- Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167672027
感想・レビュー・書評
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短編集ということもあり、少しの時間を見つけてさくさく読めます。未分化な性よりちょっと先。大人の恋のちょっと前。人を好きになるっていうのがわかりかけるような本。
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角田光代さんに、「ちょっぴり不幸な」恋愛を書かせたら右に出る者はそういないのではないか。
どこか理解できなくて、でもどこかで自分にも共通するところもあって、そんな主人公たちに魅了されてしまう。 -
あたしには合わないなにかがあって
それはちょっとした言葉の選び方だったり主人公の一言だったり思い描く風景だったりそこに漂うにおいだったりするのかもしれない
たぶんわたしはこの人の作品とは混じり合えないんだなぁと思った -
短編集なので、まとめて読まないで、チマチマと読んでいきました。毎日ちがう恋愛が楽しめてよかった。特に前に付き合っていた人の家に忍び込んで、貼ってあるポスターの右上の画鋲だけ外す女の子の話が好きです。この文庫、あそびに来た友達に奪われそうになった。
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表紙が好き!角田光代さんの本はいつも装丁が可愛い。これは短篇集で、コンパクトにまとまっててちょっと物悲しい話が多い。主人公が崖を転がり落ちるようにしてひたすら不幸になっていく「花畑」というお話が一番素敵だった気がします。あと、何だか無性に海に凧を埋めに行きたくなります。
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うんうん、あるある。
みーんな、素直に幸せにはなれないね。 -
どの短編も“記憶”がテーマにある。
過去の記憶も現在もごちゃごちゃしていて、必要な時に必要な記憶を取り出せないからこそ、理不尽で、ある意味で“いとおしい”と言えるのかもしれない。
何かを思い出すというのは、必ずその場面、情景とセットなのだろう。色彩豊かで読みやすい短編だった。 -
角田さんの選ぶ言葉が好き。
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ほぼ全ての話に 橙色 が登場。単なる偶然だけれど、私がいま取り掛かっているフライヤーのテーマも 橙色 なので胸がときめく。
人生で乗り続けるバスの比喩、コーラの縮緬のような感触、夕方 橙色が気付かないほどのさりげなさで闇に飲まれる瞬間、夏と秋がはっきりと入れ替わる日、まるで大量の向日葵に支えられて建っているような彼のアパートが綺麗に描かれ過ぎていて苦しい