だれかのいとしいひと (文春文庫 か 32-2)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 3432
感想 : 371
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  • Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167672027

感想・レビュー・書評

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  • 短編集ということもあり、少しの時間を見つけてさくさく読めます。未分化な性よりちょっと先。大人の恋のちょっと前。人を好きになるっていうのがわかりかけるような本。

  • 角田光代さんに、「ちょっぴり不幸な」恋愛を書かせたら右に出る者はそういないのではないか。
    どこか理解できなくて、でもどこかで自分にも共通するところもあって、そんな主人公たちに魅了されてしまう。

  • あたしには合わないなにかがあって
    それはちょっとした言葉の選び方だったり主人公の一言だったり思い描く風景だったりそこに漂うにおいだったりするのかもしれない 
    たぶんわたしはこの人の作品とは混じり合えないんだなぁと思った

  • 短編集なので、まとめて読まないで、チマチマと読んでいきました。毎日ちがう恋愛が楽しめてよかった。特に前に付き合っていた人の家に忍び込んで、貼ってあるポスターの右上の画鋲だけ外す女の子の話が好きです。この文庫、あそびに来た友達に奪われそうになった。

  • 表紙が好き!角田光代さんの本はいつも装丁が可愛い。これは短篇集で、コンパクトにまとまっててちょっと物悲しい話が多い。主人公が崖を転がり落ちるようにしてひたすら不幸になっていく「花畑」というお話が一番素敵だった気がします。あと、何だか無性に海に凧を埋めに行きたくなります。

  • うんうん、あるある。
    みーんな、素直に幸せにはなれないね。

  • どの短編も“記憶”がテーマにある。
    過去の記憶も現在もごちゃごちゃしていて、必要な時に必要な記憶を取り出せないからこそ、理不尽で、ある意味で“いとおしい”と言えるのかもしれない。

    何かを思い出すというのは、必ずその場面、情景とセットなのだろう。色彩豊かで読みやすい短編だった。

  • 角田さんの選ぶ言葉が好き。

  • ほぼ全ての話に 橙色 が登場。単なる偶然だけれど、私がいま取り掛かっているフライヤーのテーマも 橙色 なので胸がときめく。

    人生で乗り続けるバスの比喩、コーラの縮緬のような感触、夕方 橙色が気付かないほどのさりげなさで闇に飲まれる瞬間、夏と秋がはっきりと入れ替わる日、まるで大量の向日葵に支えられて建っているような彼のアパートが綺麗に描かれ過ぎていて苦しい


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著者プロフィール

1967年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部文芸科卒業。90年『幸福な遊戯』で「海燕新人文学賞」を受賞し、デビュー。96年『まどろむ夜のUFO』で、「野間文芸新人賞」、2003年『空中庭園』で「婦人公論文芸賞」、05年『対岸の彼女』で「直木賞」、07年『八日目の蝉』で「中央公論文芸賞」、11年『ツリーハウス』で「伊藤整文学賞」、12年『かなたの子』で「泉鏡花文学賞」、『紙の月』で「柴田錬三郎賞」、14年『私のなかの彼女』で「河合隼雄物語賞」、21年『源氏物語』の完全新訳で「読売文学賞」を受賞する。他の著書に、『月と雷』『坂の途中の家』『銀の夜』『タラント』、エッセイ集『世界は終わりそうにない』『月夜の散歩』等がある。

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