発明マニア (文春文庫 よ 21-6)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (591ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167671068

感想・レビュー・書評

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  • 米原万里がガンを患いながらも継続した仕事2つのうちのひとつが本書だという。真剣に怒り、憂い、考えた数多の発明。これらが実際的に発明可能かはさておき、真剣だからこそ、驚きがある。こんなのあればいいなと、こちらも真剣に思う。
    20年近く前から、政権が抱える問題も、環境破壊の問題も何ひとつ変わっていない。この頃からずっと言われてきた問題なのだと感じる。もし米原万里が今の世にいたら何を発明したのか、是非見てみたい。

  • ☆3.5 ときどきおもしろい
     単行本で。
     米原万里は共産党幹部の娘で、ソ聯で通訳をし、妹が井上ひさしと結婚した。井上も米原も左翼である。
     これを読むと、政治的毒が横溢してゐる。当時のイラク戦争を非難して、ブッシュだの小泉純一郎だの、ビンラディンだのが頻出。左翼だなあと。ムーアを思ひ出した。凡庸だらう。

     しかし、なかにはアイデアが光ったエッセーがあり、そちらはすなほにおもしろい。たとへば、「寿命倍増プログラム」「ビルの高さの測り方」や「卓抜なる節税法」等。
     さういふエッセーを読むと、こちらも自然にインスピレーションがわいてきた。

     サンデー毎日の週刊連載だったから、書くネタに困ったらう内容もあるが、どこからネタを蒐集したのか、よく書けたものだ。

     挿絵は米原自身のもので、味がある。

  • "ロシア語の同時通訳者であり、多くの書物を世に出したユニークな思想を持つ才女米原さん。
    彼女の本を読むと、いかに自分の知らない事柄が多いかを思いさらされる。
    犬や猫をこよなく愛した人柄がうかがえる発明もあったり、
    政治的な風刺をこめたものであったりする。
    あじのあるイラストもあり、楽しめること間違いない本"

  • 2018.3.18.天野屋書店にて購入。

  • 2016年8月26日購入。

  • つくづく惜しい方が亡くなったと思う。
    発明と言うより、改革案的な。
    そして、10年前の出来事が思い起こされる。

  • 「せこい発明でこの世の大問題を解決するしかけ」
    といっているが、そのアイデアには ほっと するものが多い。

    ほかのエッセイが 文化の違いをうまくとらえて、
    そのギャップに 米原万理節が さえるのだが、
    この本は 全く違った 視点で 組み立てている。
    興味 というものの 広がりや アンテナの感度がいい。

    ブッシュの好戦性に、すがりつく小泉の関係を
    ブラックユーモアで 釘を刺す。
    よく、そのエッセイが 掲載されたなと思うほどである。

    死の直前まで、書かれていることに
    米原万理の 情熱を 感じるのである。

    同居者である イヌやネコに対する愛情も注ぎ込まれている。

    この『せこい発明』が 実用化されたら おもしろいかも。 

  • 2006年に亡くなった著者の絶筆です。著者が常日頃不便を感じる事柄に対する発明についてたくさん書かれています。だれか商品化してくんあいかなぁ~。

    九州大学
    ニックネーム:上野泰三

  • ロシア通訳の米原万里さん著。
    実際に米原さんが何か発明するわけではないですが、世相にひとくさりした後(本書が描かれた時節柄、ブッシュ元大統領や、小泉元首相に対するものが多いですが)、それを解決するアイデア・発明を全部で119紹介。実現性よりはむしろ(ブラック)ユーモアととったほうがよいものばかりではありますが。

  • 米原さんの考える便利でくだらない発明品の数々。
    その風刺の効いた文体と、添えられたイラストが良い味を出している。

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著者プロフィール

1950年東京生まれ。作家。在プラハ・ソビエト学校で学ぶ。東京外国語大学卒、東京大学大学院露語露文学専攻修士課程修了。ロシア語会議通訳、ロシア語通訳協会会長として活躍。『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』(角川文庫)ほか著書多数。2006年5月、逝去。

「2016年 『米原万里ベストエッセイII』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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