送り火 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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レビュー : 149
  • Amazon.co.jp ・本 (415ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167669041

感想・レビュー・書評

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  • 架空の私鉄沿線「富士見線」を囲んで展開される、ときどき怖くてときどき悲しく、そしてときどき温かい人生劇場が9本。ここには孤独なオジサンがいる、女性フリーライターがいる、子どもを亡くした夫婦がいる、神経をすり減らす主婦がいる、超能力を持つ駅員とイジメに悩む小学生がいる、パンク音楽にあこがれていた中年がいる、親子の絆を喪った女性がいる、離婚秒読みなサラリーマンと地縛霊がいる、そして人生の終わりを見つめる女性がいる??どの話も全く異なったカラーで、人生の様々な局面を味わえる。万華鏡のような逸品だ。

  • 泣けました。家族の、ちょっとした軋轢や、空回りするコミュニケーションなど
    描写や状況構築が上手で、また重松さんがよくテーマにするものが、今作のすべてにおいて描かれていますけれど、そこに、超自然的なものが付加されて、すなわち、超常現象とか心霊現象とかそういうものなのですが、そういったものがとても効果的に、現実では埋まらない溝を埋めたり、崖をわたる橋になっていたりする役目をしています。きっと重松さんには、人がなかなか言葉にできない、うっすらとした夢というか願望というか祈念というか、現実の世界に長く忙しく暮らして、世知辛い目に合って捨てていった「幸福な夢想」というものをしっかりとらえることができる人なんだと思います。

  • 全9編からなる重松さんの短編集です。短編なのに不覚にも、じんわり泣き、心温かい読了感。
    TUTAYAの売り場で店員作の「ふきだし」に心引かれ読みました。

    私的には、
    「かげぜん」
    「送り火」
    「もういくつ寝ると」
    が良かった。

    1編毎に丁寧に温かい、重松さんらしい読み心地です。

    伊坂さんだと、この9編を巧妙にリンクさせるかもしれませんが、重松さんは軸だけ通し全く別な話しに切り分けています。なんか「家庭の数だけ物語がある」と言ってる気がします。

    TUTAYAの罠に、みごとに捕まった私ですが、大当たりでした。

  • 9編の短編小説ですが、舞台はすべて鉄道の「富士見線」。
    これらの小説の主人公は若い人から老人まで幅広い年齢層です。
    描かれているのは それぞれの「人生」。
    重松氏が私と年齢が近いので、どの作品も非常に共感を持てます。
    何箇所か蛍光ペンで線を引きたくなりました。

    文章も非常に丁寧で すごく素直に話に入れます。
    この本もずっと手元に置いていたい一冊です。

  • 月並みな感想だけれど・・・笑
    家族だったり、自分だったりを、大切にしようと素直に思える物語でした。

  • 時々、霊的なものも出ちゃったりするけど、基本的には家族って大事だよねぇ?と思える切なくも暖かい話。
    重松さんの描く家族って懐かしい日本って感じがして、こんな風に家族を思い続けたいと思える。

  • 短編なのにあっという間にぐいぐい引き込まれ、ものすごい読み応え。<よーそろ>のムラさんのブログが心に響く。何度も読み返したい。

  • 久しぶりの重松清。この人が書くホラーテイストの話は初めて読んだ。人を見る観察眼が鋭い人が書くと、ホラーは一段と怖い。一見すると理解出来そうだが、ギリギリのところでやはり気狂いじみている境界線をうまく描き、そしてやはりそれは恐怖以外の何物でもない。この人は、長編よりも短編集の方が輝く作家さんのように思える。色々な感情の起伏を味わえる一冊。

  • 2017.2.10読了

  • 先日、盂蘭盆会に行った後に手にした本である。

    重松氏の小説は、昭和30年代のほのぼのした小説が、多い中、最初の『フジミ奇譚」は、化け猫?的なんだけど、いい意味の妖怪が、描かれて、ビックリした。

    それも富士見として、不死身に変換されてから描いたと、、、書かれてあった。

    『かげぜん』も、子供が、亡くなってから届く、ダイレクトメール。
    本当だと、嬉しいメールが、悲しみ一杯にの所に水を差すように、冷たく感じるメールとなる。


    「昔の親は、家族の幸せを思う時、なぜか自分自身は、感情に入ってなかったんだよねぇー」という言葉は、やはり、昭和30年代の以前の人たちが、思っていたことだろうと、思う。

    自分の食べ物も、家族が、笑って食べるのを見るのが、幸せと、感じた親が、多かった。

    着物にしても、ほどいて、洗って、子供用に仕立てて、そして、布団のカバーにしたり鏡台の覆いにしたり、袋物になって、消滅していくように、親も、子供たちへ一杯の愛情をこめて育てていた風景が、重松氏の描く小説に、描かれているように思えた。

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著者プロフィール

重松 清(しげまつ きよし)。1963年、岡山県生まれの小説家。早稲田大学教育学部卒業。
出版社勤務を経て、フリーライターとして独立。ドラマ・映画のノベライズなどを手がけたのち、1991年『ビフォア・ラン』で小説家デビュー。
1999年『エイジ』で山本周五郎賞、2000年『ビタミンF』で直木賞、2002年『流星ワゴン』で「本の雑誌年間ベスト1」、2010年『十字架』で吉川英治文学賞、2014年『ゼツメツ少年』で毎日出版文化賞をそれぞれ受賞。
山本周五郎賞、講談社ノンフィクション賞選考委員を務める。2017年、早稲田大学文化構想学部客員教授に就任。
『とんび』、『青い鳥』、『流星ワゴン』をはじめ、多くの代表作がドラマ化、映画化されている。

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