新装版 功名が辻 (1) (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 205
  • Amazon.co.jp ・本 (313ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167663155

作品紹介・あらすじ

天下にむかってはなばなしく起ち上った織田信長の家中に、ぼろぼろ伊右衛門とよばれる、うだつの上らない武士がいた。その彼に、賢くて美しい嫁がくるという…伊右衛門は妻千代の励ましを受けて、功名をめざして駈けてゆく。戦国時代、夫婦が手をとりあってついには土佐一国の大名の地位をえた山内一豊の痛快物語。全四冊。

感想・レビュー・書評

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  • 歴史小説は初めてでしたが、
    とても読みやすく、面白い内容でした。
    女性がでてくるからでしょうか、少し時間を忘れて読み進めていた時もありました。

    あとは、大切な考え方だなあと思う場面もいくつか。

    妻が陽気でなければ、夫は十分な働きはできませぬ。
    陽気になる秘訣は、あすはきっと良くなる、と思い込んで暮らすこと。

    どうせ人生は禍福いりまじて縄のごとくなわれたもの。
    不運とも、運が強いとも言える。
    運がつよい、と思いこむほうが明るくこの世を渡れるのではないか。明るい人間に不運は訪れにくいものだ。

    の2つです。

  • 再読。
    4巻まで読了。

    千代(見性院)とその夫、土佐藩主・山内伊右衛門一豊を描く歴史小説。
    テンポ良く筆が進み、司馬遼の中でも特に読みやすい作品。
    ラストがほろ苦いのは歴史小説の宿命のようなものだけど、本作はふたりの穏やかな愛情と前向きな熱量が丁寧に描かれてきたから余計に、それが悲しくもあり虚しくもある。

  • 私は山内一豊が好きではない。
    なぜなら、幕末の土佐藩の迷走は、山内一豊の器の小ささがその種だったと思っているから。
    自分が連れて行った家臣だけを大切にし、元々その地にいた人たちを見下して足蹴にして。
    ぼんくらが大名になると、これだからいかんよ、とずっと思ってきた。

    この本を読んでわかったのは、本当に山内一豊はぼんくらだったこと。
    いや、小説ですが。
    功名を立てたい、とやみくもに思うだけで、ほぼほぼ妻の千代の掌で転がされておる。

    しかし、千代、いけ好かないです。
    世間知らずの温室育ちで嫁いできた割りには、人の心を読んで、状況を掴むのが上手い。
    気持ち悪いくらいに。
    本心を押し隠して、夫を自分の思うとおりに動かす。
    怖い女です。

    と、悪口ばかり書きましたが、とっても読みやすいのです。
    情景が次々と目に浮かんできて、気がつくとあっという間に読み終えていました。

  • 現代にも通用する「男のトリセツ」(笑)。賢しい女は疎まれるのは今も昔も一緒か。千代の聡明さももちろん素晴らしいが、一豊の素直さも人と運を引き寄せる才能だと思う。

  • 後の土佐藩主として知られる、山内一豊。
    内助の功で一豊を、土佐藩主にまで押し上げた千代。
    この夫婦の、戦国成り上がり物語。
    ふたりののキャラクター作りが、際立っている。
    一豊に無いものを、千代が補う。
    正に、理想の夫婦。
    この先が楽しみである。

  • 全4巻。
    大河にもなった
    言わずと知れた司馬遼代表作。


    これは良い。
    自分の司馬遼史上最高かも。

    あいかわらず、
    物語のスパイスとして架空のキャラを設定するも、
    いつの間にか忘れられて活かしきれてない感じとか、
    著者が物語に浸かりきれてない感じとか、
    個人的に大嫌いな司馬遼ってとこはある。

    ホント、
    こういうとこ大嫌い。
    書くならちゃんと書けと思う。
    最後まで。
    イラッとする。


    が。
    なんせ主人公の造形が良い。
    嫁の。

    良妻賢母を地でいく、
    才能あふれ、賢く、可愛い、
    男なら誰でも惚れる女像。

    女を主人公として書くのも珍しいのに、
    たまに書いたのがこれとか、
    このムッツリスケベって感じ。

    この嫁と、とぼけた旦那の
    ユーモラスであたたかい掛け合いが
    たまらなく好ましい。


    が。
    とても気持ちよく読んでいたものの、
    後半クライマックス、最も象徴的なシーンについて、
    物語に昇華せぬままあっさり終了。

    もうホント何なのと思う。
    ホント司馬遼大嫌い。
    物語こんな面白いのに、
    なんでそこで魅せてくんないのか。
    そんななら始めから物語るなと心底思う。


