横道世之介 (文春文庫 よ 19-5)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (467ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167665050

作品紹介・あらすじ

大学進学のため長崎から上京した横道世之介18歳。愛すべき押しの弱さと隠された芯の強さで、様々な出会いと笑いを引き寄せる。友の結婚に出産、学園祭のサンバ行進、お嬢様との恋愛、カメラとの出会い…。誰の人生にも温かな光を灯す、青春小説の金字塔。第7回本屋大賞第3位に選ばれた、柴田錬三郎賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • だらしない、回りに流される世之介。でもどこか憎めない。例えば変に真面目なところ。難民に預けられた赤ちゃんを自分で助けられなかったことで、自分は世の中の役に立たないって思い詰めたり普通はしない。
    かなりセレブだけど少し変わった祥子に好かれたり、大笑いするようなことはないけど、くすっとするような事ばかりの世之介が愛しい。いや、世之介が愛しいんじゃなくて、同じような時代を過ごした自分を投影させて懐かしく、楽しいんだろう。

    世之介が撮った初めての写真は私が見たいという祥子の為に「与謝野祥子以外、開封厳禁」と封をして写真を入れた。悲しい伏線回収だった。

  • 皆さんのレビューを読んでずっと前から『読みたい』に入っていた横道世之介。いつか、いつかと思っているうちに、完結編が出てしまった!遅ればせながら今から皆さんを追いかけまーす。
    まず、世代がドンピシャで(はっきりと歳がバレる笑)全てに頷けて、すんなりとあの頃にタイムスリップできました。
    今との一番の違いは、なんといってもスマホがないことですよね。待ち人が来なければ何時間でも待たなければならなかったあの日。電話をしたければ『◯◯さん、いらっしゃいますか?』とお母さんに取り継いでもらわなければいけないあの緊張。そして、公衆電話やコピーに並ぶとか、スマホがある今は絶対ないことばかり。
    そして、いつも“暇“だと思っている大学生たち。一方で“忙しい“ことが何よりもステイタスだと思っている大学生たち。
    何者かになりたいけれど、何をしたらいいのかさっぱり分からなくて、とりあえず誰かの真似をしていたあの4年間の日々。なんて無駄な4年間なんだろう、と思う。でも、その無駄こそが何かに繋がっていったりもするんですよね。そんな4年間のうちの1年間の横道世之介のお話。
    大学生って、大人だけど社会人ではない。自由で特別な時間ですよね。あの時を思い出させてくれる一冊です。面白かった!

    • こっとんさん
      土瓶さん、おはようございます♪
      読みましたよー。
      『時間ができたら、ここ掃除しようと思ってる』と言った私に『そういう人には一生、その“いつか...
      土瓶さん、おはようございます♪
      読みましたよー。
      『時間ができたら、ここ掃除しようと思ってる』と言った私に『そういう人には一生、その“いつか“はやってこないよ』と辛辣な言葉を浴びせた友だち‥‥その私に“いつか“がやってきましたー!
      でも、ずーっと気になっている“いつか“があります。
      ずーっと前に土瓶さんにお薦めしていただいた『儚い羊たちの祝宴』(←土瓶さんの記憶にはもうないかもしれませんが笑)ずーっと読めていなくて、ずーっと気になっています。
      絶対“いつか“読みますので土瓶さん、見捨てないでくださいねー(>人<;)
      2023/07/29
    • 土瓶さん
      こっとんさん。おはようございま~す♪
      そういうこと言う人いますよね。
      「そのうち、いつか」は永遠にやってこない。とか。
      「行けたら行く」は行...
      こっとんさん。おはようございま~す♪
      そういうこと言う人いますよね。
      「そのうち、いつか」は永遠にやってこない。とか。
      「行けたら行く」は行かないの意味。とか。
      「今度お茶でも」の今度もこない。
      「ごめんなさい。そんなふうに考えたことなくて。お友だちでいましょうね」とか。
      (´;ω;`)ウッ…

