- 文藝春秋 (2010年2月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784167663353
作品紹介・あらすじ
司馬史観を駆使して語る歴史紀行
「記述にあたっては、その風土的特質が日本歴史の根幹に交叉したという、その交叉部分がなんであったかを考えることに力点をおいた。ややジャーナリティックにいえば、日本歴史の地方地方における楽屋うちというものを見たかったのである(あとがきより)――。高知・会津若松・鹿児島・大阪・佐賀など12の土地を歴訪し、その風土と人物との関わり合いをつぶさに見なおす。(初出「文藝春秋」昭和四十三年一月号~同年十二月号、本書は昭和五十一年に刊行された文庫の新装版)
目次
竜馬と酒と黒潮と〔高知〕
会津人の維新の傷あと〔会津若松〕
近江商人を作った血の秘密〔滋賀〕
体制の中の反骨精神〔佐賀〕
加賀百万石の長いねむり〔金沢〕
”好いても惚れぬ”権力の貸座敷〔京都〕
独立王国薩摩の外交感覚〔鹿児島〕
桃太郎の末裔たちの国〔岡山〕
郷土閥を作らぬ南部気質〔盛岡〕
忘れられた徳川家のふるさと〔三河〕
維新の起爆力・長州の遺恨〔萩〕
政権を亡ぼす宿命の都〔大阪〕
あとがき
みんなの感想まとめ
風土と歴史の深い結びつきを探る紀行エッセイで、著者が訪れた12の土地を通じて、日本の歴史の背骨に影響を与えた地域の特性を描いています。高知や会津若松、滋賀、佐賀など、江戸時代から近代にかけての個性豊か...
感想・レビュー・書評
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その風土性に一様性が濃く、傾斜がつよく、その傾斜が日本歴史につきささり、なんらかの影響を歴史の背骨にあたえたところの土地を選んで訪ねた紀行エッセイ。
主として、近代に直接つながる江戸時代、特に幕末に個性を発揮したところが選ばれている。
具体的には、高知、会津若松、滋賀(近江商人)、佐賀、金沢(加賀100万石)、京都、鹿児島、岡山、盛岡(南部気質)、三河、萩、大阪の12箇所。
実際の旅は昭和43年とのことだから、当時は各県=各藩の風土、気質というものがいまだ色濃く残っていた頃かと思われる。維新以降の時代の変化を体験した祖父母の世代から直接話を聞いた世代が多かっただろうし、県人会や上京した学生用の寮など、同郷の繋がりが強かった時代だったから。
司馬さんらしく興味深いエピソードも多く、ほとんど行ったことのない土地でも何となくイメージが湧いてくる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
大御所【司馬遼太郎】が、歴史の舞台を訪ね歩いた12編の紀行集です。風土と人物の歴史との関わりあいをテ-マに、旅先で見聞きした情報を活かしながら、それぞれの土地に秘められた歴史の断片を、生き生きとした描写で綴られています。訪れた先の現地の人が、彼の地を表現する言葉のなかには、過去と現在を紡ぐ味わい深さを感じます。〝佐賀にはなんにもなか 腐ってもチャア(鯛)、ふうけても(馬鹿でも)佐賀ンもん『体制の中の反骨精神』〟。〝長州藩の藩士は、代々足を江戸に向けて寝る『維新の起爆力・長州の遺恨』〟・・・。
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この本が書かれた(連載された)のが昭和43年なので「街道をゆく」が始まる3年前にあたるようです。「私自身は小説さえ書いていればいいという簡単明瞭な暮らしを愛する者」だと司馬さんは後書きに記しているように、この頃はこうした紀行文は滅多に書かなかったようです。これがきっかけとなって「街道をゆく」シリーズに繋がったのかな…と感じました。いわば「街道をゆく」の第0巻の趣がありました。
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<目次>
略
<内容>
かつて「文藝春秋」に連載した、幕末に目立った動きのあった藩(金沢藩は逆に目立たなさすぎ)を旅する話。司馬史観に基づく文章になっているが、やはり読んでいるとその地を訪れたくなる。今から50年も前の話なので、状況は一変しているだろうが、雰囲気は残っている気がする。 -
すばらしい
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取り上げられた土地は訪れたことがあるものも多かったが、現地を観光してもこんなに深く学んだり味わったりしたことがなかった。とても興味深く読んだ。
さすが司馬遼太郎。その感性や筆使いが秀逸で、常人なら言語化しにくいような空気のようなものを、最適な言葉で表現していて、日本語の読み物として感動的に素晴らしいと思った。(そう書いている自分の表現力の乏しさが絶望的) -
司馬遼太郎が日本12ヶ所を旅し、風土を解説する本である。
1976年に書かれた本を2023年から眺めると少し古さも感じるものの、世界における日本人の地域性、特殊性を感じさせる。
この後の40年後、風土がもたらす日本各地の諸行無常を振り替えるのもまた一興。
各地を旅したくなる本でした。 -
歴史と地域性を感じる
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大作家・司馬遼太郎氏が日本史上に名を留める各地を歴訪し、司馬史観を駆使して語る歴史紀行。風土と人物を考えることなしに日本歴史を理解することはできない!
