- 文藝春秋 (2004年7月9日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (544ページ) / ISBN・EAN: 9784167663131
作品紹介・あらすじ
折りにふれて書かれた、厖大な量のエッセイから厳選した七十一編。森羅万象への深い知見、序文や跋文に光るユーモアとエスプリ、長文に流れだす、人間存在へのあるれるような愛情と尊敬――。
目次
新春漫語
綿菓子
普天の下
笑えない理由
心のための機関
古本の街のいまむかし
駅前の書店
学生時代の私の読書
つたなき五官
昇降機(エレベーター)
私の播州
活字の妖精
自作発見『竜馬がゆく』
火のぐあい――成瀬書房版『故郷忘じがたく候』後記
『翔ぶが如く』について
官兵衛と英賀(あが)城
『この国のかたち』について
文化と文明について
概念! この激烈な
日韓断想
バスクへの尽きぬ回想
人間について
天人になりぞこねた男
大垣ゆき
宇和島人について
博多承天寺雑感
米朝さんを得た幸福
魚の楽しみ――『湯川秀樹著作集』が出ることをきいて
本の話――新田次郎さんのことども
若いころの池波さん
弔辞――藤澤桓夫先生を悼む
弔辞――山村雄一先生を悼む
二十年を共にして――須田剋太画伯のことども
井伏さんのこと
非考証・蕪村 毛馬
非考証・蕪村 雪
『三四郎』の明治像
渡辺さんのお嬢さん――子規と性について
沈黙の五秒間――私にとっての子規 ほか
〈解説〉 書くこと大好き人間ここにあり 山野博史
みんなの感想まとめ
多様なテーマに触れたエッセイ集で、著者の深い知見とユーモアが光ります。71篇の文章は、歴史や文化に対する愛情があふれ、特に日本の仏教や文学に関する考察が丁寧に展開されています。晩年に未収録だったエッセ...
感想・レビュー・書評
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司馬さんの小説はほとんど読んだことがない、あの『坂の上の雲』も読んでいない。読まず嫌いということもないのだが、何となく敬遠してきてしまった。その代わりといっては何だが、『街道をゆく』シリーズはほとんど読んだし、エッセイがとても好きだ。歴史を通しての深い知見がちりばめられ、難しいことも分かりやすく説明してくれるし、ユーモアのある文章も多い。
本書には71篇もの文章が収録されており、どれも滋味に富んだ文章で、読んでいて気持ち良い。それらの中で特に興味を持って読んだのは、「浄土ー日本的思想の鍵」「蓮如と三河」「日本仏教小論ー伝来から親鸞まで」。なかなか分かりにくい日本の仏教、特に真宗について、司馬さんが丁寧に説明をしてくれる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
好き・数奇=身を滅ぼすのも覚悟した精神の傾斜
知魚楽(荘子、秋水の句)
今治の農業土木学
ウラル・アルタイル語説
などなど、面白すぎる! -
晩年のエッセー集
司馬遼太郎は1996年に亡くなったが、それまで未収録だったエッセーが集められてゐる。特に必見といふものはない。日本のバブルを憂ふ文章が数篇あり、文章は端正で、しかし飾らない。 -
言葉の使い方がとても綺麗で読みやすく、自分の感覚に直接触れるような気さえします。いつまでも読んでいたいなと思わせる文章です。
多くのエッセイが本書に収められていますが、特に印象に残ったのは、朝鮮人や日本人の多くが感傷的な歌謡曲を好む理由について語られる部分です。「言語が情緒的で、私どもの言語感覚が情緒に過敏であり、作詞者が効果を期待した以上に、受け手の言語的感受性が大きく戦慄するせいかともおもわれる。」という言語からの情緒への考察は司馬遼太郎さんらしい感じがしました。
自分は中学生くらいから司馬遼太郎さんの小説を読み始めましたが、そのたびにそこで使われる言語に、自身の感受性が刺激されたのを思い出しました。 -
3回目です。
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毎夜寝る前の30分ほど読んでいましたが、この本を読むと不思議に神経が休まり、安眠に導いてくれるのです。
500ページ以上のボリュームがありますが、司馬遼太郎の豊穣な世界に改めて酔うことの出来る一冊です。
以下興味を持った箇所の一部です。
『裾野の水』
「かつて『箱根の坂』という作品を書いたとき・・・富士の描写については自分の臆病さがつらくなるほどで、できるだけそれに触れることを避けた。実をいうと、西にいる者にとっては、富士ほどわかりにくい山はない」
『概念! この激烈な』
「私には、物事を悲観的に見たがる傾向はない。しかし朝鮮・韓国人と日本人の集団対集団の間柄については、楽観的気持ちを持ちかねている。隣人として、たがいの文化と歴史を理解し、尊敬しあえるときがくるのは、百年以内ではとてもという気持ちがある・・・(略)・・・十五年戦争の時は、朝鮮人の個人と尊厳の象徴である姓名さえとりあげ、かつ日本語を押しつけ、さらには強制労働に就かせ、多くの人々を死や一族離散に追いやった」
