パーク・ライフ (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 4457
レビュー : 590
  • Amazon.co.jp ・本 (177ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167665036

感想・レビュー・書評

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  • 友達でも、恋人でもない。
    公園でしか会わない男女の不思議な関係。こんなひとが近くにいたら、ちょっとだけ生きるのが楽しくなりそう。
    日比谷公園に行きたくなった。

    追記:先日日比谷公園に行きました。ビルに囲まれた青空の下、日比谷公園の中にいると不思議な気持ちになりますね。

  • ドラマチックな展開も、わかりやすい結末が用意されているわけでもないけれど、文章から生活感というか、その場面の空気が伝わってくるのかすごいと思った。

  • 好き

  • 表題の「パーク・ライフ」と「flowers」の二作とも、テーマや作風は似た印象を感じた。
    中身や展開はかなり違うのだけれど、主人公がどうしたところで結果は変わらないことや、例え変化があってもそれは誰かの影響であったに過ぎないとか。
    ストーリーに関しては薄味だとか、そう評す人もいそうなのだけれど、これはこれでまた魅力的だと思う。個人的にはあまりそう思わなかったのは、喩えや情景が独特で、それがとても魅力的に見えたからだと思う。雑多な都会にこそよく溶け込む表現だと思った。
    「パーク・ライフ」は最初から最後まで面白い表現で穏やかな安らぎを彩っていったが、「flowers」は不穏で不思議で人の中身が覗けない理解出来ない困惑がドロドロと圧迫してくるような、対比した空気があって面白かった。

  • パークライフ、その名の通り公園での出来事をモチーフにした作品。
    不思議な出逢い、不思議な別れ方。
    東京の街はこうだったなとひどく納得してしまった。
    また、同作品のもう一つの物語flowers。
    花とは儚いもので、おそらく人間もそうなのだろうと。
    そこにある情欲に溺れ、いつの間にか自分は一体なんなのかと考え始める。

  • さぁいざレビューを書こう…と思い立ったものの書けない。むしろ好きなタイプの小説で、「吉田修一の書いた本をもっと読みたい!」という強い衝動に駆られているぐらいなのだが、いかんせん書けない。はて、これは一体どういうことなのだろう。
    日比谷公園を中心に描かれるある男とその周りの人々の日常。男は地下鉄のとある広告をきっかけに近くにいた女と声を交わし、日比谷公園で再会を果たす。お互い名も知らぬまま、昼休みの公園でささやかなやり取りが始まる。仕事が終わると男は、知り合いの宇田川夫妻宅に出入りする。夫妻はぼんやりと輪郭のないような夫婦間の問題を抱え、そのために二人とも家を離れており、男が留守宅のペットの猿の世話を頼まれていたからだ。一方男の自宅では、生気を養うために田舎から東京に出てきた母親が占拠している。
    深く交錯することのない人々。それゆえに強い感情が芽生えることもない、うっすらとした関係。巷の小説では感情を揺さぶられるものも多く、それらは確かに感動を呼ぶが、それは日常のフリとした日常だ。本当の日常は悲しいかな、想像以上に薄ぼんやりしたものかもしれない。でもそれが確かな言葉で綴られたとき、思いのほか価値を持つものなのだ。うまく言えないけれど、今の自分にはこういう風にしか表現することができない。

  • 書く前にどれだけのことを考えてから書き始めたのかと思うほど、伏線の張り巡らし方が秀逸。決定的なことはなにひとつ書かれていないのだけど、却ってそれがとても強い印象を残した。お正月に読んだので、またお正月の時期に読み返したくなるのだと思う。

  • 日常から抜け出したいとする青年の心情を
    その日常のほんの些細な出来事とそれに関わる人物で表した純文学。

    鳥肌が立つほどに緻密で読み返すたびに発見がある傑作。

    描写が日常的であるが故、平凡な作品だと感じてしまう読者が少なくない。

    社会とのつながりを意識しつつ、もがきながらも自覚の薄い青年と
    「彼女」の背中を押したのも他ならぬ青年だという事実に現代社会を見る。

  • 生きるための希望というのは、
    超個人的なものであって、
    誰の同意も必要なく、
    私が決めたことなら胸を張ることができる。

    そのような意味で、
    非常に心強いラストシーン。

  • 吉田修一にハマるきっかけ。

  • パーク・ライフよりもFlowersが衝撃だった。

  • 電車の中での恥ずかしい失敗を、さりげなくかわしてくれた女性との偶然の再会。
    公園での2人のやりとりに思わずニヤッとしてしまう。

    こんな出会いも良い。

  • タイトルのパークライフ、もう一つのはなしのflower両方情景と人物描写が凄い。

  • 日比谷公園を舞台に、東京の平凡で日常的な日々が、男女2人に焦点を当て描かれていく。
    鮮明且つさりげない表現で描かれる情景が脳裏に広がり、まるで自分がその場面を目の当たりにしているかのような、そんな感情が生まれます。
    読んでいると自然と吸い込まれていく一作です。

