新装版 夏草の賦 (下) (文春文庫)

著者 : 司馬遼太郎
  • 文藝春秋 (2005年9月2日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (319ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167663209

新装版 夏草の賦 (下) (文春文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 本能寺の変で辛くも信長の手から四国を守った元親だったが、信長に代わり秀吉が四国へ攻めてきた。
    家臣に説き伏せられ、また土佐一国になった元親。秀吉に登城を命じられ秀吉の器の大きさ、土佐の貧しさ、田舎ぶりを思い知る。

    夢を失い、土地も失い、多くの犠牲への報いもできず、鬱々と過ごす元親。
    唯一の希望は匂やかな美丈夫に育った弥三郎だったが。
    まっすぐで清すぎる息子に不安も感じる。
    「腹中に三百の悪徳を蔵った一つの美徳を行じよ。それが大将への道だ。」
    弥三郎に女をモノのように扱えといいつつ、菜々を大事にしている様子が微笑ましい。
    大阪ほど金品に恵まれてはいなかったけど、家族としては幸せそうな長曾我部一家だったのに。

    「おのれのみが正しい」と頑なになっていく元親。
    そうそう自治会の会合で意見がまとまらないのって元お偉い様だった男性陣の頑ななさのためなんだよね。
    情報を得て使うことにしても、今と通じることが多いな。

  • 長曾我部元親の話。
    四国で初めて険しい国境を越えて外へ打って出るだけのエネルギーをもった集団が阿波や伊予ではなく最も都から離れた土佐から出たことに誇りを感じると同時に、関西を拠点にする織田や豊臣との埋めがたいほどの文明、文化、力の差を痛感し、当時の土佐がどれだけド田舎だったかがわかってやるせなく悲しくなる。

    「この戦国の当時、美濃から土佐へ嫁にいくなどは20世紀のこんにち、日本からアフリカの奥地の酋長のもとに嫁にゆくというよりも、さらに日常感覚からの飛躍」
    「土佐の例でいえば元親があらわれるまでは一国というものはなく、村落が割拠しているだけの姿であった。村落にはそれぞれ領主として武士がおり、20~30人の郎党を率いて他村と戦ってここ100年をすごしてきている」
    「玉と砕けても、全き瓦として生き残ることを恥じる」

  • 晩年の元親は切ないけど、人間らしくていいと思う。信親の戦死のシーンは泣ける。元親が秀吉を心の広い方と認めるのはさすがだと思う。それにしても司馬さんは秀吉好きなんだなぁ。

  • (感想は上巻)

  • 長宗我部元親と嫡子信親、偉大な父と、負けず劣らず才能に溢れる息子。信親の最期は悲しく、さらに妻も亡くした後の元親の絶望した様子は切ない。

    そういえば先週の真田丸に末子の盛親が出ていたな。田舎者と自らを小さく思っていた元親だけど、遠い真田の人間にもその勇猛ぶりはつたわっていたんだなあと思うとなんだかうれしい。
    とにかく面白かったです!おすすめ。

  • 秀吉の前では、元親はもはや赤子のようだ。

    上巻では四国にて獅子奮迅の働きを見せていた元親も、天下人とその取り巻きにはなかなか勝てそうもない。

  • 情熱をもつものを探すって重要ね。

  • 長宗我部元親を描いた歴史小説下巻。上巻は元親が策略を硬軟取り混ぜ、土佐・四国を統一していく様が見ものだったものの、秀吉による四国征伐で土佐一国に押し込められ、毒気を抜かれた感じ。九州征伐の先鋒での敗北・長男の討死と精彩なく、元親死後の長宗我部氏は関ケ原は西軍で組して領地没収、大坂の陣で完全滅亡と精彩なし。史実ではあるものの、小説的にはもう少し盛り上がりが欲しいものですけど。

  • <上下巻合わせての感想>
    長宗我部元親の話。

    明智光秀の重臣である斎藤利三の妹、菜々が元親に嫁ぐところから始まる。最初は菜々の目線からの小説として面白く読めたが、途中から菜々は殆ど出てこなくなり、元親の四国平定に向けた活動がただ淡々と記述されるだけとなり、小説としては面白みに欠けてくる。

    元親が魅力的に描かれている訳でもなく、ただ思想が分かり難い変わった人という印象で、どちらかというと長男の信親の方が好印象。ただ信親を死なせてからの落胆振りがひどく、的確な判断ができない老人となってしまいましたという終わり方でビックリ。

  • 土佐統一までは良かったですが、四国制覇になると人間関係があまり描かれていないので不完全燃焼ですね・・・。他の武将(たとえば十河存保)との確執について書いてほしかったです。

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