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その土地が持つ歴史的背景と、その人の性格や思考を結びつけて考えるのがこんなにも面白いとは。
歴史への興味が一層湧いたとともに、日本各地に足を運びたくなった。 -
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絶妙なバランスのうえに書かれた本。
あとがきにもあるが、風土をステレオタイプ化することはナンセンスだが、人が集団になった時に現れてくる特性は、風土なしでは語れない部分がある。
こうした風土に本人は無自覚で、他の集団と出会ってこそ比較が出来る。
司馬さん自身も執筆の際に、自身の育った地の風土から完全に解放されていないとも思っている。
司馬さんが現代のグローバリゼーションによる均一化をどう見るのか、聞いてみたかった。 -
歴史を紀行する
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再読。歴史作家的紀行というべきか。内容については留保。ただ風土性が均一化しつつある現在ではこれだけの体感的なものは書けないかもしれないな。
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会津,三河,萩 など,それぞれの地域の風土と人と歴史にまつわる話
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柔らかく言うと、司馬遼太郎流の「ご当地あるある」「秘密のケンミンSHOW」。
もちろん、ステレオタイプな見方にならず、歴史的連鎖等に基づく風土的特質から歴史も現在も理解しようとする司馬さん独特の切り口が楽しめます。
高知、会津若松、滋賀、佐賀、金沢、京都、鹿児島、岡山、盛岡、三河、萩、大阪にゆかりのある方は特に面白く読めますし、司馬ファン、歴史好きにもおススメです。
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「近い将来の夢はジャパンレイルパスを使って日本全国津々浦々巡り。」
とあちこちで公言しており、だからこそその準備の一貫として司馬作品群に手を伸ばしているのではあるが遅々としてその作業が進まない。その理由のひとつは時に「翔ぶが如く」みたいな西南一辺倒な十巻を要する作品を辿ったりしなければならないからだ。その合間にこうした紀行文的な作品で休憩するとまるで早送りで大河ドラマをみているかのような気分にさせられる。
一年もの、年十二回の連載ネタとして選ばれた十二箇所の各地は司馬氏のトップ十二選と考えてもほぼ差し支えないであろう。そう思えばその中に自分の故国が含まれている事自体が素直に嬉しいし、過去数年で読みきった彼の作品群の中に現れる各地がことごとく含まれているのも楽しくてしょうがない。
近江、京、大坂、備前、土佐、長門、肥前、薩摩、会津若松、南部、加賀、三河。
このまま十二箇所の一筆書き行程を真面目に考えてみようか、そんな風にも考えさせられるのである。 -
歴史にゆかりのある地方を著者がめぐって、その地の歴史に想う。土佐人の論議好きで大酒のみ。会津人の足のひっぱりあい。近江商人は帰化人。腐っても佐賀人。眠れる加賀。京おんなは好いても惚れぬ。薩摩人の外交上手。岡山の桃太郎伝説。南部のなさけぶかさ。三河侍の律儀さ。逆さひょうたんの長州。大坂は薄命な権力の土地。
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内容紹介
幕末――吉田松陰を筆頭に過激な思想、行動に突っ走った長州。西郷隆盛、大久保利通と大人の智恵を発揮した薩摩。松平容保を頂点とした会津の滅びの美学。危機の時ほど、その人間の特質が明瞭に現れる時はない。風土と人物のかかわり合い、その秘密、ひいては日本人の原形質を探るために、日本各地を歴訪し、司馬史観を駆使して語る歴史紀行。
内容(「BOOK」データベースより)
幕末―松陰を筆頭に過激に突っ走った長州。西郷、大久保と大人の智恵を発揮した薩摩。容保を頂点とした会津の滅びの美学。危機の時ほど、その人間の特質が明瞭に現れる時はない。風土と人物との関りあい、その秘密、ひいては日本人の原形質を探るため、日本史上に名を留める各地を歴訪し、司馬史観を駆使して語る歴史紀行。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
司馬遼太郎 大正12(1923)年、大阪市に生れる。大阪外国語学校蒙古語科卒業。昭和35年、「梟の城」で第42回直木賞受賞。41年、「竜馬がゆく」「国盗り物語」で菊池寛賞受賞。47年、「世に棲む日日」を中心にした作家活動で吉川英治文学賞受賞。51年、日本芸術院恩賜賞受賞。56年、日本芸術院会員。57年、「ひとびとの跫音」で読売文学賞受賞。58年、「歴史小説の革新」についての功績で朝日賞受賞。59年、「街道をゆく“南蛮のみち1”」で日本文学大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
本の感想
目次より「竜馬と酒と黒潮と」「会津人の維新の傷あと」「近江商人を創った血の秘密」など日本史で重要な12か所を巡る旅をした著者の紀行文である。
この本は1976年に刊行されたものの新装版で、交通手段などで著者が旅した時と異なる部分はあると思われるが、観光名所を巡るのが好きな人または歴史好きの人に勧めたい本である。 -
元は昭和40年代に連載されたエッセイをまとめたものだそうだが、これが長期連載となった「街道をゆく」の原型になったんだろうなぁと思う。
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司馬遼太郎の紀行文。
戦国時代や幕末において重要な意味をもった土地を中心としている。
ザ・司馬史観といった書き方だが、あとがきで述べられているように、風土で個人を判断するのは危険だが、集団となったときにあらわれる気質は存在し、地方の住人を総括して理解する上で風土を考える必要がある、という考え方は納得がいった。
街道をゆくシリーズもそのうち全部読破したい。
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著者プロフィール
司馬遼太郎の作品