  • 個人的読書の入り口。

    今生きている世界だけが世界じゃなかった。

    本の限りない可能性を示してくれる。

  • たぶんこれ、身体論とか文学的レトリックとかを知らない人にはまったく面白くないと思う。技巧が上手すぎるから小説になってるけど、吉田修一を映画から入ったエンタメ好きには向かないと思う。文学部生がお手本やレポート材料に使いたくなる、ある意味芥川とか鴎外とかの意味で教科書的作品。あなたはどう見られ、どう構成される存在ですか?って意図かと思う。

  • 個人的には会心のヒットだった!

    都会の日常を任意の点から点までぶつりと切り取ったような作品。
    さらさらとした無機質な文体と、何かが起ころうとしていることを感じつつも、あっさりと続いていく日々の描き方がツボでした。

    少しだけ、変わり映えのない毎日が新鮮に見えるかも。

  • 表題と“flower”の2話

    “パーク・ライフ”のスターバックスの味がわかる女について
    スターバックスの味はわからないけれど
    スターバックスの店の雰囲気とかブランド価値とか
    そういったものに惹かれて行ってしまうというのは
    (本が出た当時は特に)わかる気がする

    スターバックスも出店し過ぎて、その価値も
    なくなってしまったような気もしますが…

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    公園にひとりで座っていると、あなたには何が見えますか?スターバックスのコーヒーを片手に、春風に乱れる髪を押さえていたのは、地下鉄でぼくが話しかけてしまった女だった。なんとなく見えていた景色がせつないほどリアルに動きはじめる。日比谷公園を舞台に、男と女の微妙な距離感を描き、芥川賞を受賞した傑作小説。



    あったかい感覚みたいなのがいいのでしょうね。
    現実にあるかもしれない?
    みたいな所にも引かれていく感じがします♪

  • 公園ひょんなことから知り合いになった
    お互いに名前も知らない男女のお話。

    日比谷公園界隈を中心に話が進む

    フワフワとした雰囲気
    風景と人物行動の自然な描写

    そこに出てくる言葉や仕草は
    書くために作ったものではなく
    本当の人間の会話に思える。

    後半に収録されているもう一つの作品は
    読まなくて良いと思う。
    2つ合わせると個人的には星ひとつにも満たない
    くらい変な作品。
    嫌い。

    パーク・ライフだけで星5つ。

  • 背伸びして靴から絆創膏が貼ってある踵が見える、ってところがすごいイメージが湧いた。巧いなぁ。今までこういう文章はあんまり好きじゃなかったけど、パークライフはすごい良かった。

  • 第127回芥川賞受賞作「パーク・ライフ」と「flowers」の短編二作が収録されています。

    非常に読みやすい!

    物語が完結しないので言動が気になり、読み終わった後にまた最初から読み直してしまいました。

  • 天才的だと思った一冊。

  • パークライフのみ。

    フラワーは、正直わからない。

  • 日比谷公園のあそこにいつも座っているあの女性は、地下鉄で話しかけてしまったあの女だった。
    第127回芥川賞受賞作。
    若い男女の近くなく遠くない関係を淡々と語られる表題作も面白いが、収録されているもう一編の「flowers」が、俄然おもしろい!

  • こういう感じを物語で読んでみたかった

  • 吉田さんの本は情景の描写が好きだな。

  • 2004

  • 吉田修一の芥川賞受賞作で最高傑作だと思う。

  • 個人的に、角田光代さんの作品よりこちらの方が好きです。
    都会の空気、人と人との距離感をしっかり捉えていると思います。

著者プロフィール

吉田 修一(よしだ しゅういち)
1968年長崎県生まれ。法政大学経営学部卒業後、スイミングスクールのインストラクターのアルバイトなどを経験。1997年「最後の息子」で第84回文學界新人賞を受賞しデビュー。同作は第117回芥川龍之介賞候補にもなった。2002年『パレード』で第15回山本周五郎賞を同年「パーク・ライフ」で第127回芥川龍之介賞、2007年『悪人』で第61回毎日出版文化賞及び第34回大佛次郎賞、2010年『横道世之介』で第23回柴田錬三郎賞、2019年『国宝』で第14回中央公論文芸賞をそれぞれ受賞。2016年には芥川龍之介賞選考委員に就任している。その他の代表作に、2014年刊行、本屋大賞ノミネート作の『怒り』。2016年に映画化され、数々の映画賞を受賞。

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パーク・ライフ Audible版 パーク・ライフ 吉田修一
パーク・ライフ 単行本 パーク・ライフ 吉田修一

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