横道世之介 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 6785
感想 : 747
  • Amazon.co.jp ・本 (467ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167665050

作品紹介・あらすじ

大学進学のため長崎から上京した横道世之介18歳。愛すべき押しの弱さと隠された芯の強さで、様々な出会いと笑いを引き寄せる。友の結婚に出産、学園祭のサンバ行進、お嬢様との恋愛、カメラとの出会い…。誰の人生にも温かな光を灯す、青春小説の金字塔。第7回本屋大賞第3位に選ばれた、柴田錬三郎賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 「世之介と出会った人生と出会わなかった人生で何かが変わるだろうかと、ふと思う。たぶん何も変わりはない。ただ青春時代に世之介に出会わなかった人が、この世の中には大勢いるのかと思うと、なぜか自分がとても得をしたような気持ちになっている。ー本文より」

    井原西鶴の『好色一代男』の主人公が由来の名前を持つ、横道世之介が、四月九州から上京して東京の大学に入学するところからこの物語は始まります。

    入学式で知り合った、東京出身で一浪の倉持と友だちになり、また経営学部に二人しかいない女子の一人、阿久津唯とも知り合い、なぜか三人は、思いもよらないサンバサークルに入ることになってしまいます。

    他には、
    一緒に上京してきた同郷の小沢。
    従兄の大学生で小説家志望の川上清志。
    アパートの隣の部家に住む、ヨガインストラクターの小暮京子。
    サークルとバイト先の先輩の石田。
    一緒に教習所に通うことになる加藤。
    世之介が憧れる謎の年上女性、片瀬小春。
    そして加藤の紹介で知り合った、ちょっと変わったお嬢様の与謝野祥子。
    世之介の高校のときの恋人の大崎さくら。
    他が登場します。

    とにかく面白いです。
    読んでいて飽きません。
    気軽に読めます。

    私が、大学生の時も世之介みたいな男子、いたのかなあと遠い過去を振り返ってしまいました。

    いそうでいないのが横道世之介かもしれません。

    肝心の、世之介がどんな男子か知りたい方は、是非この作品をお読みください。

    続編があるのは嬉しいです。

    • まことさん
      moboyokohamaかわぞえさん♪こんにちは。

      moboyokohamaかわぞえさんも、読んでいらしたのですね。

      時々、入る...
      moboyokohamaかわぞえさん♪こんにちは。

      moboyokohamaかわぞえさんも、読んでいらしたのですね。

      時々、入る、将来の登場人物たちの姿が印象的でした。
      世之介の未来はショッキングでしたが、意外だったのが、ちょっとへんなお嬢様だったの祥子ちゃん。
      倉持と阿久津唯、みたいな人たちは意外といそうなかんじがしました。
      2020/06/15
    • moboyokohamaさん
      そうです、そうです、祥子ちゃんでしたっけ。
      不思議少女でしたよね。
      そうです、そうです、祥子ちゃんでしたっけ。
      不思議少女でしたよね。
      2020/06/15
    • まことさん
      moboyokohamaかわぞえさん♪

      祥子ちゃんは最初、世之介とは合わないのじゃないかと思っていたら、最後はすごく存在感が増していま...
      moboyokohamaかわぞえさん♪

      祥子ちゃんは最初、世之介とは合わないのじゃないかと思っていたら、最後はすごく存在感が増していました。
      2020/06/16
  • 吉田さんの作品読むのは初。
    その中でも1番評価高そうなコチラを購入してみたが、期待値を自ら上げすぎて個人的には入り込めなかった。。。

    世之介くんが上京し、大学生活1年間の物語。
    途中途中で突然未来の話で進んだり、戻ったり、たぶんココが面白いのだと思いますが私のような初心者には難しいぃーー。

    日常の会話や、クスッと笑ってしまう場面とか、そゆところは絶妙に面白い!
    私も札幌から東京に出てきた頃を思い出して、初めて住んだ台東区、上野付近。
    札幌は、中心部ススキノや大通り公園のことを「町に行く?」と友達と呼んだりしていたんだけど、
    東京きた頃、町がたくさんだー、電車も時刻表ないのーすご〜みたいな気持ちを思い出させてもらえた一冊だなあ。懐かしい!!