司馬遼太郎の慧眼には感心する。
一方で戦後世代としては、理解は出来るのだが、朴槿惠大統領のように「謝罪!謝罪!」といまだにそれを執拗に言われても・・・。
『浄土ー日本的思想の鍵』と『日本仏教小論』は、仏教および親鸞の思想についての力作である。これまで親鸞についても浄土真宗についても興味がなかったが、これほど分かりやすく噛み砕いて、かつ興味深く読ませるものに出会ったことはない。
「釈迦はキリストのように救済は説かなかったのです。釈迦は解脱を説いたのです。解脱は禅宗の悟りと同じで、それは文字を用いたり、言葉で説明することでは果たせないのです。ですから釈迦が何を言ったか、釈迦はどういう思想を持っていたのか、よくわからないのです」
また歎異抄の『善人なほもて往生をとぐ、いはんや悪人をや』については「叡山の僧侶で、非常に秀才で学問があり精神力と体力のある人は解脱できる、これを善人というのです。しかし、親鸞はそんな人間は絶無か、めったにいないと思っている・・・どうしても魚が食べたい、奥さんがほしい、道を歩いているとアリを踏んでしまう。稲の害になるイナゴは殺さねば農民は生きてゆけない。これら全部悪人なのです。そのときどきの用語なのです。明治以降われわれはキリスト教的になり、悪人、善人をクリスチャンでもないのに西洋概念で見るようになりましたが、親鸞の言う悪人、善人とは、言語内容が違うのです。善はいまの言葉で言えばとびきり良質の人間、悪はいまの言葉で言うと普通の人間という意味です」
これほど物事を易しく言う人は稀有な存在なのかも知れない。 -
まったく知らない人とかの弔辞など、非常に何回に読めてしまいますが、知っているとたいへん興味深い内容なのでしょう。
朝鮮半島との関係、言語の生い立ち、ふいに関心をあてられる地域や人など(宇和島人、バスク地方)、読んでいると飽きないのと、それまでもちえなかった視点がもてる気がします。 -
司馬遼太郎の厳選された七十一篇のエッセイ集が本書である。知識量の膨大な作家の思考をなぞる事で、俗世界から一時的に開放されたような癒し効果がある。
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司馬遼太郎について語るのも何ではありますが、故人を顕彰する文章や弔辞にも趣きと気品がありますな。思わず読んで、観て観たくなります。個人の器の中に溢れんばかりのというか溢れる知識と思想を抱えてた時代の風景を感じます。
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司馬遼太郎という人間の人との関わり方が記されている。現在の価値観では極端と思われる人が多いが、凡庸でない人とはそういうものであろう。
こういう文章をリアルタイムで、読むことができたらと想像してしまう。
司馬さんが存命であれば、21世紀をどのように見られるのかが、妄想が膨らんでしまう。 -
それぞれいろんな時期に書いた随筆の組み合わせ。
ジャンルごとにまとまっている気が。
街道を行く
みなきゃだめか。 -
池波さんの話が好きでした。仏教の話、子規の話もよかったです。しみじみ、心に染み渡ります。
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所謂、司馬史観を書いた文より、新田次郎さん、池波正太郎さんとの邂逅を描いた文が印象的でした。
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エッセイ集。氏の文章は小説にしろなんにしろ門外漢にもわかるよう懇切丁寧に書かれているのが特徴だが、唯一仏教関係だけは背景説明が薄い。真宗とか密教とか全然わからん。でも、それだけ氏は仏教に深い思いがあるんだろうなぁと思ったり。
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大活字本が出版されることを待ち望んでおります。(sumire)
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司馬遼太郎が書いてきたエッセイ71編。色々なテーマが取り上げられており、読んでいて飽きない。その中でも、人物についてのエッセイがいいかな。
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エッセイ集。「司馬遼太郎の考えたこと」に掲載の重複があるが、あらためて宗教面の造詣の深さに感心した。抹香くさくなく、仏教に興味を覚える。11.8.15
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なんか題名がすき。
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著者プロフィール
司馬遼太郎の作品
