横道世之介 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 4506
レビュー : 580
  • Amazon.co.jp ・本 (467ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167665050

感想・レビュー・書評

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  • 想像していたのとは裏腹の心地よい読後感にびっくり。
    最近吉田修一にはまって何冊か読んだ。
    物語りの終わりにはひとかけらの絶望や破壊性のようなものが残るものが多かった。それはある種の清々しさとほんの少しの希望も混ざり合っている。けれどもなんともいえない気持ちになる。

    この横道世之介はなんともじんわりあったかい読後感。一つの絶望があるとすれば、序盤から薄々感じる、主人公の不在ではないかと。

    ー「大切に育てる」というのは「大切なもの」を与えてやるのではなく、その「大切なもの」を失った時にどうやってそれを乗り越えるか、その強さを教えてやることではないのかと思う

    2012年 文春文庫

  • なんだろう、世之介のふわふわした感じ。シャイで自己表現がヘタで、それでもみんなの心の中に笑いと懐かしさを残していく。

  • 大学1年生の時の無敵感を思い出す。
    出来ないことよりもやれることに全力で飛び込める感じ、サイコー。

  • 再読。やっぱり面白い〜
    会話とか、文のまとめかたとか
    笑えるという意味でも面白い〜

    ちょっとこれふざけてない?(笑)みたいなゆるさというか、やわらかさというか、心の広さというか
    まぁそんな頭固くせず読んでよ、みたいな

    作者がニコニコしながら愉快な気持ちで書いてる感じがする。それこそ世之介みたいな感じで。

    「誰からも愛されるすごくよくできたいいやつ!」を意識してないところがいい

    世之介には図々しかったりイヤなとこもある。
    愛されてるといっても適当に扱われたり扱ったりしてる。
    その人間らしさが好き。

    ちょっと切ない終わりだけど
    幸せな気持ちのほうが強く残る。

    登場人物も楽しい
    加藤と祥子ちゃん特に好き
    世之介が誰かに好かれてると
    なぜか自分が誇らしい気分になる。

  • 大学進学のため長崎から上京した横道世之介18歳。愛すべき押しの弱さと隠された芯の強さで、様々な出会いと笑いを引き寄せる青春小説。ダラダラ長いなぁ、映画を後で観ましたが少しマシだった。

  • 普通にどこにでも居そうな、でもちょっと特別なキャラの主人公は愛おしくさえ感じた。ありがちなバイトと怠惰な生活を送る東京の大学生を、こうして楽しい物語にするのは容易ではない。昔を振り返りながらのストーリーが、当然あの人は今という感じで入ってきて、世之介のその後にも驚かされる。でもそういう感じなんだあと不思議と納得したりする。

  • 読み終えて、思わず笑みがこぼれてしまう。そして少し悲しい。
    世之介は、人がいいぐらいしか取り柄がなさそうだし、思い切りマイペース。大学に入って上京し、いろいろな体験をするが、それがいちいち少し変わった方向へ向かってしまう。
    最初は、たいして面白くないなと思いながら読んでいたのだが、徐々にその世界に感化され、最後は読み終えるが惜しいぐらいに。
    映画も見てみたい。

  • 130719横道世之介 感想
    面白く、一晩で一気に読み終えてしまった。
    あまり予備知識がなく読み、初めて物語が主な舞台である1987年から20年後に唐突に飛んだ時は少し混乱してしまった。それが主人公と同時代を生きていた仲間たちの20年後の人生なんだと理解した時 、大きな切なさを憶えた。まるで神様のような視点で、未来の結末を知りながら自分も1987年の1年間を生きてみたような気がした。
    印象に残ったのは、主人公の世之介の出会い力。偶発的に多くの人と出会い、受け入れ、関わって行ったことが互いの20年後の生き方に影響を与えていく。そしてその関わりが心の奥で深いものになるのは、携帯電話やメールがなかった時代で、直接話すことが人と関わるほぼ全てだったからだと思う。
    そして、終わりは、本当に切ない。

    本当の意味で人に薦めたい小説です。

  • これといった取り柄もない、ごくごく普通の人、でも呑気で純朴でちょっとどこか抜けたようなその男、横道世之介。
    取り上げるほどの大事件や偉業を達成することもない世之介の人生。しかし、誰からか憎まれることもなく、むしろ誰からも愛されて、世之介に触れた人たちそれぞれの心の奥底に、暖かいものを残している。
    読んでいて、なんでこんなにあたたかな気持ちになるんだろう。その答えが、最後の最後に出てきたような気がします。
    とにかくこの男、正直である。心に裏表がない。楽観的である。
    そういったところから、世之介のまっすぐな生き様が見て取れて、そのまっすぐさが、周りの人間にもあたたかさをまっすぐに届けていたんだろうな。そんな気がした。

    ものすごい人だとは思わない。頭がいいとも思わない。とてもかなわないともさらさら思わない。
    けれども、世之介のまっすぐさは羨ましくもあり、かっこよくもあり、すてきな人生だったんだろうな、そしてふれあう人々には、すてきな人生の1ページを与え続けたんだろうな、と思う。
    心がぬくぬくとして、あたたかい気持ちでいっぱいになった。

  • 上京し、大学一年生の一年間を通し世之介とかかわった人々が数年後にふとしたときに思い出す世之介との思い出。
    彼らが世之介を思い出すとき、いつも笑顔で憎めない奴だった世之介があらわれる。
    読後に世之介の事を思うと彼らと同じような気分になる幸せな物語!

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著者プロフィール

吉田 修一(よしだ しゅういち)
1968年長崎県生まれ。法政大学経営学部卒業後、スイミングスクールのインストラクターのアルバイトなどを経験。1997年「最後の息子」で第84回文學界新人賞を受賞しデビュー。同作は第117回芥川龍之介賞候補にもなった。2002年『パレード』で第15回山本周五郎賞を同年「パーク・ライフ」で第127回芥川龍之介賞、2007年『悪人』で第61回毎日出版文化賞及び第34回大佛次郎賞、2010年『横道世之介』で第23回柴田錬三郎賞、2019年『国宝』で第14回中央公論文芸賞をそれぞれ受賞。2016年には芥川龍之介賞選考委員に就任している。その他の代表作に、2014年刊行、本屋大賞ノミネート作の『怒り』。2016年に映画化され、数々の映画賞を受賞。

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