      ( ゚д゚)ハッ!
      「儚い羊たちの祝宴」の話でしたね。
      そうそう。どんなふうに薦めたのかは憶えてませんが、あれは良かったです。
      ただし……グロい話もあるので、特に最終話。夜に読むのは……。
      まあでも、夏ですし、いいかもしれませんね。

      積読って、なんとなく買ったはいいが手が出なくて、という理由でそうなる場合が多いんですが、でも、なんとなく積読本たちを見ると安心するってことないですか?
      「これだけあれば、しばらく大丈夫」的な。
      図書館なんて夜は閉まるの早いし、借りようと思って行くとなぜか数日の休館になっていたり。
      本って、手元に何冊かキープしてあると安心できます。

      長々とすいません。
      暑いのでお気をつけぐださい。
      では~(⁠^⁠∇⁠^⁠)⁠ノ⁠
      2023/07/29
    • こっとんさん
      土瓶さん、
      ごめんなさい、お友だちでいましょう‥‥
      切ないっ(´༎ຶོρ༎ຶོ`)

      『儚い羊たちの祝宴』
      ぜひとも夏のうちに読みたくなって...
      土瓶さん、
      ごめんなさい、お友だちでいましょう‥‥
      切ないっ(´༎ຶོρ༎ຶོ`)

      『儚い羊たちの祝宴』
      ぜひとも夏のうちに読みたくなってきましたね〜
      私の“いつか“!頑張れ!

      手元に本がたくさんあると安心するの分かりますー
      手元の本がゼロになってしまうのが怖くてついついたくさん置いておくと、予約本が一気に回ってくるのはあるあるですね(*_*)

      ホント、毎日暑いのでこんな時は涼しい部屋で読書三昧しましょうねー
      2023/07/29
  • オーディブルにて読む。

    長崎から上京して大学生活を送る横道世之介の青春を描く。キラキラしていて眩しい。

    小説の始まりが桜の季節。ジョギングしながら聴いていて、世之介が住む花小金井と似たような環境ということもあって、眼にする風景と物語がシンクロして、自分も若い気分になりました。
    ついつい走るスピードを上げてしまい、息切れがやばくなったところで現実に引き戻されました。

    全般的にとても楽しい小説。
    僕らよりちょっと上のおにいさん、お姉さん達、華やかさに憧れてなかなか追い越せなかった世代の青春。ただただ羨ましくある世界。
    おそらく法政大学が舞台。
    サンバ・サークル、年上女性への憧れ、友人の彼女の望まない妊娠、世間知らずのお嬢様との恋愛、カメラとの出会い…そして、最後はしんみり。

    2001年1月26日、JR新大久保駅で線路に転落した男性を助けようとして、二人の男性、韓国人留学生の李秀賢氏とフリーカメラマンの関根史郎氏が亡くなった事件があった。
    横道世之介のモデルは、その関根史郎氏なのだそうだ。

    • kuma0504さん
      たけさん、こんにちは。
      ジョッキングしながらオーディブル良いですね。
      三日坊主の私も、そういうやり方ならもしかしたら‥‥とも思ってしまいまし...
      たけさん、こんにちは。
      ジョッキングしながらオーディブル良いですね。
      三日坊主の私も、そういうやり方ならもしかしたら‥‥とも思ってしまいました。

      小説は読んでないですが、映画は観ました。冒頭は上京したての場面、駅にデカデカと斉藤由貴の看板があったのを覚えています。私なんかはドンピシャの世代で、東京に出ていたらこんな青春だったのかもとも思いました。その年の映画ベスト10のひとつです。

