- Amazon.co.jp ・本 (319ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167663209
感想・レビュー・書評
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命懸けという点以外ではお侍も会社員もやってることはあまり変わらないなぁとか思ってしまった。
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長宗我部家の栄子衰退が臨場感をもってして読める作品。
司馬遼太郎さんの本は何を読んでも本当に面白い。
そして本文後の解説もまさにの内容で良かった。
-----以外解説引用-----
運命をつかさどる女神は、まことに手厳しい。祈るだけのものには、断じて笑みを見せない。情熱を失えば、たちまち「運のころも」を引き剥がしにくる。
運のころもは薄手で、やすやすと破れる。
ひたむきに生きてこそ、ひとは息災でいられる。
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情熱を失わずに人生を全うしたいものだと思った。 -
長曽我部家の激動と衰退を描く下巻。
中盤は元親の迷走により方向感にかける展開に。
元親の若々しい行動力は信長から世代交代した秀吉への屈服ですっかり衰退し世継ぎの信親をも心配させる。信親の若人なりのエピソードと楽しいがその顛末は残念なもので、仙石権兵衛が九州の島津家討伐の総指揮官となった時点で決してしまう。作者の言葉通りここは繊細な配慮にかける秀吉の采配ミスであったろう。
長曽我部家の特徴である「一領具足」と優れた法律「長曽我部式目」について多くを語り、長曽我部家の民族気質についてもっとページを割いて欲しい思いがした。 -
長曾我部元親の話。
四国で初めて険しい国境を越えて外へ打って出るだけのエネルギーをもった集団が阿波や伊予ではなく最も都から離れた土佐から出たことに誇りを感じると同時に、関西を拠点にする織田や豊臣との埋めがたいほどの文明、文化、力の差を痛感し、当時の土佐がどれだけド田舎だったかがわかってやるせなく悲しくなる。
「この戦国の当時、美濃から土佐へ嫁にいくなどは20世紀のこんにち、日本からアフリカの奥地の酋長のもとに嫁にゆくというよりも、さらに日常感覚からの飛躍」
「土佐の例でいえば元親があらわれるまでは一国というものはなく、村落が割拠しているだけの姿であった。村落にはそれぞれ領主として武士がおり、20~30人の郎党を率いて他村と戦ってここ100年をすごしてきている」
「玉と砕けても、全き瓦として生き残ることを恥じる」 -
晩年の元親は切ないけど、人間らしくていいと思う。信親の戦死のシーンは泣ける。元親が秀吉を心の広い方と認めるのはさすがだと思う。それにしても司馬さんは秀吉好きなんだなぁ。
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(感想は上巻)