デッドエンドの思い出 (文春文庫)

  • 文藝春秋
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レビュー : 729
  • Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167667023

感想・レビュー・書評

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  • すごく辛いことがあって、もう二度と立ち上がれないかもしれない。そう思っても、悲しみが永遠に思えても、生きている限りいつかは乗り越えていけるんだろう。未来の自分から「絶対大丈夫だから」って励ましてもらえるような、そんな優しい本。

    • hetarebooksさん
      ぴちほわさん

      はじめまして。コメント&フォロー&花丸ありがとうございます♪雑食な本棚ですが気に入っていただけたら嬉しいです☆

      す...
      ぴちほわさん

      はじめまして。コメント&フォロー&花丸ありがとうございます♪雑食な本棚ですが気に入っていただけたら嬉しいです☆

      すごく気分が沈んでいたときに談話室でこの本を紹介してもらったのがきっかけだったのですが、読み進めるうちにすーっと気持ちが軽くなっていくようで救われたのを憶えています。

      文庫版も同じジャケットで素敵ですよね。音楽や本にはそのときの自分にとって誰の言葉よりも届く瞬間がありますね。

      今後とも素敵な音楽や本を教えていただけたら嬉しいです♪
      2014/09/29
  • せかせかとまわっていく日常のなかに、ほっこりとした物語と、さらにはその物語の中に、せかせかとまわっていく日常では気づけない、大切な、細やかな瞬間を感じたくて、手に取った。

    大切な人を改めて大切だと思わせてくれる描写と、日常的に溢れている何気ない幸せへの気づき、そして、誰かと別れることの、哀しさ。心にぽっかりと穴が空いたような。

    この作品は、その穴に、すっと、優しく入ってきて、包み込んでくれるような温かさがあります。
    誰かを失って、誰かと出会って、誰かの大切さに気づいて、わたしたちは生きてゆく。

    やはり表題作の「デッドエンドの思い出」が一番よかったです。
    一度受けたダメージから回復することって、ものすごく時間がかかることで、目を逸らしていた部分、自分の心の奥深くを見つめる作業でもある。
    そうやって、心を無防備にした瞬間に、人の優しさが、ふわっと、ぐっと、入ってくる。その優しさの質量は、前と変わらないはずなのに、ダメージを受けた心には、その何倍もの質量で、入ってくる。
    だんだんと満たされてゆく心が、大丈夫と思えること、今を大切にできるということ、自分を大切にできるということ。
    ずっと大切にしまっていた、素直な気持ちが現れてくる。
    そんな素直な気持ちで人や物と向き合っていくと、なんだか、どうにかこうにか生きていける気がしてくる。

  • H31.4.21 読了。

     「幽霊の家」と「デッドエンドの思い出」が良かった。
     よしもとばななさんの他の作品も読んでみたい。

    ・「そういう素直な感覚はとにかく親から絶対的に大切な何かをもらっている人の特徴なのだ。」
    ・「そうやって人の人生の、本当の意味での背景になるってなんてすごいことだろう、と私は感動したのだ。」
    ・「ゆっくり、ちょっとずつ。いつもの動き、いつもの流れで、ていねいに。そしてそれはおばあさんのお母さんから、ずっと続いている暖かくて安心するやり方なのだろう。」
    ・「世の中には、人それぞれの数だけどん底の限界があるもん。俺や君の不幸なんて、比べ物にならないものがこの世にはたくさんあるし、そんなのを味わったら俺たちなんてぺしゃんこになって、すぐに死んでしまう。けっこう甘くて幸せなところにいるんだから。でもそれは恥ずかしいことじゃないから。」
    ・「自分がとらえたいものが、その人の世界なんだ、きっと。」
    ・「人の心の中にどれだけの宝が眠っているか、想像しようとすらしない人たちって、たくさんいるんだ。」