      長くなって申し訳ないのですが、懐かしくなったので、当時労組の機関誌に連載していた映画評に載せた内容をコピペします。

      「横道世之介」
       1987年、長崎の港町から18歳の青年(高良健吾)が大学入学のために上京します。最初の新宿駅の場面に、斉藤由貴の顔をアップにした大看板が出てきます。彼の名は横道世之介。一度聞いたら忘れられない名前だけど、その名前以外は極めて普通の学生生活が始まります。当時の髪形や流行音楽、食べ物などや街の景色、下宿生活を忠実に再現、懐かしさに溢れています。でも、単なる世相映画ではありません。それだけならば、退屈極まりない作品になったでしょう(上映時間は160分もあります)。
      時制が1987年から突然2003年に移ってしまうショットが何回か出てきます。その辺りから時間が気にならなくなりました。むしろ、このままずっと「なんでもない彼らの日常」を見ていたいという気持ちになるのです。世之介は全く嫌味のない、何時の間にか友だちになってしまっているような男です。むしろ彼の周りの方が特異な人が集まっていたと思う。子供が出来て学生結婚をする男女(池松壮亮、朝倉あき)、ゲイであることを隠している美青年(綾野剛)、謎のパーティー女史(伊藤歩)、成金お嬢様。そんな彼等から世之介は「思い出すと自然と笑みが出て来る人」として、みんなの記憶の中に残っているのです。人の生きている意味なんて、世之介以上のものはないのではないか、と私は思いました。大学時代に出会った仲間たちから、私はどんな風に思われているんだろう。嫌な奴と思われていたなら、嫌だな。全然記憶に残っていなかったら、もっと嫌だな。
      韓国が作れば、英雄伝になったかもしれない。日本人が作るからこういう話になったのだ、ともいえるかもしれません(意味は、観ればわかります)。
      この作品は、世間離れをした成金お嬢様の翔子(吉高由里子)と世之介とのラブストーリーでもあります。二人の初々しい「おつきあい」がとっても楽しい。私は翔子と世之介が最後に別れたとは解釈していません。写真を巡るエピソードから、16年間会っていなかったのは確かだろうとは思うのですが、どちらも独身で、喧嘩別れもしていなかっただろうと思うからです。皆さんはどう見るか。マイベスト9位でした。
      (2013年沖田修一監督作品、レンタル可能)
      2023/04/12
    • たけさん
      kumaさん、コメントありがとうございます!
      ジョギングやウォーキングしながらのオーディブルはとてもおすすめです。たまに景色とストーリーが...
      kumaさん、コメントありがとうございます!
      ジョギングやウォーキングしながらのオーディブルはとてもおすすめです。たまに景色とストーリーがシンクロして気分がなんとも言えない盛り上がり方することもあります。一味違った読書体験ができますよ。

      さて、映画評のコピペありがとうございます。オーディブルで聴いていて映画版を見たい!と思っていたんですよ。

      時制が突然変わってしまったりとか(オーディブルでは「編集ミス?」と思ったほど唐突で印象的でした)、韓国が作れば英雄伝だったりとか、翔子と世之介が別れたか否かがはっきりしなかったりとか、まるで小説のレビューを読んでいる気分になりました。
      わりと原作に忠実に実写化されたのではないでしょうか。ますます映画を見たくなりました。
      2023/04/12
  • 吉田さんの作品読むのは初。
    その中でも1番評価高そうなコチラを購入してみたが、期待値を自ら上げすぎて個人的には入り込めなかった。。。

    世之介くんが上京し、大学生活1年間の物語。
    途中途中で突然未来の話で進んだり、戻ったり、たぶんココが面白いのだと思いますが私のような初心者には難しいぃーー。

    日常の会話や、クスッと笑ってしまう場面とか、そゆところは絶妙に面白い!
    私も札幌から東京に出てきた頃を思い出して、初めて住んだ台東区、上野付近。
    札幌は、中心部ススキノや大通り公園のことを「町に行く?」と友達と呼んだりしていたんだけど、
    東京きた頃、町がたくさんだー、電車も時刻表ないのーすご〜みたいな気持ちを思い出させてもらえた一冊だなあ。懐かしい!!

