アジアの中の日本 司馬遼太郎対話選集9 (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2006年11月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (336ページ) / ISBN・EAN: 9784167663292

作品紹介・あらすじ

中華文明の中心に対してもさることながら、モンゴルから発して文明周縁により深い興味を抱く司馬遼太郎は、ベトナム、福建、西域、台湾をよく見ようとした。周縁好みはヨーロッパ文明にもおよんで、スコットランド、アイルランド、バスク、ポルトガルを旅させ、アメリカをヨーロッパの周縁として観察させた。残る宿題はマジャール人のハンガリーのみであった。韓国も中華文明の周縁として興味の対象ではあったものの、その「民族主義」による声高な正邪論の照射力に疲れたか、やや冷淡であった(解説・解題 関川夏央より)。



普遍的な思想より技術にはしる日本的特質を見、他のアジア諸国と比較しつつ近代の展開を考える5人との白熱の対話。



目次



日本人の異国交際 桑原武夫



中国を考える 陳舜臣

近代における中国と日本の明暗

日本の侵略と大陸の荒廃



モンゴル、「文明」と「文化」のいま 開高健



歴史の交差路にて 陳舜臣 金達寿

風土と習俗

近代への足どり



韓国、そして日本 李御寧





「絶対」という観念のない風土で書く 解説・解題 関川夏央

みんなの感想まとめ

日本が生き延びるためにはアジアから学ぶべきとの視点が強調される対話集で、司馬遼太郎の独特の史観が光ります。対談者たちは、日本の特質や他のアジア諸国との比較を通じて、近代の展開に関する深い考察を展開し、...

感想・レビュー・書評

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  • 司馬遼太郎 対話選集 9
    アジアの中の日本


    対談の目線は 「日本が生き延びるためには アジアから学ぶべき」という点に置いているが、司馬史観は「アジアに対する自省は必要としつつ、征韓論は 対ロシア防衛から正当化し、欧米列強の脅威から 参謀本部が 侵略戦争に変容させた」ということだと思う。論者の日本の危機感は伝わってくるし、政治家の言葉より具体的で わかりやすい



    商業や競争を否定している儒教原理は知らなかった。原理のない日本の野蛮性は 理解できたが、経済強国である中国や韓国は 儒教原理に沿っていないということになるのか?


    「原理がなかったことは、日本の幸せでもあった」という司馬遼太郎の言葉は名言


    対談者それぞれ 別の言葉を使っているが、国家における普遍性=原理=イデオロギー=文化 と解釈していいのだと思う


    開高健 との対談における文化と文明の定義は秀逸
    「文化は、その民族に特殊なものであって、一般から見れば不合理なもの〜その文化圏の固有の血と土の産物であって、他の文化圏には伝達困難なもの。文明は相互に影響発展させあって共有すべきもの」



























  • たまにの司馬遼太郎。やはり対談もいいなぁ。
    韓国人との戦いは受けました笑

  • この本、読む時の心構えがちょっと希薄だと、視線が字面を滑っていくだけで何も中身が頭に入ってこない。
    懸命にこういう本を読んでいると、やはり読書こそ知識なり、などと思ってしまう。
    だが我がスポンジ安直(あんちょく)脳は、既に満水状態なので新しい知見の代わりに、かなりの量の既知分が漏れ出す。
    そしてスポンジ脳全体の保水量も加齢とともにどんどん減っていく。
    人間わ脳の全機能の10%も使っていないそうだが、我が脳わ後消費税8%分位わ、なんとか使い足せる様にならない物であろうか。いや、すまぬ。

  • ○日本人は昔から文化変容をおそれない。

    ○支那の書は方ありて法なし

    ○日本にはない絶対主義、緩やかな統治、大衆の学

    ◯町人町の博多と侍町の福岡

  • 1970〜1980年までの
    司馬遼太郎と他の小説家や文学者との対談を本にした作品。
    よく考えたら今から30〜40年前なのだけども
    あぁこの年代にも中国や韓国、モンゴルまでいろんなアジア話をしていたのだなーと思う。
    いつの時代も日本は点で見ら中国は面で見るとか
    その辺もあーなるほどなーと思う反面
    今との比較をしながら読むのもまた一興。
    侵略したというのを進出したと書いたり
    まぁお国違えどいろいろあるのねと。
    しかしながらモンゴルのところが1番面白かった。
    遊牧民すげーなーと。

  • 中国からすると海は外国。
    庶民の力が強くなってくると、宦官たちの握っている情報が重要になってきて情報提供権が強まってくる。
    オーストラリアはマゾヒズムなところがあって、自分の国は豊な大地でこれをアングロサクソン系の白人で独占していたい、それはそれでいいのだが、別に基本産業というのがない。だから資源を売って暮らしている。
    遠心力と求心力の交錯の中で右往左往しているのが国際政治だけれども、ソビエトブロック、ラ米ブロック、とブロック化していく。
    17-8世紀までは中国を中心としたアジアがヨーロッパよりも優秀だった。にもかかわらず欧州にアジアがやられてしまったのは、欧州は民族単位の国家から1つの文化圏を形成したのに、アジアは纏まりがなかったから。

    日本になぜしきたりとか様式化されたものが多いかというと目的がないから、理念がないから。

  • 2012.8/26.伊勢BF

  • 久しぶりに司馬遼太郎の本を読みました。
    有名どころはガラスの十代に遭遇済みですので
    ある意味、この本のような対談集しかもう読める物が
    ない。。(街道をゆくは長いからちょっとね。。。。)

    民族的な視点での日本、朝鮮、中国、モンゴルへの
    話は最近の「アジアといえば国家対決、宗教、
    戦後処理」とは違う視点でおもしろかった。

    昔に読んだら、司馬史観のとりこなんだろーなー。

  • 司馬の古くからの友人だけあって陳舜臣との対談内容はディープで強い信頼関係が伺える半面、余計な解説は省いているようで置いてけぼりを食らう箇所が多々あった。対談形式といっても素人が玄人にインタビューする糸井重里タイプのものとは違うのだと痛感。
    一方でモンゴルをテーマにした開高健との対談はおもしろかった。農耕民族である日本人には計り知れない遊牧民族の不思議がわかりやすく語られている。開高健のおおらかさがよく効いている。
    08.12.24

  • 70年代80年代の対談集。中国や韓国の歴史、人名、事件など、知らないことについて話し合っていました。

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著者プロフィール

司馬遼太郎(1923-1996)小説家。作家。評論家。大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を次々に発表。1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞受賞。ほかの受賞作も多数。1993(平成5)年に文化勲章受章。“司馬史観”とよばれ独自の歴史の見方が大きな影響を及ぼした。『街道をゆく』の連載半ばで急逝。享年72。『司馬遼太郎全集』(全68巻)がある。

「2020年 『シベリア記 遙かなる旅の原点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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