    物語としては自分司馬遼史上最高くらい好き。
    でも本当に司馬遼が嫌い。

  • 坂の上の雲を読もうと思っていたが、女性が主人公っぽいこちらの作品をひょんなことから手に取り読んでみた。歴史物にしてはとても読みやすい。
    歴史に知識が少ない私でもそれなりに理解できた。
    千代の聡明さが、くどくなく語られていてとても好感を持てた。

  • 幕末から歴史小説に入った自分からすると、山内と言われれば容堂で、土佐藩といわれれば上士と郷士が対立する藩という印象。初代藩主・一豊については、名前を知っているぐらいで、その妻・千代が何やら大金を叩いて夫の馬を買わせたというエピソードもまあ聞いたことがある程度。なので、前々から読もう読もうと思っていた小説だったのですが、漸く夫婦の物語を知ることができました。

    いやあ、痛快。
    頼りない一豊と、言葉巧みに一豊をフォローする千代の構図がとても愉快です。最初は妻としての立場を意識して、裏方に徹する千代ですが、物語が進むにつれて、(決して表にでようとしているわけではないと思いますが)一豊もその家臣も千代を当てにしていて、本人もその気になっているのがまた愉快。

    物語は後半、徳川に与しようとする山内家と長宗我部家のちょっとした配慮の違いが興亡の分かれ道になった点が興味深いです。徳川に与するにあたり、徳川への密使を大阪から関東に派遣する際、千代は途中の近江の関所でひっかかることを警戒し、近江弁ができる田中孫作を選定したのに対して、同様に徳川家への密使を派遣した長曽我部家は純然たる土佐人で土佐言葉しかできない家来を派遣。結果、孫作はなんなく関所を通過し、山内家は徳川に与することができた一方、長宗我部家の家来は関所で捉えられ、徳川に味方することができず、関ヶ原の戦いでは石田方につき、ついには領地没収となった。これが山内家、長宗我部家の興亡の分かれ道となり、一方は土佐一国の領主となり、一方は土佐を追われる身となったようです。
    密使を選ぶのは重要なことなので、ちょっとした配慮ではないのかもしれませんが、本書ではこういった千代の細やかな配慮が山内家を発展させます。解説では、外交・政略的な才と表現されていたように思いますが、このあたりが他の戦国時代の歴史小説にはあまり描かれていない印象があり、新鮮でした。

    土佐一国を任された一豊が、領民の反乱を弾圧するため千代に黙って蛮行を行うなど、不穏な気配を残したまま物語は終わりを迎えます。結果的に、これが所領の平安をもたらした(幕末の上士と郷士の対立を生むきっかけなのであれば、それこそ評価は難しいのですが)のであれば、ある意味では千代の理想主義的な欠点(?)が浮き彫りになったり、特に終盤は一豊を彼女の作品と捉えるなど、ちょっと傲慢なところが見えたりと、千代の人間的な面が見られて深みを感じたりします。

    久しぶりに戦国時代の小説を読みましたが、やっぱりおもしろいですね。マイナーな武将もどんどん読んでいきたいと感じさせる名作でした。

  • 司馬遼太郎の本初めて読んだ。
    千代みたいな女性になりたい

  • 来年のNHK大河ドラマの原作である。
    さすが司馬遼太郎、ぐいぐい引き込まれて止められなくなる。(2005.12.11HPの日記より)
    ※2005年購入
     2005.12.11読書開始
     売却済み

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著者プロフィール

司馬遼太郎(1923-1996)小説家。作家。評論家。大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を次々に発表。1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞受賞。ほかの受賞作も多数。1993(平成5)年に文化勲章受章。“司馬史観”とよばれ独自の歴史の見方が大きな影響を及ぼした。『街道をゆく』の連載半ばで急逝。享年72。『司馬遼太郎全集』(全68巻)がある。

「2020年 『シベリア記 遙かなる旅の原点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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