    地方出身の上京したことある方が読むと、色々共感、懐かしさを感じる場面が多いかと!アマンドとかも笑 

    世之介は、結局どちらをいつの時期に好きだったんだろう?
    なんか、、私だけかもですが、世之介がどうしても朝井リョウさんに見えてきてしまい笑
    朝井リョウさんのエッセイ?だかを読んだことあるからかな。

    最後は、えー!?なぜ?なぜー??と読後感でした、、、_(:3 」∠)_

  • 「世之介と出会った人生と出会わなかった人生で何かが変わるだろうかと、ふと思う。たぶん何も変わりはない。ただ青春時代に世之介に出会わなかった人が、この世の中には大勢いるのかと思うと、なぜか自分がとても得をしたような気持ちになっている。ー本文より」

    井原西鶴の『好色一代男』の主人公が由来の名前を持つ、横道世之介が、四月九州から上京して東京の大学に入学するところからこの物語は始まります。

    入学式で知り合った、東京出身で一浪の倉持と友だちになり、また経営学部に二人しかいない女子の一人、阿久津唯とも知り合い、なぜか三人は、思いもよらないサンバサークルに入ることになってしまいます。

    他には、
    一緒に上京してきた同郷の小沢。
    従兄の大学生で小説家志望の川上清志。
    アパートの隣の部家に住む、ヨガインストラクターの小暮京子。
    サークルとバイト先の先輩の石田。
    一緒に教習所に通うことになる加藤。
    世之介が憧れる謎の年上女性、片瀬小春。
    そして加藤の紹介で知り合った、ちょっと変わったお嬢様の与謝野祥子。
    世之介の高校のときの恋人の大崎さくら。
    他が登場します。

    とにかく面白いです。
    読んでいて飽きません。
    気軽に読めます。

    私が、大学生の時も世之介みたいな男子、いたのかなあと遠い過去を振り返ってしまいました。

    いそうでいないのが横道世之介かもしれません。

    肝心の、世之介がどんな男子か知りたい方は、是非この作品をお読みください。

    続編があるのは嬉しいです。

    • まことさん
      moboyokohamaかわぞえさん♪こんにちは。

      moboyokohamaかわぞえさんも、読んでいらしたのですね。

      時々、入る...
      moboyokohamaかわぞえさん♪こんにちは。

      moboyokohamaかわぞえさんも、読んでいらしたのですね。

      時々、入る、将来の登場人物たちの姿が印象的でした。
      世之介の未来はショッキングでしたが、意外だったのが、ちょっとへんなお嬢様だったの祥子ちゃん。
      倉持と阿久津唯、みたいな人たちは意外といそうなかんじがしました。
      2020/06/15
    • moboyokohamaさん
      そうです、そうです、祥子ちゃんでしたっけ。
      不思議少女でしたよね。
      そうです、そうです、祥子ちゃんでしたっけ。
      不思議少女でしたよね。
      2020/06/15
    • まことさん
      moboyokohamaかわぞえさん♪

      祥子ちゃんは最初、世之介とは合わないのじゃないかと思っていたら、最後はすごく存在感が増していま...
      moboyokohamaかわぞえさん♪

      祥子ちゃんは最初、世之介とは合わないのじゃないかと思っていたら、最後はすごく存在感が増していました。
      2020/06/16
  •  なんだかひどく体調が悪く、難しい本は読めそうにないので、さらっと読めて気持ちが明るくなる本を…と思い、ずっと気になっていた『横道世之介』を選びました。

     最初からずっと惹かれっぱなし。読書の楽しさを思い出させてくれました。最近、エンターテイメント的な本を読んでも何となく時間を無駄にした気になり、心と頭の滋養になりそうな本を選びがちになっていたけれど、やっぱりためにはなるけど面白くはない。この本は、心から楽しく面白かったです。身体の痛みに悶絶しながらも、あっという間に読み終わりました。

     世之介のように、こんなに人を心地よくする人間がいるのだなぁと希少生物を見る心地と、でもどこかにいそうな感覚とが混ざり合いました。

     ただ残念だったのが、途中で映画化されていることを知り、キャストを調べてしまったこと。読みながら、映像化するならどの俳優さんがいいかなぁ…とあれこれ考えて、結局ピッタリくる人が思いつかなかったのですが…調べたら、主役の方、大好きでこの役にはこの人しかいないだろうっていう俳優さんでした。やっぱりプロの作り手さんはピタッとくる方をちゃんと思いつくのですね。すごい!