  • 人の縁って、出会いって、いいなぁ。
    夫婦になれたとか、家族になれたとかじゃなくて、自分の心の中の宝箱にそっとしまってある温かいもの。

    温かさという目に見えないものを、うまーく表現して、ほろっとさせてくれる素敵な本でした。
    そういう想い出を、いつまでも大事にしたいです。

  •  すごく大変なことが起きて、毎日寝る暇も惜しんで仕事をして。本なんて読む時間がないよ、でも短編なら合間に読めるかな、と思って。ずっとアマゾンの欲しい物リストに入れておいたこの本を買った。結局、たまたま時間ができて、すぐに最後まで読んでしまった。
     どの短編の登場人物も、つらい思いをして、普通ならとても耐えきれないと思うほどなのに、逃げながら、流されながら、受け止めていく。「俺や君の、不幸なんて、比べ物にならないものがこの世にはたくさんあるし、そんなの味わったら俺たちなんてぺしゃんこになって、すぐに死んでしまう。けっこう甘くて幸せなところにいるんだから。それは恥ずかしいことじゃないから(デッドエンドの思い出)」
     私はよしもとばななさんの作品は数える程しか読んでいないし、代表作もまったく手つかずなので、こういう言い方はおこがましいのかもしれないけれど、このかたの作品は、悲しみの深層をえぐりながら、それをいつも柔らかく救ってくれる。淡々を悲しい事実を綴る小説はある、いくらでもある。私が読んだよしもとさんの作品は、悲しみ、つらさを心の奥底からすべて引っ張り出しているのに、それを入れた器は透明であたたかく愛に満ちている。そういう文章にいつも、私は穏やかな息を吐いて最後の頁を閉じる。こういう小説が世の中にあるというのは、ありがたいことだ、と思うのである。

  • <感想>
    ずっと気になっていた「よしもとばなな」さんの作品。
    作者の代表作とのことで購入、読了。

    うーん、何だろうこの読後感…
    切ないようで、でもちょっと何か心温まるものがあって…
    今までココまで感想がまとめにくかった小説も無いように思う。
    ただ、何となくもやもやするこの雰囲気がこの作品の良さでもあるように思う。
    よしもとばななさんの本って、こんな感じなのかな?

    個人的には「おかあさーん!」が一番印象に残った。
    自分のことだけに精一杯になる主人公の気持ち、痛い程良く分かる。
    辛い経験を乗り越え、ひと回り大きくなった笹原さんの気遣い。
    世知辛い世の中だけれど、こういう風に他人を救おうとしてくれる人もいるのかなと、希望を持たせてくれる。
    人生をもう少しのんびりと、楽しみながら進んでいって良いのだと思わせてくれる、そんな作品。

    もう少し色々な経験をした後で再読したら、また感じ方が変わるかもしれない。

    <印象に残った言葉>
    ・で、あると思うともう、したいという考えがどうにも止まらないんだけど、でも、もうすぐ日本からいなくなってしまうから、悲しくなりたくないという気持ちもあったりする。(P39、岩倉)

    ・思春期でまわりが恋愛一色の時も、勤めはじめてまわりが結婚一色になった時も、私はずっと自分の内面だけに没頭し、それを守ってきたような気がした。心のどこかでは、みんながうらやましかった。浮ついたことが好きな人たちは、きっと無駄にしてもいいような愛情に無頓着になってよかった人たちに違いない、と私は思っていた。(P88、松岡)

    ・私は子どもみたいに自分のことで頭がいっぱいで自分をまきちらしていただけだったが、会社にはいやな人がいるぶん、こうやってちゃんと人を見て、負担にならないように助けてくれようとする人もいる。あの、神経質でいつもいらいらしていた笹本さんが、死にかけて、生き返って、にこにこして優しい目で私を見ている。その私も死にかけて、運良くまだここにいて、こうしてその優しさに触れている。その全体が、何かすばらしい奇跡のように思えたのだ。(P107、松岡)

    ・ひさしぶりの自分の部屋はほこりっぽくて、少しのどが痛かったので、私は窓を開けて空気を入れ換えた。新鮮な空気がさあっと部屋をめぐり、暗い窓から見上げる空にはたくさんの星が輝いていた。わあ、きれいだ、と私は思った。肺の中にきれいな空気がいっぱいに入ってきて、体中が冷たく神聖な感じになった。不安な考えに満たされそうになったのは、きっと空気が悪かったせいだわ、と私は思った。(P124、松岡)

    <内容(「Amazon」より)>
    これまで書いた自分の作品の中で、いちばん好きです。これが書けたので、小説家になってよかったと思いました。――著者自らそう語る最高傑作!
    「幸せってどういう感じなの?」婚約者に手ひどく裏切られた私は、子供のころ虐待を受けたと騒がれ、今は「袋小路」という飲食店で雇われ店長をしている西山君に、ふと、尋ねた……(「デッドエンドの思い出」)。
    つらくて、どれほど切なくても、幸せはふいに訪れる。かけがえのない祝福の瞬間を鮮やかに描き、心の中の宝物を蘇らせてくれる珠玉の短篇集。
    ほかに「幽霊の家」「おかあさーん! 」「あったかくなんかない」「ともちゃんの幸せ」の4篇収録。つらく切ないラブストーリー集。

