蒼龍 (文春文庫 や 29-3)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 405
感想 : 35
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  • Amazon.co.jp ・本 (361ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167670030

感想・レビュー・書評

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  • ☆4つ。 とても洗練された読みでのある作品達だと思います。 読む程に聞いたこ事ない言葉がそこここに出てきて調べながらでないと読み進むことができません。 エンタメ作品だとそのようなことが少々あってもガシガシ先に進んでいけば最後は、ああ面白かった、で落ち着きますがこの純文学作品ではそうは問屋がおろさない。 途中で何度も居眠りしていました、わたしw。 というわけで、読んで大変意義のある作家さんだとは思うのですが次作へが延びることはちょっと先でしょう。もっとエンタメ色の濃い作品もきっとあるのでしょうけど。

  • 表題作の『蒼龍』含む5つの短編が収録。いずれも江戸時代を生きる市井の職人、商人、武士たちが主人公。
    読者に想像させる大胆な終わり方が印象的。

    『のぼりうなぎ』・・・職人が大店の手代に転職して四苦八苦する話。現代でもありそうな話である。
    『筋わかれ』・・・現代のビジネスでも通じそうな、商人の話。
    『菜の花のかんざし』・・・個人的に一番好きかも。憎いところで話は終わる。人によっては消化不良かもしれないが。
    『長い串』・・・ラストのタイトル回収はお見事。
    『蒼龍』・・・落語の人情噺にありそうな物語。作者の遍歴も知って読むと、なお感慨深い。

  • 4.0
    山本一力の小説を初めて読んだけれど、なんとなく先が読めながらも感動できるので、好みなのかもしれない。次はあかね空を読む。

  • 人から大量に貰った本の中に入っていました。初めて読む作者ということもあってか、とても読みづらく苦戦してやっと状況が把握してきたところで終わるという短編集でした。

    でも慣れている方にとっては面白いんだと思います。この作者の本がまだあるので糖分補給しながら読んでいきたいと思います。

  • 島田宿が重要な舞台となる「長い串」を所収。高知藩と掛川藩の関わりも伏線に。

  • (古本を購入)
    読み始めた(11月7日)~読み終わった(11月17日)

    『のぼりうなぎ』
    指物職人でありながら、大店の呉服屋、近江屋と手代となった弥助。あるじの久右衞門の来し方も気になったが、紆余曲折の後のこれからが気になり始めて短編が終わった。
    続編があるなら読みたい作品である。

    『節分かれ』
    どんな商売にも波がある。大波に備えて大きく変化が出来ることの大切さを感じる。

    『菜の花かんざし』
    武士の体面を保つことと家族の命を守ること。
    どちらが大切かは時代の流れによるものか?それとも変わらないものかを考えさせる作品だった。

    『長い串』
    変わったタイトルだなぁと思った最初。種明かしは最後に。

    『蒼龍』
    で、三度目の正直となるのか?

    一つ一つの作品は読み易くてとても優しい内容です。評価は★5つに相当かと思いますが、続編が出ることを期待して★3つです。

  • 2018.7.2(月)¥180(-2割引き)+税。
    2018.7.30(月)。

  • 良いですね。山本一力。
    上記のように最後の「蒼竜」を除いては2001年に発表された作品です。山本さんが「あかね雲」で直木賞を受賞したのが2001年ですので、ちょうどその頃の作品になります。
    一方「蒼竜」はデビュー作です。本人があとがきに書いているように、荒っぽさもありますが、新鮮な力も感じます。膨大な借金を背に新天地での活躍を狙う、自らの体験を時代小説に映した作品です。
    どの作品も時代小説らしいしっとりした情緒の中で、物語が悲惨にならずポジティブです。そして爽やかな読後感が得られます。そこが山本一力さんの魅力ですね。
    お勧めです。

  • 29年6月21日読了。

  • 短編集。
    えっ!?そこで終わり!?どうなるの!?みたいなところで終わるのが多い。「俺たちのたたかいはこれからだ!」みたいなのも。
    少なくとも「のぼりうなぎ」はもう少し先を見せてほしかったなあ。

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著者プロフィール

1948年高知市生まれ。都立世田谷工業高校卒。旅行代理店、広告制作会社、コピーライター、航空関連の商社勤務等を経て、97年「蒼龍」でオール讀物新人賞を受賞。2002年『あかね空』で直木賞を受賞。江戸の下町人情を得意とし、時代小説界を牽引する人気作家の一人。著書多数。

「2023年 『草笛の音次郎』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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