    地方出身の上京したことある方が読むと、色々共感、懐かしさを感じる場面が多いかと!アマンドとかも笑 

    世之介は、結局どちらをいつの時期に好きだったんだろう?
    なんか、、私だけかもですが、世之介がどうしても朝井リョウさんに見えてきてしまい笑
    朝井リョウさんのエッセイ?だかを読んだことあるからかな。

    最後は、えー!?なぜ?なぜー??と読後感でした、、、_(:3 」∠)_

  • ゆるい!このゆるーい空気感がとても良かった。

    長崎から東京の大学に上京してきた横道世之介の1年間。
    誘われるままに入ったサンバサークル、夏はクーラーのある友人の家に入り浸ったり、ホテルの夜勤バイトでチップを弾んでもらったり、お嬢様が帰省先についてきたり。
    どれも取り止めのない出来事なのだけど、大学生のときのゆるい空気が見事に醸し出されていて。
    押しに弱くてすっとぼけていてお人好しな、愛すべき若者。
    時々挿入される友人たちのその後の人生、そして世之介についての語りが、物語に深みを出している。

    40付近になり、学生時代のことをふと思い出す。あいつ、名前なんだっけな…。

    すぐに名前が出てこないくらいの存在感。でも確かに、当時の自分を作り上げた一部になっている。のほほんとしたあの笑顔、ふと笑いがこみ上げてくるようなくだらなくて温かい思い出。
    途中挟まれるニュースに衝撃を受けたけど、、、みんなの中の世之介は、これからも大学生の頃の笑顔のまま生き続けていくのだろう。

    読んでいる最中、何度も自分の大学生の頃のことを思い出していた。
    そうそう、学生時代の頃は私の世界の中心にいた友達なのに、いつの間にかほぼ連絡もとらなくなっている。「えーっと、あいつ誰だっけ?」から始まり、だんだん色々なことが沸々と(封じ込めていた黒歴史含め。笑)。

    こんな青春小説は久しぶりに読んだなぁ。
    続編があるみたいで嬉しい。

  • 長崎から上京した田舎の若者・世之介が東京の大学で過ごした一年間。
    大学生って、こんな感じだったなぁー懐かしいなぁー感満載。また世之介がおっとりのんびりでクスッと笑えて面白い。お嬢様キャラの翔子も、1ターン切りの登場人物かと思いきや、これまた良い味。

    妙な縁でサンバサークルに入ったり、お金持ち達に混じって浮き輪姿でクルージングしたり、男性愛者が集まる夜の公園でスイカを食べたり…
    何でこうなった?と言いたくなる。

    突如、数年後の未来。
    世之介の周りの人々がふと彼を思い出す。
    この回想が物語にグッと深みを加えている。
    若い時の出会い・出来事が、確かに今の自分を形作っていると実感する。
    そして、笑みと共に彼を思い出す…あの時、楽しかったなぁーと。

    読後感は思いもよらず切ない。
    「色んなことにYESって言ってるような人だった。もちろん、そのせいでいっぱい失敗するんだけど、それでもNOじゃなくてYESって言ってるような人…」
    こんな人、好きにならずにいられるだろうか。
    自分もこんな空気感をまとえるような人になりたいなぁ。

  • 凡才とは、平凡で、特にすぐれたところのない才能。世之介は「凡才」なのか?否、確実に違う。彼は誰からも愛される才能を持っている。これは誰をも愛すことができる裏返しなのだ。ラストページ、世之介の母親が祥子に宛てた手紙は母親の愛情しか読み取れないのだが、彼の両親に育てられたからこそ誰からも愛される才能を有していたんだと思う。祥子、京子(アパート住人)、片瀬千春(年上女性)、大崎さくら(同級生)が世之介の長所を引き出し、彼が生き生きしていたと感じる。彼は線路に落ちた人を「助けたい」と思ってしまったんだのだろう。