  • 心に傷を負った時、無理に治そうとするのではなく、見ないふりをするのではなく、ただ一緒に回復を待ってくれる人がいれば、どれだけ支えになるだろう。
    この本は、そういう本。

    とても透明で、すこぶる柔軟で、暖かい心を持った人がいる。
    育ちがいい、というか、育てられ方がいい、というか、極めて自然に人のために動くことができる人がいる。
    直接問題が解決するわけではなくても、その人がそばにいてくれたら、イケそうな気がしてくる自分がいる。

    この本が人気なのは、そういうことなのではないかと思う。

    作者は、出産を一か月後に控えて書いた表題作を「これが書けたので、小説家になってよかったと思いました。」とあとがきに書いているが、私は『「おかあさーん!」』を読んで、彼女が小説家になってくれてよかったと思った。
    朝、仕事を始める直前まで読んでいたら、目が真っ赤になってしまって大変困ったけれども。

    “おかげで私は、中途半端に体の具合が悪くなるということはどれほどたちの悪いことか、身をもって思い知った。ずっと微熱の続く風邪のようなもので、起きていられないわけでも、働けないわけでも、笑ったり泣いたりできないわけでもなかった。ただいつでも、だるくて、頭の中がしびれているような感じだった。だから、何をどうしたらいいなんて何にも考えられなかった。ただ、頭がはっきりするまでをしのいでいただけだったのだということもわかった。”(「おかあさーん!」)

    そう。ただだるいだけ。気力がわかないだけ。
    自分の心がどれほど小さく固く凝りかたまっているのか気がつかなかったころ、私もそう思っていた。
    すぐ治るはず。大したことない。
    でも、実は自分がものすごく我慢をしていたことに気づいたとき、少し息をすることが楽になった。
    そんなことを思い出した。

    “それは神と呼ぶにはあまりにもちっぽけな力しか持たないまなざしが、いつでもともちゃんを見ていた。熱い情も涙も応援もなかったが、ただ透明に、ともちゃんを見て、ともちゃんが何か大切なものをこつこつと貯金していくのをじっと見ていた。”(ともちゃんの幸せ)

    見ていてくれるなら、それだけでいいと思う。
    見ていてくれるなら。

    作者の考える幸せの情景って、部屋でマンガを読むのび太とドラえもんなんですって。
    なのでこの本は、藤子・F・不二雄先生に捧げられています。

  • タイトルと表紙が印象的でずっと気になっていて久しぶりによしもとばなな読むかって思ったので購入。
    失恋の話を中心に様々な物語が詰まった短編集。
    その内容はとても良かった。
    いつも通り淡々と進むこの作家の物語で期待していた雰囲気を味わうことができた。
    淡々と温度が低い状態で物語が進んでいくのである日急に風景描写が思い出されることがこの人の文章のすごいところだと思う。
    短編でもどの物語もゆっくりと心に突き刺さっていくようで本当に印象的だった。
    短編の中でも比較的長い『幽霊の家』『おかあさーん!』『デッドエンドの思い出』あたりはとても印象に残った。
    秋という季節は自分にとって本当に特別な季節でそんなときにこの本を読めてよかったと思う。
    作中何度かドラえもんのエピソードが出てきてなんだろと思っていたら藤子不二雄に捧ぐって冒頭に書いてあるね。
    幸せというのはのび太とドラえもんが部屋で漫画を読んでいる時間とか関係性のことを言うのだというエピソードと心がほかほかするという表現が好き。

