体は全部知っている (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 2977
レビュー : 264
  • Amazon.co.jp ・本 (217ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167667016

作品紹介・あらすじ

「アロエが、切らないで、って言ってるの。」ひとり暮らしだった祖母は死の直前、そう言った。植物の生命と交感しあう優しさの持ち主だった祖母から「私」が受け継いだ力を描く「みどりのゆび」など。日常に慣れることで忘れていた、ささやかだけれど、とても大切な感情-心と体、風景までもがひとつになって癒される13篇を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 日常に埋もれていた感情。
    心と身体、人と人とのみえないけど確かなつながり。

    出てくる人は、みんななんだか「透明」。
    ふんわり空気にとけこんでいるかのような、風景の一部のような。

    ただ、なぜかわからないけど、あまり心に沁みてこなかった。
    何となく、どれも同じような読後感だからか。

  • 吉本ばななさんの文章はとても好き。読み終わったあと、やわらかい気持ちになって、からだに情景や想いが染み込んでくる感じがする。彼女の文章はわたしが好きな淡い色。
    無理に考えなくても、結局は体が一番自分を知ってるんだ、ってことに気付かされた。よく、友達の方が自分を知っているとか聞くし、わたしもそうだと思っていたけど、違うんじゃないか…と。耳を澄ませてみよーっと。

  • 「止めることのできない時間は惜しむためだけではなく、美しい瞬間を次々に手にいれるために流れていく。」黒いあげは より
    生きていくための力に満ちた本でした。

  • 13のお話からなる短編集。
    いちばん好きだったのは「おやじの味」という短編で、私も何度も主人公と同じことで悩んだことがあるので、私だけが悩んでいる訳じゃないのかと救われた気持ちになりました。どれだけ多くの人が同じように安心したのだろうと思いました。
    80年代後半「ばなな現象」と呼ばれるブームがあったそうなのですが、若い女性を惹き付けるものは30年経っても変わらないのだなぁと思いました。

  • タイトルの通りに、体と心がいかに繋がっているのかが分かる短編集でした。
    体は全部知っているって良く言うけれど、本当に自分自身でも気付いてあげられない心のことを体はよく知っていると思います。
    女の人の心ってこんな風だよなあと思いながら 楽しめました
    吉本ばななさんの本はしんどくならずに、でも明るすぎることもなく、読めて楽しいです

  • すとん、と胸に落ちてくる、安堵感。
    どこか満ちたりないときに、また読みたい。

  • 短編集。
    読感がキモチ良い日本語に触れたくなったので、
    久しぶりにばななさんを手に取りました。

    冒頭の「みどりのゆび」が素敵。
    ばななさんの本を読んだあとは
    どうも、生活を丁寧に生きてみようという
    気持ちになります。

  • タイトルに惹かれて買いました。
    等身大の自分と向き合っていく話が多かったように思います。

    でも内面的なことだけじゃなくて、家族的な温かさや、孤独を背負う人たちに対する慈悲深さみたいに、外へと向かうものも感じられます。

    主人公の気分の浮き沈みが繊細な感性をもって描かれています。
    景色に投影される心理を見つめているような描写で、読んでいると心情に色彩が溢れるような気がしてきます。

    個人的には、時折女性の慈悲深さとか潔さみたいなものが見え隠れして、男である自分とはまったく違う世界を見ているようで、なんだか怖く感じるようでもありました。
    だからこそ、そういう想いをさせていたのか…とか、過去を振り返って考えたりも。それだけ、真に迫るものがあるのでしょう。

    読んでいると、淡々と、それでいて溌剌とした清涼感が感じられます。
    静かな山の湧水で手でも洗っているような、そんな感じ。

    何かに悩んでいたり、鬱屈とした想いを抱えているとき、読んでみるといい本だと思います。

  • いくつか光る短編が。
    吉本ばななは、辛いことを通ってから読むべきなのだろう。時には寄せてくるように、時には遠くをただように感じられる人のこころ、景色。淡々と起きるとんでもない出来事の影にそれらを見るためには、いちいちエロティックさにセンセーショナルに反応していてはしょうがない。

    でも、分からないなりにすごくきれいだし、乗り越える切なさ、寄りかかり合う人間模様が胸に迫る。
    さびしさとは。
    辛いことがあったときに読み直したい本。

    今のところのお気に入りはボート、ミイラ、サウンド・オブ・サイレンス、いいかげん、など。
    どれが、と思って読み返そうとすると、どれも結構隙なんだなあと思い出す。

  • ミイラ を読んだあと、心臓がバクバクしてました。
    後々までずっと小骨がのどにひっかかってるみたいでした。
    あの作品の集中力というか濃密さというか、異世界への吸引力みたいなものに、自分も巻き込まれたのかな・・・と思います。
    話の設定や展開は決して心地よいものではないけれど、インパクトのある作品でした。

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著者プロフィール

一九六四年東京都生まれ。日本大学藝術学部文芸学科卒業。八七年「キッチン」で海燕新人文学賞を受賞しデビュー。八九年『キッチン』『うたかた/サンクチュアリ』で芸術選奨文部大臣新人賞、同年『TUGUMI』で山本周五郎賞、九五年『アムリタ』で紫式部文学賞、二〇〇〇年『不倫と南米』でドゥマゴ文学賞を受賞。著作は三十カ国以上で翻訳出版されており、海外での受賞も多数。noteにてメルマガ『どくだみちゃん と ふしばな』を配信中。

「2020年 『嵐の前の静けさ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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