家族力 (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2006年9月5日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784167670054

感想・レビュー・書評

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  • 直木賞受賞前後のエピソードも多数盛り込まれた、自伝的エッセイ集。

    3度の結婚をめぐるエッセイも多い。とくに、最初の2度の結婚生活についての文章は、自らの恥となることまでも赤裸々に綴る様子に驚かされる。

    3度目の結婚後に訪れた、事業の失敗から2億円もの負債を抱えるという苦境。著者は、そこから脱するために売れっ子作家になろうと決意する。

    荒唐無稽とも思える「計画」だが、その計画を後押しというか、むしろ先導したのは夫人であった。
    「あなたなら絶対にできるから。ベストセラーを書いて借金を返しましょう」
    「おとうさんの小説がいちばんおもしろいから」
    ……そう言って、16歳も年上の夫を激励し続けたのだという。

    その顛末を書いた一編「私のプロジェクト直木賞」が、本書の圧巻である。

    また、直木賞受賞作『あかね空』の背景にあった、著者が母を亡くしたときや直木賞受賞時に寄せられた人情について綴る「もうひとつの『あかね空』」も名編だ。

    エッセイとしての最新刊『旅の作法、人生の極意』も一緒に読んだが、こちらは全体に薄味。

  • 歳の離れた夫婦、不思議に思っていたがエッセイを読んで納得
    バブルを通じて、家族のあり方が変質したと私は思う。何が変わったか?家長の重みがなくなったことにつきる
    それでも私には、真実、背中を押してくれる連れ合いも、家族も明日もいる。家内に感謝します
    身の丈相応の暮らしをすれば、時代が変わっても、先代にできたことが、いまできないわけがありません

  • 山本一力さんの家族に関するエッセイ、著者は3度結婚されてますが、一度目、二度目の結婚・離婚に対する反省と三度目の結婚に対する決意が強く表現されています。自分の年や経歴の嘘、浮気への反省ともう妻に嘘はつかないと。清貧の暮らしが長かったようですが、「あかね空」での直木賞受賞、良かったですね。著者のお母さまが池波正太郎の「剣客商売」が大好きで、亡くなったとき、著者が池波氏に亡き母への一筆をお願いしたとき、池波氏から亡き母の名を肉太の青インクで宛名にした暑中見舞いが届いた話、良きエピソードですね!

  • 914.6

  • 三度の結婚、二億の借金、浮気、倒産、嘘…さまざまな失敗をしてきた山本一力さんの自伝、エッセイ。

    私は何度もくじけそうになった。そのときに支えてくれたのは、何よりも家内が示してくれた完全なる信頼である。「おとうさんの小説が一番面白いから」

    この苦しさから逃げ出したい。人が寝静まった夜中に原稿を書きつつ、いくたび思ったことか。私が迷惑を及ぼしたひとたちは、貸した金が返らない状況を、おのれの責めに帰して受け入れ、待っていてくれる。今の俺には、投げ出したり悩んだりする贅沢は許されていない。

    落ちたおかげでやり直すことができ、結果的にプラスになった。近道したやつには、後の人生のどこかで苦戦する。だとすれば、落ちたことがツキじゃないか。

    これを書き通すことができたことこそが、家族力のあかしだと思っている。

  • 家族は時には力強い絆で結ばれたり、
    時にはやっかいな関係になる。
    ひどい出来事があったとしても
    それ以上に与えられたものが大きいと
    もとに戻ることはできるし、
    簡単にその関係を諦めてはいけないと思う。

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著者プロフィール

1948年高知市生まれ。都立世田谷工業高校卒。旅行代理店、広告制作会社、コピーライター、航空関連の商社勤務等を経て、97年「蒼龍」でオール讀物新人賞を受賞。2002年『あかね空』で直木賞を受賞。江戸の下町人情を得意とし、時代小説界を牽引する人気作家の一人。著書多数。

「2023年 『草笛の音次郎』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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