- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167671020
感想・レビュー・書評
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食べる事への強い関心がにじみ出てて米原さんらしさ全開。「ウォトカをめぐる二つの謎」「ジャガイモが根強くまで」ではロシアでの歴史を詳らかにして面白い。幻のハルヴァ食べてみたい。東海林さだおの解説が優しくとても良かった。
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強靭な胃袋をもつ方の食エッセイを読むのは本当に楽しい。
しかも米原さんの場合、ご自身の類まれなる経験や爆笑エピソードを、豊富な知識や数々の文献が彩って、知的好奇心を満たしてくれるのです。
…その一方でお腹は減ってしまうのですがw
本書の中で何が一番食べたくなったかと聞かれたら、間違いなくハルヴァと答えます。
読んでいるあいだ、私の鼻先で溶かした砂糖とナッツの香ばしい芳香がするような錯覚がするのです…食べたことないのに!
次点はマイナス53度の外気によって、釣り上げてすぐに天然瞬間冷凍された白身魚を、凍ったままかつおぶしのように鉋で削った料理。
本場では塩胡椒で味付けしてウォッカとともにいただくそうですが、わさび醤油に日本酒も最高なのでは…と思わずにはいられない…。
物語の中に登場する食べ物について思いを巡らす短いエッセイ群や、健啖家ぞろいの親類縁者のみなさまのエピソードもけらけら笑いながら楽しみました。 -
食べ物に関するものを集めたエッセイ集。
米原万里が食いしん坊であったことがよく分かる。「神戸、胃袋の赴くままに」というエッセイでは、米原万里が美味しいものに目がないこと、とても健啖家であること、食べることに関してはまるで子供のように無邪気に、あるいはむきになることがよく分かり、何か微笑ましくなる。
米原万里の著書「マイナス50°Cの世界」でシベリアにテレビ番組の撮影のために長期間滞在したことを、本書でも題材にしている。かの地で美味しかったもののエッセイもあるが、面白かったのは、滞在中に和食を食べたくてたまらなくなり、一緒に行ったメンバーで寿司屋ごっこをする場面である。ただ、寿司を注文し、それを握ったふりをして出し、更にそれを美味しく食べるふりをする、というそれだけの遊び。ただ、想像上の寿司は得も言われぬ味がして、帰国後、日本で実際に寿司を食べても、「あのシベリアの寿司にはかなわない」という話をメンバーでするという落ちになっている。 -
ロシアへの愛、食べる事への愛、生きる事への愛。ガンガン伝わってくる面白い本です。読んでいて勉強になるし。
もっと書きたい物、読みたい本、食べたいモノ、見たい景色。きっとたくさんあったでしょうね。つくづく惜しい方を亡くしたと思います。 -
健啖家で食に対する関心の強い人の食エッセイは、「いいな、私も食べたい!」という気分になれてとても楽しいです。
ハルヴァは本当に、すごく食べてみたくなりました。
食べたくなるような食の話だけではなく、ウォトカをめぐる謎、ジャガイモの普及までの歴史、物語の中の食の考察など、深い知識や調査のもとに書かれた話も多く、知的好奇心も満たされます。 -
“舌禍美人”の食エッセイ。著者の興味の持ち方と飽くなき探究心に脱帽。
気軽に読めてクスっと笑えて、捏ね繰り回す蘊蓄...、最高です! 人類二分法で言えば私は間違いなく後者だ。食べるために生きよう! 神戸に行きたくなった...。 -
名通訳が綴る、東海林さだおも一目置く、食べ物に関するグルメ・エッセイ集。
専門のロシアはもとより、日本の昔話にまつわる珍談奇談。
読んだ後はどれもが、誰かに話したくなる蘊蓄ばかり。 -
ロシア文化の本…と思って何気なくkindleで見つけたのがこちらの本です。ロシアの面白食文化かなと読み始めたのですが、とんでもない。予想外に爆笑の一冊でした。米原さんの文章の秀逸さに食欲を刺激され、想像力を掻き立てられ、そして腹筋を鍛えられ。どのエピソードにも日本とロシア、そして食への愛があふれています。「旅行者の朝食」と「ハルヴァ」には是非一度お目にかかってみたいものです。それにしても米原さんの胃袋は底なしでしょうか。彼女の他の本も読んでみたいです。
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食文化、言葉を突き詰め調べる、楽しむ
ハルヴァを食べてみたい
ロシアの知らない文化、知らないうちに接している文化