  • 数あるばななさんの著書の中で、私が一番好きな本です。

    ばななさんの文章を読んでいると、種類の分からない涙がぼろぼろ落ちることがよくあって
    心置きなく泣いたらすっきりしています。浄化、だと思う。

    お守りみたいに思っている本です。

  • 本を読んだあと心に残るもの、とか言えば何とも小学生の感想文のようだけど、それこそが甘い甘い読書の「蜜」だと僕は思う。それは小説によって色も触感も匂いも温度も違うし、僕なんかはこうして何とか文章に残したいと思うけど、言葉で表現することが何よりもむずかしい抽象的なものであって、でもそのあいまいさこそが、読書の普遍的なよさでもある、というのは僕の勝手な思想であります。
    でもだからこそ(いつも)不思議に思うのは、ある小説を読むと言うこと、それはその小説の舞台、主人公の性格、状況はいつも決まっていて、読みはじめたら(というか作品が読まれる状態で存在する時点で)揺らぐことがない、どこまでも具体性に満ちた世界に飛びこんでいくことであるのに、その世界を突きぬけた僕の心には、あいまいで抽象的、かつ普遍的な「蜜」の味が残っているということだ(一つの小説を読み終わって、別のを読むとき、何となくそれを億劫に感じる理由の一つかもしれない)。
    そんなことを、この本を読んでまた強く感じた。
    ……短編集だからなおさらかなあ。
    それぞれ違う話で、それぞれ違う「蜜」なんだけど、ぜんぶが最後の「デッドエンドの思い出」のいちょう並木につながっていくような。不思議な感覚なんだけど、それがまたばななマジックっていうか。女性的というか、母性的?みたいな(もはや自分でも何言ってるかわからん)。とにもかくにも、最終的に短編集としてのこの作品の「蜜」に、物語の展開や、描写や、言葉選びに、読む人の心をまるごと包み込むような優しさを感じるのです。それで僕は、昼休みの社員食堂にも関わらず、目を赤くしちゃったんだろうなあと思います。

    「みんな、とりあえず形のとおりにふるまっているだけで、本当はそこの奥にあるすてきなものをお互いに交換しあっているのかもしれないと私は思った。……私はその日、……何ともならないおかしな道に沈んで行きそうだった自分が、不条理でいつ死んでもおかしくない、この不確かな世の中の仕組みの中でかろうじて働く、人間というもののよさに、大きく救い出されたような気がしたのだ。」(p.101)

    家族とか、恋とか、別れとか、幸せとか、絶望しても生きていくうえでとても大事な要素のこと(とくに人と人のつながりについて)をたくさん書いてくれていて、たぶんこれを書いたのがばなな氏にとってもそういうことを一生懸命考えた時期なんだろうなあと言うのはあとがきを読まなくてもわかる。こういう本に救われる人はけして少なくないはずだ。もちろん僕も、その一人なのですがね。

  • よしもとばなな(現・吉本ばなな)さんの「デッドエンドの思い出」の評価が高く、買ったはいいものの長らく積み本にしていました。すみません!
    じっくり時間をかけて読みましたが、最後の表題作「デッドエンドの思い出」のタイトルに込められた思いが……すごく、胸にくる。文庫本を閉じ、私の「デッドエンドの思い出」はどんな思い出だろうと考える。もしかしたら、この先の未来に、私の「デッドエンドの思い出」はあるのかもしれない。

  • 切なさが苦しくて、でも痛いようにわかる
    「おかあさーん!」「あったかくなんかない」「デッドエンドの思い出」がとてもよかった
    とにかく泣いた、、、涙で世界が歪んで読めなくなって思わず本を閉じた。

  • 久しぶりに小説を読んで泣きました。

    いくつかの物語があって、その全ての人たちが大切にしてるものがあって、それがすごく好きで好きで、心に染みて、その全てで泣いてしまったけど、デッドエンドの思い出はちょっと別でした。

    細かい設定とか重さは違えども、ミミちゃんがあたしと少し重なって、心ですごく応援しながら、納得しながら、共感しながら、暖かく想いながら読みました。

    心の中にある宝石。
    見失うし、自信なんてすぐに無くなるし、自分自身が大切にしないといけないのに、すぐ出来なくなっちゃって、曇ってしまう。

    だからやっぱり人はヒトリだけども、ヒトリでは生きていけなくて、だからこそ全部が大切で丁寧に生きていかなければならないのだろうな。

    すぐに忘れてしまうのだけど、忘れずにいたいと思います。

  • ことばで、言い表せないこと。

    こまごました素敵なものたち

    景色、空気。


    そして心の奥底に潜む、
    暗くて不穏なドロドロした
    なにか。

    それらの対比がすばらしい


    感覚が研ぎ澄まされた、
    そんな人が書けるんだろうなぁ

    小さな宝物にしたくなる、そんな本です。

  • こういうのは、丁寧にゆっくり読まなくちゃ。
    生きてくってことが、胸の奥底にすっと溶けていくような物語集。

  • 登場人物に共通する、高潔なたましいがじわじわ効いてくる。
    なにかを失ったとき、誰かのせいにしたり恨むのではなくじっと静かに、自分を鼓舞する方法をさがす人々が描かれ、限りなくやさしく美しい風景に心が安らいだ。