  • 大学進学。上京。友情。恋愛。家族。友の結婚や出産。横道世之介という青年の青春時代がギュッと詰め込まれた一冊。いつまでも物語に浸っていたい気分だった。世之介の、弱気で優しく愛らしい人柄が、人間らしくて好感を持てた。物語を通して彼に出会えたことに感謝。

  • 文句なしの面白さ。長崎から大学入学のために上京した横道世之介の大学1年生の4月から3月を描いた小説。大学の授業、サークル、バイト、新しい友達、恋人、夏休みの実家への帰省などなど青春だなーという要素が満載。少し前に読んだ瀬尾まいこさんの『戸村飯店 青春100連発』と個人的には同じカテゴリーに入る。話の合間に入る数年後〜20年後くらいの登場人物のその後の様子などから手放しにコメディーとは言えないが、世之介の18歳〜19歳が充実した濃いものだったことは事実であり、読んでいてとても楽しかった。1986年の大学生はこんな感じだった(もちろん携帯電話もネットもまだない!)のかということも興味深く読んだ。世之介のとぼけているが人情に溢れた人柄も最高だった。

  • 吉田修一著「横道世之介」

    以前からずっと気にはなっていた作品。
    そのくせなかなか手に取る機会がなかったけれど、ここにきてようやく読了することができた。
    読んでみての感想は、純粋に素敵な青春小説でした。
    面白かったし、懐かしい感じも。
    続編も近いうちに必ず読むであろう。

  • 横道世之介の青春小説。1980年代後半、大学進学で上京した世之介。サンバ同好会でのこと、恋人とのこと。そして、現在、仲間たちが世之介のことを思い出す。
    世之介さんは、押しが弱いとか表面的には強さはないんだけれど、やわかさ、人柄に読んでいる自分もほんわかムードになる。そしてクスリと笑える。その辺が実にうまく表現されているなあ。世之介さんは強烈なものはなくても穏やかでも確かなる影響力を持った人だったのだあと思えるし、自分の周りでも個性それぞれで、人と人との結びつきを考え…その中で幸せを感じたのでした。そして、いくつかの言葉が私を励ましてくれて、なかなか良い読書時間を味わえた、世之介さんに感謝だ。

  • 世之介は愛すべきキャラクターです。彼といるととにかく楽しいです。本人は大変だぁーって思ってても、その頑張りとそれに付随する笑いで周りを(読者を)笑顔にしちゃいます。
    これって実はすごいことじゃないですか。
    誰もが彼を思い出すとクスッとなっちゃいます。だから彼がどうなったのか知ってしまったら、みんな悲しくて泣いてしまうはずです。そして泣きながら思い描くのは、やっぱり彼ののほほんとした顔と笑いに包まれた彼との日々で、悲しいはずなのに、きっとみんなをほんのりと温かい気持ちにさせてしまうと思います。あっちこっちで泣き笑いが起こりそうです。
    世之介と出会えたことが一番の幸せと言うお母さんの気持ち、彼と共に過ごした日々のある人はみんな分かるでしょう。いつまでも悲しんでちゃいけないとお母さんが思えるようになったのは、世之介の力です。やっぱり彼は呑気な顔で、すごいことをやっちゃう人なんですよ。

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著者プロフィール

1968年長崎市生まれ。97年「最後の息子」で文學界新人賞を受賞し作家デビュー。2002年『パレード』で山本周五郎賞、同年『パークライフ』で芥川賞を受賞。07年『悪人』で毎日出版文化賞、大佛次郎賞、10年『横道世之介』で柴田錬三郎賞、19年『国宝』で芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。著書に『路』『怒り』『橋をわたる』『ウォーターゲーム』『女たちは二度遊ぶ』『犯罪小説集』『ミス・サンシャイン』など多数。

「2022年 『逃亡小説集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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