては体系的に学べない教科書未満の代物。

  • 読むだけで金融の勉強になるような小説だった。実在の人物も出てくるのが分かりやすくて良い。

  • 夏のロケットがとっても面白かったので、これも読んでみました。

    金融のお話なのですが、これも夏のロケットとはいかないまでも楽しむことができました。

    お金のお話って難しい・・・。私は小額ですが株取引をしていて、少しだけ言葉がわかりましたが、まったく知識のない人は厳しいと思います。


    儲けた時の高揚感や、損切りをしなければならない嫌な気持ちもある程度はわかったので、より一層物語りに入り込むことができました。


    最後もきれいにまとまっていて、本当に良かった。のし上がっていく感じは本当に痛快ですね。


    女性が2名出てくるのですが、最初の地味なお姉さんの存在意義がちょっとわからない。もしかして主人公の恋人になるのかと思ったけど、それも違う。早々に結婚しちゃったしw


    真っ赤なスーツがトレードマークのド派手なおねえちゃんともしかしたら恋愛関係になっちゃうのか?なんて思いましたが、それも思い違いでした。


    派手なおねえちゃんと天才が出てきた所は、夏のロケットに似ていますね。


    主人公が余り飛び出た才能が無いのだけども中心となって物語は進んでいく。


    わが人生もこうでありたいものだ。

  • 金融小説。
    物理学用語や金融用語の乱発!
    小難しい単語が連発されてて読みづらかったけど、内容はなかなか面白い。
    カオスと呼ばれる複雑系の理論を用いて、金融の世界で荒稼ぎする主人公。
    彼らが最後に目指したものは、為替相場を安定させること。
    そんな中、一貫して問われているのは、「マネーとは何か」。
    変態的にマニアックな世界観とアホみたいに深い洞察がたまらなく好き。

  • ディテールが素晴らしい。この本で金融周りの専門用語や歴史の知識を仕入れることができた。統計物理を勉強していたのでヤンの説明する概念は馴染みのあるものが多くて学生時代を懐かしく感じた。これは十年以上前に出版されたものだが現在の研究の最先端ではどういった理解のされ方をしているのだろう。

  • ちゃんとわかっている人が書いた相場、ヘッジファンドの話。為替の共同幻想性にも触れている。

  • MBAを取得した主人公と天才物理学者がヘッジファンドを立ち上げてマーケットの完全な予測モデルを作り、成功を目指すストーリー。一貫しているテーマは「マネーとは何か」。このテーマ、考えさせられる。
    川端裕人が書いているだけあって人物描写がすごく魅力的で引き込まれる。

  • MBAを卒業した主人公が天才的な友達とヘッジファンドを立ち上げる話

  • 僕らはマネーが絶対の価値ではないと思いながら、マネーに支配されていると知っており、マネーに計られる世界に生きている。
    点数、成績、マネー。生活に根差している価値観《生活価値》とは乖離しがちだけど、共同幻想に根差した価値観で、だから共有しやすい尺度。主人公はそれによって絶大に評価されることを望み、ヘッジファンドに身を投じる。そしてその頂点を垣間見た時、そこではもはやマネーが自分を計ってくれないことに気づく。老先達は、自分はそこで「計られないことが自由」と気づいたのだと諭す。
    そうなのだろう。しかしそれは…マネーに計られたいという欲求から解かれるには、マネーの計る極みに至らなければいけないのであれば、それはなんて苦しい仕組みだろう?

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著者プロフィール

1964年兵庫県明石市生まれ、千葉県千葉市育ち。文筆家。東京大学教養学部卒業。日本テレビ勤務中、1995年『クジラを捕って、考えた』でノンフィクション作家としてデビュー。退社後、1998年『夏のロケット』で小説家デビュー。小説に『せちやん 星を聴く人』『銀河のワールドカップ』『算数宇宙の冒険』『ギャングエイジ』『雲の王』『12月の夏休み』など。ノンフィクションに『PTA再活用論』『動物園にできること』『ペンギン、日本人と出会う』『イルカと泳ぎ、イルカを食べる』など、著書多数。現在、ナショナル ジオグラフィック日本版および日経ビジネスオンラインのウェブサイトで「・研究室・に行ってみた。」を連載中。

「2020年 『「色のふしぎ」と不思議な社会』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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