  • 切ないけど切ないだけじゃなくて、ハッピーエンドじゃないけどあたたかいお話たち。
    幽霊の家 と「おかあさーん!」がすき。


    意識しない気遣いで相手を温かくするひとたちのお話。
    慰めてあげよう、とか何かしてあげよう、とかじゃなくて
    なんとなくそこにいるだけで包んであげられるような。


    辛くて苦しくてどうしようもない時だって、
    人間はちょっとやそっとじゃどうにもならない。
    どうにでもなってしまえと思うときだって
    気付いたら私たちはやっぱり生きていて、よくわからない何か、意志を多分持たない何かに生かされていて、
    そして、いつしか少しだけ前を向いて少しだけ笑っている。

  • 入院中に院内文庫にあったので、手にとって見た。
    ショートショート風で、どのストーリーも切ない。
    でもあったかい。

    しっとりした内容ばかりですが、あとを引いて、また読みたいなぁ~・・・と思わせるところは、さすが、よしもとばななさんです。

    『幽霊の家』がとにかく好きで、他の話も印象に残りすぎていて、文庫本を買いました。とにかくお気に入りの1冊です。
    よしもとばななさんの本の中で、一番好きかも♪

  • ・幽霊の家
    「そういう素直な感覚は、とにかく親から絶対的に大切な何かをもらっている人の特徴なのだ。」
    「星の綺麗な夜で、氷のように月がとがっていた。」

  • 5つの短編ありますが、どの物語も主人公が人生の穴にすっぽりはまってしまったり、過去のトラウマを抱えていたりする状態からのスタートです。彼女たちと自分の感情が溶け合って辛くなる人もいるかもしれません。でもみんな最後には希望を見出して終わります。
    大切なものを無くして落ち込んでいる人や、頑張りすぎて元気なくなっている人に読んでもらいたいです。きっと一緒に涙してすっきりできると思います。

  • 辛い時に読んだらすごく、救われる思いになりそうな物語だった。今回も良かった。

  • 愛すること愛されること愛したこと
    たくさんの愛の形を見れるし、
    ほっこりも悲しみも詰まってる

  • 「デッドエンドの思い出」
    主人公が婚約者から連絡なかったからの破局。急展開で、エモい。西山君が良い感じ。涙脆いとこも

  • 日常を柔らかく包み込む包容感の1冊
    今日もどこかにありそうな事件、ハプニングに見舞われた主人公が地に足つけて前向きになろうとする
    つらい時に読んだら元気もらえそう

  • 日常の何でもない瞬間に宿る幸せ、祝福のようなかけがえのない時間。そんな時間を作者独特の、優しい言葉で描く5つの短編。
    ばななさんの作品に出てくる女性はいつもまっとうで、一見弱そうに見えて、実は強い。
    母親に棄てられたり、いとこにレイプされたり、毒を盛られたり、婚約者に裏切られたり、大変な目にあっているのに、どの主人公もまっとうに生きているのがいいな。
    そのまっとうさゆえに、辛かったり、哀しかったり、傷ついたりするのだけれど、生きていくうえで大切な瞬間に気づき、未来へ希望をつなぐ感じが心地良い。
    哀しみや辛さから目を逸らさず、自分の中に落とし込み、そうして前に向かって進んでいく彼女らをみると、静かな力が湧いてくるのだ。

  • 私なら簡単に絶望するであろう出来事を、丁寧に丁寧に悲しんでいるがゆえに、とっても重たい。




    「何かがひとつ違っていたら、いい感じでおつきあいできたかもしれなかったのに、もう会うこともないのだと思うと、涙が止まらなかった。」

    「ほんとうは別のかたちでいっしょに過ごせたかもしれないのに、どうしてだかうまくいかなかった人たち。(中略)この世の中に、あの会いかたで出会ってしまったがゆえに、私とその人たちはどうやってもうまくいかなかった。」

  • みんな生きてる。
    ほんとうに色んな気持ちを持ちながら。

    〝最低の設定の中で、その時私は最高の幸せの中にいた〟

    どんな状況にあっても、その中にある自分だけの幸せを見つけられるか。感じられるか。
    周りの大切な人を大切にできるか。
    大好きな人たちに会いたくなった。

    大切にしたい人、言葉、きもち。
    そんなのがぽわんと浮かんでくる小説でした。

  • キッチンの後に続けて読んだ作品。
    人間誰しも抱えているであろう「どうしようもないもの」を埋め込んだまま生きている主人公たちが経験する、恋愛ストーリー短編集。「それでもどうにか、やっぱり生きていく」というテーマはキッチンと共通するところがあったな。

