横道世之介 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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レビュー : 579
  • Amazon.co.jp ・本 (467ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167665050

感想・レビュー・書評

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  • 1980年代の後半くらいだろうか。横道世之介という、なぜか『好色一代男』の主人公と同じ姓名をもつ青年が主人公。大学入学を機に、長崎から上京してきた横道青年の1年間を描いた小説。つくり話だから自由自在ではあるんだけど、1年で人も変わるし、周りの状況もどんどこ変わっていく。そんななかで迷いながら、流されながら少しずつ大人になっていく普通っぽい青年の様子がいい。芯のところでまっすぐさを失わないのもかっこいい。だからいろんな人に愛されるし、記憶の片隅に残る人物になるし、20数年後にああいう顛末を迎えることになるんだろう。こんなふうに生きたかった、といまやこじれた性格に成り果てた自分としては思う。
    当時交歓した人たちの20数年度の様子がところどころに挿入されるんだけど、人ってそれなりに幸せに人生を歩んでいくものなのかなと思ったり。

  • いいよね、世之介くん。

    割りといい加減で、中途半端なとこも多いけど、なにより、まっすぐだから。
    誰か困ってる人がいたら、颯爽と現れて助けてあげる…のではなく、一緒になってオロオロしてくれる。それがなにより、人を安心させて、まぁいっか、って思わせる。
    あぁ、なんだ、そんな難しく考えなくっても、楽にしてたらいいんだ、って思わせてくれる、絶妙な魅力が世之介くんにはある。

    世之介くんと、祥子ちゃんのペアも良い。
    嫌みのない世之介くんと、天真爛漫な祥子ちゃん。なんともほほえましい二人だった。

    世之介くんの大学時代と、それから十数年先と思われる時が描かれる。
    日常のなかで、ふと世之介くんのことを思い出して、なんとも幸せな気分になれるのは、私も同じ。

    世之介くんと出会えて良かった。

  • 文量も多く読み応えがある本。
    でもその多さが気にならないほど引き込まれ、スラスラ読めていく。
    世之介や祥子といったキャラクターの頓珍漢でどこかズレている性格が異常に魅力的だった。
    だから世之介や祥子は自分勝手に生きているのに友人が寄ってくるのだろうと思った。
    大人になってふと思い出される人間になれるっていうのはとても羨ましいことだと感じた。

  • 大学進学のため長崎から上京した横道世之介の、一年間の生活が綴られている。
    新しい人との出会いは、青春の扉が開かれる瞬間そのものだ。かけがえのない貴重な時間。
    恋人との出会い、カメラとの出会い、友人や先輩。
    普通の大学生のストーリーなのに、何故か震えが止まらなかった。
    純粋な気持ちに戻れます。

  • こんなに笑った本はなかった。夜中に声出して笑った。
    でも泣いた・・・
    彼に会いたい。

  • 登場人物たちが世之介と関わった事で自然と笑顔になったように、この本を通して世之介に出会えた事が自身の幸せになった。

    何気ない日常が一番輝かしいのだなぁと思う。

  • 普通に大学に入って、大人への階段を上って、という経験をした人であれば、この本に全く共感しないということはあり得ないだろう。斜に構えた言い方をすれば、そのような典型的な日本人の最大公約数的な物語がうまく盛り込まれた幕の内弁当のようなお話だと感じた。その意味で、まさに映像化にぴったりの作品ではないだろうか。

  • 出てくる登場人物がみんな愛おしいです。中でもやっぱり世之介さん。自分もそこにいるだけでいいんだって、そう思わせてくれます。

  • 映画化された作品もみたい。
    私にとってまだ大学生活は近すぎるけど、もう少ししたらこうやって、記憶の片隅に追いやったり追いやられたりしてしまうのかな、と思うと切ないけど、それがふっとしたときに、幸せな記憶として思い出されたらいいな、と思った。

  • 話題だったし、読みたかったけど姉の本棚に会って借りてきた。この本私好きだな~

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著者プロフィール

吉田 修一(よしだ しゅういち)
1968年長崎県生まれ。法政大学経営学部卒業後、スイミングスクールのインストラクターのアルバイトなどを経験。
1997年「最後の息子」で第84回文學界新人賞を受賞しデビュー。同作は第117回芥川龍之介賞候補にもなった。
2002年『パレード』で第15回山本周五郎賞を同年「パーク・ライフ」で第127回芥川龍之介賞、2007年『悪人』で第61回毎日出版文化賞及び第34回大佛次郎賞、2010年『横道世之介』で第23回柴田錬三郎賞をそれぞれ受賞。2016年には芥川龍之介賞選考委員に就任している。
その他の代表作に、2014年刊行、本屋大賞ノミネート作の『怒り』。2016年に映画化され、数々の映画賞を受賞。体当たりの演技を披露した広瀬すず出世作としても名を残すことになる。

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