- 文藝春秋 (2013年3月8日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (432ページ) / ISBN・EAN: 9784167669133
作品紹介・あらすじ
時は、人の悲しみを越えてゆく
幼い息子を喪った父。〈その日〉をまえにした母に寄り添う少女。日本の美しい風景のなか、生と死がこだまする、ふたりの巡礼の旅。
みんなの感想まとめ
人の悲しみと向き合う巡礼の旅が描かれた作品は、深い喪失感をテーマにしています。幼い息子を失った父と、その父に寄り添う少女の物語は、読者にとっても共感を呼び起こす要素が満載です。特に、著者の経験が色濃く...
感想・レビュー・書評
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少し重めの話でしたが、楽しめました。重松清らしさは出ていました!
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著者は東日本大震災の被災地をみて喪失たるものを知ったようだ。それまで「喪失感」しかわからなかったと。大切な人が亡くなる。それは遺されたものの一部も亡くなるということだ。私自身、昨年父が亡くなってから、なにかを「失う」実感と共に常に死を意識するようになった。そのため自然と、この作品が始終向き合っている喪失に心を寄せることができた。優しさは悲しみから生まれてくるような気もする。そう思って読み進めていると、同じようなことを話す登場人物がいたのでうれしくなった。流氷や築地松、与那国島の風景も目の前に広がる。心象風景がそこかしこにある。喪失をしずかに埋めるための旅をしている気持ちになれた。
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泣きながら読んでしまった
亡き者への想い
人によって様々だ
憎むこともないかと・・・思った
けど
そう容易く割り切れない気持ちがある
重松さん、とても素敵な文章を書く方なんだな
他の作品も読んでみよう -
幼い子を亡くした親と、これから親を亡くす子が交叉する物語でした。
雲が空を流れるように、旅をし、流離い、日本各地の景色を目にします。さまざまな人と出会い、別れます。
あとがきで重松さんは、「「忘れる」のでも「乗り越える」のでもない、喪失感との折り合いのつけ方を探ってみたかった」と述べています。
本当に大きな喪失を前に、人は忘れることも乗り越えることもできず、ただ立ち尽くす・・・けど、生きなくてはいけない。その闇の深さに慄きます。
喪失が大きい程、その人の時間というのは止まってしまうんですよね。だからこそ、旅が題材に選ばれてるのがすごく自然に感じました。
なぜなら、人も水と同じで、止まっていたら澱んでしまうと私は思っていて、喪失体験で時間が止まってしまうなら、自分からあえて働きかけて、時間を動かさないといけないと思っているから。そして、旅はそのきっかけになると思っているから。
圧倒的な景色と人との出会いは、人を癒すんですよね。
この本は、天気でいうと曇り空です。そう、曇天。
それが、すごくほっとします。明日香たちの曇天の掛け合いのシーンが好き。
水滴が大地に染み込むような、心の奥に届く言葉がいくつもありました。それに、振り返ってみると頭に浮かぶ美しい映像も。
どんなことがあっても時間はちゃんと流れている、ということにふと救われる気がします。誰のせいにもできないことは辛いけど、人は、ちゃんと前に進めるんだと思わせてくれる1冊でした。 -
人は絶対死ぬ。大切な人、憎んでる人、無関心な人必ず死ぬ。他人の心の奥は誰も知らない。前を向いて自分の意思で歩いていくことが一番他人の心のそばに近くなることだと感じた。ありがとうございました。
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1回目の誕生日を迎えたばかりの息子を亡くした父親と、母親を亡くそうとしている娘の旅。
話はシリアスで重いものだった。
でも最後に希望の光を見いだすことができた。
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失ったモノ、、、命は、決して戻ってこない。
その温かさを感じること、声を聞くことができない。
わかってはいる。わかっているけれど、どうしょうもなく求めてしまう。
その思いにどう向かうのか。
誰もが必ず出遇うコトをわかっているのに、
その時が来るまでその大切さを真にわからない。
だから、であって欲しい一冊。
そして、思うことがある。
最期の時を選ぶことができたら
それは人生の最高の幸せなんだろうと思う。
最後に、この一冊を読む機会をそっとくれた君の優しさに出逢えたことを嬉しく思う。 -
生きること、死ぬこと。出会いと別れ。旅をしながら自分の体験を受容していく主人公とその娘。
土地土地の風景や祭りなどがちりばめられ、また行きたいところが増えてしまいました。奥尻島、知床、ハワイ島、出雲、阿蘇、与那国島、島原・・・。
「ほんとうかどうかではなく、そうであってほしいと思うことを「信じる」と呼べばいい」
