司馬遼太郎対話選集 (7) (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2006年9月5日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784167663278

作品紹介・あらすじ

司馬遼太郎は歴史を俯瞰して眺める。それは山崎正和のいうように、歴史を「現代の立場から裁く」ためではなく、歴史の立場から「現代を裁く」ためでもない。司馬遼太郎の言葉を借りれば「”完結した人生”をみることがおもしろい」からである。しかし「完結した人生」は誰にとっても他人ごとではない。ときに、あるいはしばしば書き手は辛いのである(解説・解題 関川夏央より)。



個の認識と免疫学にはじまり、文明の未来、国家と個人など浩視野で人間をみつめる5人との対話を収録。



目次



人類を救うのはアフリカ人 今西錦司



”あっけらかん民族”の強さ 犬養道子



政治の”教科書”はない 高坂正堯



人間について 山村雄一

生と死のこと

宗教を考える

国家と人間集団



日本人の内と外 山崎正和

日本の性格

都と鄙の文化





「関西人」という生きかた 解説・解題 関川夏央

みんなの感想まとめ

人間や日本人についての深い考察が展開される本書は、歴史的視点から現代を見つめ直す機会を提供します。著者は、信長や秀吉、家康、大久保利通といった歴史的な政治家を挙げ、その影響力を考察しますが、大久保利通...

感想・レビュー・書評

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  • 日本歴史のなかで政治家とよべる人物を4人あげよという問いに、司馬遼太郎先生は信長、秀吉、家康、大久保利通をあげました。
    最初の3人は先生の作品にありますが、大久保利通はないので残念に思いました。

  • 読んでいくと考え込んでしまうため、手が止まる。なかなか先に進まない。

  • 「関西人という生きかた」 解説・解題 関川夏央
    「他人の創見についての受信感度のよさ」は、司馬遼太郎における人間評価の基準であった。自己愛=我執は、それをさまたげる要素として、司馬遼太郎自身がきびしく斥けるところであった。そして司馬遼太郎は山村雄一に、自己愛=我執から生来自由な、ひとつの完成系を見たのである。
    「山村さんにはうまれつき自己愛が希薄なのか、それとも倫理意識で強く緊縛されているのか、それとも自己愛が他のエネルギーによってつねに揮発している状態にあるのか、いずれにしても山村さんは自己愛の多くの部分が昇華していて、そこに空いた虚なる部分に風が吹きとおっている。このことはこのひとの学問や思想にもかかわっている。自己が大きく空いているために、他人の創見についての受信感度が良く、そのことについてつねにびっくりしたり、敬意を感じたりするういういしさは用意されているのである。私は山村さんが他人の学問を語るとき、しばしばそういう精神的発光を感じた。そのつど、あざやかな少年がそこにすわっているのを見ることができた。すぐれた感受性や創造性は、その人格の中の大人の部分がうけもつのではなく子供の部分がうけもつものだと私は思っている」(『人間について』、「あとがき」司馬遼太郎)

    司馬 話がまたひとつ飛びますけれども、私は非武装論者なんです。ところがこれは多分にオトギバナシでして、実際に非武装をやるには逆に国民皆兵になる。老若とも簡単な軍事訓練をうけなきゃいけないし、全国津々浦々まで国を守る意識で満たさなきゃいけない。
    犬養 それはそうです。
    司馬 となると、そのためにはだれしもが守るに価すると考えるような政権をつくらなくちゃいけない。ということは一種の絶対主義がそこに出てくる。どうしても絶対政権をつくらざるを得ない。これはご免だ、お国柄にも合いませんしね、ということで私の非武装論はドウドウめぐりしてついには行き詰まってしまう。そういう私はとにかくとして、非武装論を唱えている人たち、内心は困ってるんじゃないか。来年、昭和四十五年は安保の年だけれども、安保即時廃棄を唱える人たちはその次にくる言葉をいっていないわけでしょう。中国と結びましょうとかソ連と結びましょうとか、絶対非武装の自主独立でいきましょうとか、そういう次の言葉こそが重大なんであって、さらに一国単独の非武装には私がさきにいった問題が起こってくる。

  • 人間と、日本人について。
    相変わらずの縦横無尽、融通無碍な思考と対話。

    〇(日本人、特に)一般庶民は牢固として抜きがたい相対性の世界に住んでいる
    ・聡いが故の飛躍
    ・無知が故の行動力

    〇権力を作り出すことができる大久保利通

    〇交通事故にも遺伝がある。文明が進展することによって見えてくる遺伝的性質もある。

    〇ぼけによる情報量の減少とそれにより発現できる才能

    〇脳と心
    ・美しい風景のあるスイスでうまい絵描きが生まれない
    ・良い土の出る景徳鎮では佳作が多い

    〇尿酸値と自傷行為

  • 16/7/31読了

  • 読みたかった犬養道子氏との対談部分を読んだ。司馬氏も犬養氏へどうしてカトリック教徒となったのか質問していた。やはり大半の日本人には理解出来ないのである。

  • 動物社会学者との生物観点からの人間考察、国際的な視野における日本人、政治について。医学者との生と死、宗教、国家と人間集団、劇作家との歴史の中の人間と日本人。それぞれの専門家との専門分野を用いて向き合う究極の人間論。熟練な経験、知識の年輪から展開される厳選され、研ぎ澄まされた感性や論理が圧巻!
    様々なジャンルから歴史を見つめ本当の人間ルーツ、物事の根源が見えてくる!

  • 司馬遼太郎の人間・社会への目線。
    数多の司馬小説を読んだ自分にとって、この対談集は非常に面白かった。

    司馬遼太郎は地理という視線をもっている。

    地理は、人間や社会の形成に大きくに関わっていて、時に地理は歴史の一大事にも関わる。顕著な例では、織田信長で有名な桶狭間の戦いとか。
    歴史の一場面を地理という目線から紐解いていくと、そこには面白い発見・ドラマを垣間見ることができるし、これまで読んできた司馬小説でそれを感じた。

    地理を歴史の因果に組み込む。この独特の目線が司馬遼太郎の歴史観に繋がっているんだろうなぁ。

  • 日本の叡智にまで上り詰めた司馬遼太郎の言葉は重い。

  • 司馬遼太郎と各著名人との対話集。その中で、歴史から見る日本人や世界からみた日本、これからの世界の人間社会等など日本人、人間について考えさせられる。

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著者プロフィール

司馬遼太郎(1923-1996)小説家。作家。評論家。大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を次々に発表。1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞受賞。ほかの受賞作も多数。1993(平成5)年に文化勲章受章。“司馬史観”とよばれ独自の歴史の見方が大きな影響を及ぼした。『街道をゆく』の連載半ばで急逝。享年72。『司馬遼太郎全集』(全68巻)がある。

「2020年 『シベリア記 遙かなる旅の原点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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