三面記事小説 (文春文庫)

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  • 文藝春秋 (2010年9月3日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784167672072

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

日常の中で誰にでも起こりうる出来事をテーマにした短編小説集は、身近な事件を通じて深い思索を促します。街で見かける人々の姿や会話からインスピレーションを受けた物語は、読者に共感を呼び起こし、時には辛い現...

感想・レビュー・書評

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  • 『元自宅床下から遺体 ー 二十六年前に東京都の小学校の女性教諭を殺害したとして、元同小勤務の無職の男(68)が、自首…男の供述に基づいて男の元自宅を捜索したところ、床下から、この女性とみられる遺体が見つかった。(平成16年8月23日付 読売新聞抜粋』

    あなたは、新聞を読むでしょうか?

    日本財団が18歳を対象に行った調査では、新聞を”読まない”と回答した人が七割にもなったそうです。実のところ私も自宅に新聞をとらなくなって10年以上の月日が流れました。テレビとネットの情報だけで生きてきたこの10年以上の日々の中で、少なくとも私にとって紙の新聞はすでに過去のものになりつつあります。一方で、職場でたまに目にする新聞には目を引く大きな記事の他にも夥しい事件の数々がびっしりと記されてもいることにも気付きます。テレビやネットの情報だけでは、私が知る由もなかった数行から構成された事件の数々。

    そんな”日々の事件、風俗、ゴシップ、スキャンダルなど”、社会面に掲載される記事のことを”三面記事”と呼ぶのだそうです。私たちはその数行からこの国のどこかで確かに起こった現実に触れることができます。しかし、上記した引用記事を読んで分かるのはあくまでもその事件の結果でしかありません。『元同小勤務の無職の男(68)』とはどういった男だったのだろう、26年間も床下に遺体を隠し続けてきた日々とはどういうものだったんだろう。そして、ここまで発覚しなかった経緯には何があったんだろう、とさまざまな疑問が浮かび上がります。しかし、数行のみで記された記事はそのことに決して答えてはくれません。また、数多存在する事件の中でそんな一つの記事はあっという間に埋もれてしまい、それを読んだ読者の記憶からも消えてしまいます。

    さて、ここにそんな”三面記事”に光を当てた物語があります。リアル社会に発生した六つの事件の”三面記事”を物語冒頭にまず提示するこの作品。消耗品のように読み捨てられるだけだった記事の背景に光を当てるこの作品。そしてそれは、数行のみで提示される”三面記事”の裏側に深い人間ドラマが隠されていたことに読者が戦慄することになる物語です。