最初は暗いし退屈・・と思ってなかなか読み進めなかったけど、後半は一気に読んでしまった。
奈良の柳井さんというおばちゃんが最高にすてき。 -
幼すぎる我が子を失った父親と、もうすぐたった一人の母親を失ってしまう少女の、巡礼の旅の物語です。
主人公はたった一歳だった幼い息子を亡くした父親。とあるきっかけから一度目の結婚の時に分かれた妻が連れて出ていった娘と共に、時折旅に出る。東北の恐山、北海道の奥尻島、北海道の知床…それらは亡くなった息子を悼む旅であり、そこで亡くなった誰かを悼む旅であり、がんに侵されてもう長くない母親と向き合う娘とめぐる巡礼の旅。旅先で出会う人もまた、大切な誰かを失った人々だった。彼らや彼女らの在り方を見て、感じて、己もまた自分の在り方を見つめていく。旅の終わりは、同時に別の旅路へと続いていく。
じんわりと染み出すような感情が見える、深く静かな何かを描き出すような物語でした。一言で言うなら、旅の物語。旅先で色々な景色を見て、いろいろな人と出会って、一瞬の邂逅の中で何かに触れて、何かを掴んでは、別れる。人生という大きな旅の中で、誰かを想ってする旅はまた一つ違う意味を持っているような気がします。亡くした息子を悼む旅でもあり、息子を亡くした己を納得させる旅でもあり、娘と父親になりそこなった少女を見守る旅でもあり、一人の人生の終わりにそっと寄り添うための旅でもある。大切な人を亡くす前と、亡くした後では、同じ人生を歩くことはできないのだなとしみじみ感じるような物語でした。
今までいたはずの誰かがいないという形で、いる。それは自分の中に影を残すという意味でも、本当にそうだと思います。
気になるのは、今後の娘の飛鳥のこと。いくらしっかりしているとはいえ、まだ未成年で未発達の少女に、こんなにも早くこんなにも多くのことを背負わせてしまっていいのだろうかと苦しくなります。彼女にも、落ち着いて心と翼を休めることのできる居場所を見つけてあげて欲しいものです。 -
20251119
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思ったことは言葉にし、感じたままを態度に表し、聞きたくない時にはシャットアウトする明日香。現実にはここまで洞察が出来て大人びた物言いをする16歳は稀だと想像するも、私達大人(親)が無意識に発する何気ない言葉や態度の裏にある真理を鋭く突いていてドキッとする。
理不尽な死、大切な人の命を奪われた後、残された人々がどうやって自らを再生していくのか。明日香のストレートな感性を通して悲しみと絶望で鉛のように固く重かった心が少しずつ柔らかくなっていくような読後感だった。
「悲しい思いをした人は優しくなれる」
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ちょっと苦手な方の重松清。
喪の仕事の話だがあまりピンとこなかった。
身近な人を亡くした人には刺さるのかもしれない。 -
死について考えたときに出会った本。とても重い。
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息子を亡くした父親と病気で余命短い離婚した妻と一緒に住む娘が旅をするお話です。
死というものが絡んでくるお話なのでちょっと重めです。 -
子供を突然の病気で失った親の心情がとても丁寧に描写されていました。主人公以外は皆達観しており、主人公だけが苦しみもがいている感じですが、主人公の気持ちが余計にリアルに思えます。ハッピーエンドになりようがない話ですが、最後はもうちょっとほっこりさせてもらいたかったなあと思いました。
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愛する人を亡くした時、その喪失感とどう向き合うのかどう鎮魂するのか。後悔ばかりしてしまうけれどどうすれば良いのか。答えはやっぱりない。
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「ああ、でも、そうかもね。乗り越えるのは一瞬でもできることだけど、慣れるっていうのは、地道に毎日生きていかなきゃ、どうしてもできないことだから」
あなたの10年間も、長い長い旅だったんじゃないのかー。
大切なことは、ずいぶん後になってから気づくもの。 -
「怪我や病気を治す、つまり命を救う医者と、痛みや苦しみを取り除いて安らかに命を閉じさせる医者とでは、求められる役割が違うのだろう」
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大事な人と永遠に別れることになってしまった人々を、色々な視点から描写する物語。主人公のセキネさんは最愛の子供を亡くし、その罪に妻と共に苛まれていた中で、前妻の子供と色々旅をすることで、最愛の人を忘れるのではなく、よい距離感で想いを感じることが大事なのだと思わせられていく。こころにすっーと入る、よいはなし。
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言葉選びが好き。
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