    好きだったのは、以下3つ。

    ●幽霊の家:
    わかるなぁ、この主人公のたどり着いた結論!と思ってしまった。単純に、ストーリーが好きだった話。うらやましいと思うくらい。描かれているのは恋人でもない、友人でもない、微妙な距離感なのに、刺激というよりあったかい!
    若いときは、それこそ身体全身で好きだって表現したり、繋がりあうことが大切に思えて、そして同時に、それは確かに大事。
    でも、ただ何となく一緒にケーキを食べたり、洗濯物を干しながら話をしたり、今日なに食べようかと相談したり。そんな時間を愛しいと思えるようになることも、悪くないもんだよ。

    ●おかあさーん!
    これは、ストーリーが好きだったとかそういう事よりも、自分と重なってしまった部分が強くて。心臓つかまれた。
    どうしようもないの、埋め込まれちゃったもの。気付かないふりも、生きてく上で必要でしょ。それも含めて生きるってことでしょ。とまぁ、そんなことをセンチメンタルに考えてしまったわ。
    結局どうしようもないものに向き合うのは私だから、ありのままの私を受け止めてとかそういう単純な話じゃないんですよということを上手く伝えてくれた。

    ●デッドエンドの思い出
    ストーリーもいいなぁともちろん思ったけれど、この1フレーズで思わず泣いてしまった。自分でもびっくり。

    「誰にも何にも期待してなくて、何も目指してなかったから、たまたますごくうまく輝いてしまった日々だった。」

    こういう日々が一番かけがえがなくて、その輝きを作ってくれた出会いは本当に貴重で、一番辛いのはいつも気が付くときには過ぎ去ってしまってること。
    こういう日々があるから、生きてけるわ。


    ということで、またまたあたたかい気持ちをありがとう、よしもとばななさん。でした。

  • 高校生の頃、この本を借りようか借りまいか、図書室の書棚の前で迷っていた。その話を授業の合間に廊下で友達にしたら、通りかかった現文担当の女性教師が「あなたにはまだ早いかも知れないけど、いつか読んでみて」なんてことを言って、私の返答を聞かずに通り過ぎて行った。あの女性教師と、授業以外のことを話した記憶は他にない。
    まだ早いという言葉が引っかかってしまい、結局借りないまま卒業してしまった。十年近く経って、たまたま図書館で借りれる機会があった。

    物語というものは、自分にとって相応しい瞬間にやってくるのだと思う。読んでみて、この歳になってから読んで良かったと思えた。
    けれども、もしかしたらあの時の自分も、この物語たちを求めていたのかもしれない。そのことに気付くと、高校生だった自分と、結局本質的なところは何も変わっていないのだと思った。
    こんな抽象的なことしかレビューに書けないのは、読んでいる間はとても満たされた思いがするのに、読み終わった途端に物語たちがさよならしてしまうからかもしれない。この感覚は、江國香織を読んだ時と似ている。
    そして、僅かながら残ったその「余韻」のかけらの中から、私という存在が少しずつ見えてくる。
    物語そのものを考えるのではない、「今の私は、幸せ?」と、物語から問われているのだ。
    その問いに答えるべく、本を閉じた私はそっと、自分の置かれた現状を考える。

  • 平穏無事に終わる物語は一つもなくて。
    でもハラハラドキドキの連続でもなくて。
    ゆるやかな日常の中にある異変という感じがする。

    「幽霊の家」が一番印象に残った。
    生き方のベクトルが違っても分かり合える二人になりたいと思う。

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著者プロフィール

吉本ばなな(本名:吉本 真秀子 よしもと まほこ、旧筆名:よしもと ばなな)
1964年、東京都生まれの作家。日本大学芸術学部文芸学科卒業。卒業制作の「ムーンライト・シャドウ」が日大芸術学部長賞を受賞。また「キッチン」で第6回海燕新人文学賞を受賞、デビュー作となる。
1989年『TUGUMI』で山本周五郎賞を受賞。1996年イタリアのフェンディッシメ文学賞(35歳以下部門)、1999年イタリアのマスケラダルジェント賞文学部門を受賞。2000年『不倫と南米』でBunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞。その他代表作に、映画化された『アルゼンチンババア』などがある。
海外での評価が高く、著作が多くの国で翻訳されてきた。

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