     でも、知ってしまったら、読んでいても、(特に彼女役の方は)その俳優さんの顔や、こんな風に演じそうという演技ばかり浮かんでしまって、知らずに読んでいた時の瑞々しい文体から想像を膨らませる幅が削られてしまい、もったいないことをしてしまいました。途中で調べた自分が悪い。

     もし未読の方は、なるべく情報を入れずに読んでくださいね。とっても満足度の高い贅沢な読書時間でした。

  • 横道世之介の大学一年生の時のお話し。もしかして同級生だった?というくらい時代背景がドンピシャ。
    何度も笑顔にさせておきながら、大好きなノンフィクション要素が絡んで泣かせるんだもの。惹きつけられちゃいますよね。

    「いろんなことに、『Yes』って言っているような人だった」
    「······もちろん、そのせいでいっぱい失敗するんだけど、それでも『No』じゃなくて、『Yes』って··言っているような人······」

    ガールフレンドの祥子ちゃんもとっても素敵でした。

  • 2日で読了。
    横道世之介、本当に良いキャラしてる。

    そしてどんどん東京に馴染みながら
    色々な経験積んでいくあたりが憧れる。

    四月〜三月の書き方も良かった。

  • 昭和の、地方から上京してきた大学1年生。
    どちらかといえば昭和よりの大学生活をした者としては、ああ、こんな感じよね...と懐かしく読み始めたら....。

    これは平凡な大学生活の話じゃない!!
    昭和によく聞いた場所、あったような出来事、モノが隅々まで細かく散りばめてある。
    一癖ある、なかなかの文中の人物たちが過去の昭和を振り返る場面があるのだが、そこには必ず微笑ましい、いやゆるーい世之介が出てくる。
    ゆるーいけど、言い換えれば1番自分を持っていた人かも。話の最後になるにつれ、世之介、もしかしてイケメン?!と思えるようになる不思議。

    ほのぼの気分を求めて読んだつもりが、表面平和なんだけど、所々なんとも言えない不穏な空気が漂う不思議なお話..。
    世之介の今後も気になるので、次のシリーズ読も。

  • 長崎から上京した田舎の若者・世之介が東京の大学で過ごした一年間。
    大学生って、こんな感じだったなぁー懐かしいなぁー感満載。また世之介がおっとりのんびりでクスッと笑えて面白い。お嬢様キャラの翔子も、1ターン切りの登場人物かと思いきや、これまた良い味。

    妙な縁でサンバサークルに入ったり、お金持ち達に混じって浮き輪姿でクルージングしたり、男性愛者が集まる夜の公園でスイカを食べたり…
    何でこうなった?と言いたくなる。

    突如、数年後の未来。
    世之介の周りの人々がふと彼を思い出す。
    この回想が物語にグッと深みを加えている。
    若い時の出会い・出来事が、確かに今の自分を形作っていると実感する。
    そして、笑みと共に彼を思い出す…あの時、楽しかったなぁーと。

    読後感は思いもよらず切ない。
    「色んなことにYESって言ってるような人だった。もちろん、そのせいでいっぱい失敗するんだけど、それでもNOじゃなくてYESって言ってるような人…」
    こんな人、好きにならずにいられるだろうか。
    自分もこんな空気感をまとえるような人になりたいなぁ。

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著者プロフィール

1968年長崎県生まれ。法政大学経営学部卒業。1997年『最後の息子』で「文學界新人賞」を受賞し、デビュー。2002年『パーク・ライフ』で「芥川賞」を受賞。07年『悪人』で「毎日出版文化賞」、10年『横道世之介』で「柴田錬三郎」、19年『国宝』で「芸術選奨文部科学大臣賞」「中央公論文芸賞」を受賞する。その他著書に、『パレード』『悪人』『さよなら渓谷』『路』『怒り』『森は知っている』『太陽は動かない』『湖の女たち』等がある。

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