    『ちん、と短く鳴ったあと、じりりりりりん、と黒電話の鳴り響く音』に『アイロンのスイッチを切り、廊下へ向か』ったのは主人公の房枝。そんな電話は姉の美枝子からでした。『話したいことがあるの』という姉に『いいけど、正文さんはいるの』と訊く房枝は『姉の夫の正文が苦手』でした。『明日の約束をして電話を切』った房枝は過去を振り返ります。『結婚したのは三年前』という房枝は『未だ妊娠の兆し』なく、『七年前に結婚した姉の美枝子にも子どもがいない』こともあって『妊娠しにくい家系なのかと考え』ています。そして、『犬を飼おうか』と夫の大志が言い出したことで『この人は諦めたんだと』も感じています。そして翌日、約束通り姉と会った房枝は『あのねえ、あの人、よそで恋愛をしてるんじゃないかと思うの』という姉の話を聞いて『またその話か』とため息をつきます。『結婚して七年もたつのに、浮気をしているんじゃないかと始終気にしてびくびく』している美枝子をあきれて見る房枝は、自分との時間が『一種の憂さ晴らし』なんだろうとも思います。そんな姉と会ったあと、『一カ月に最低一度は電話をよこしてきた美枝子から、まったく連絡が』なくなりました。一方で『貯金ができたら引っ越さない』、『いつまでも団地暮らしっていうのもな』と夫婦で仲良く会話する房枝は大志との幸せを実感しています。『訛りの残る無愛想な、しかもずいぶん年の離れた男と見合いで結婚した姉』より『自分の方が幸せである』と優越感を感じる房枝。そして『念願の庭付き一戸建てに引っ越した』房枝は『課長へと昇進した大志』との暮らしを満足するも大志は忙しさから家に帰れない日も増えていきます。一方で房枝は『年末近くなって』、『美枝子に電話をかけ』るも『早く電話を切りたがって』いる気配がありありで早々に電話を置きました。そしてついに『ぱたりと連絡をよこさなくなった』美枝子が気になり、姉の家を訪れることにした房枝。『駅を下り、記憶を頼りに商店街を進む』も、どうしても記憶にある家を見つけられません。『目についた酒屋』で『あのう、小林さんてこの辺じゃなかったでしょうか』と訊く房枝に怪訝そうな顔をする店員は、『小林さんちは変わらないよ、あそこだよ。気味が悪いったらないよ…』と語り、もし訪ねるのなら『変な薬品を庭にまくの』をやめるよう伝えて欲しいと言います。そして店を出て目的地と思える場所へと着いた房枝は、そこに『ブロック塀にトタンが堆く積み足され、そのさらに上には有刺鉄線まで張り巡らされている』というまさかの光景を目にしました。まるで要塞のように思える『得体の知れない』光景に立ち尽くす房枝に『なんの用だっ』と『頭上から野太い声が降ってき』ました。『おにいさん…』と思わず口にした房枝の前に『無愛想を通り越して能面を思わせ』る表情をした正文の姿がありました。そして、『ふーちゃん』と顔を出した美枝子に驚愕する房枝。久しぶりに再会した二人に、この時点からは予想もできないまさかの結末が待つ物語が描かれていきます…という最初の短編〈愛の巣〉。平成16年8月23日付の「読売新聞」に掲載された記事を元にその事件の裏側を見事にフィクションとして書き上げた角田さんの上手さを感じる好編でした。
    
    「三面記事小説」という六つの短編から構成されたこの作品。作品間に繋がりは全くありませんが、書名の通りそれぞれの短編が現実に存在する”三面記事”を元に書かれたという点が共通点となります。“ある編集者から永井龍男の作品で昭和の三面記事を題材にした短編集があると聞いていたんです。それがずっと頭に残っていて、文藝春秋から連載のお話をいただいた時に、その平成版というのはおこがましいですが、やってみようと思ったんです”と語る角田光代さん。そんな角田さんのこの作品はそれぞれの短編タイトルに新聞記事の切り抜きが貼られいて、その後にその記事の背景が物語として描かれていくという構成をとっています。では、そんな記事と物語について三つの短編をご紹介しましょう。

    ・〈ゆうべの花火〉: 『不倫浮気相手の妻の殺害を依頼 ー 闇サイトで不倫相手の妻の殺害を依頼したとして、都職員の女が14日…逮捕された。殺人を請け負ったとして、自称探偵業の男も同容疑で逮捕。(平成17年9月15日付 新聞報道)』
    → 『学校教材会社が私たちの職場だった』という主人公の千絵は、先輩の田口洋と不倫関係に陥ります。一方で『人との関わり』が苦手と職を転々とする安田孝幸は『復讐やいやがらせを代行する闇サイト』を運営する矢崎という男から『不倫相手の妻に嫌がらせをしてほしいっていう依頼』を引き受けたことから千絵とのやりとりが始まり記事の事件へと進んでいきます。

    ・〈彼方の城〉: 『16歳男子高生にみだらな行為の38歳女逮捕 ー 無職女性(38)が…逮捕された。調べでは容疑者は九月十日、高校二年男子生徒(16)を自宅に誘い込み、みだらな行為をした疑い。(平成17年11月17日付 中日新聞)』
    → 『未来がすばらしいもののはずであると信じていた』主人公の愛子に待っていたのは他の女の元へと出ていった夫が残した家でゴミに埋もれて生活する拓磨と香奈との三人の生活でした。夫からの養育費に頼る日々の中、日々通い詰める漫画喫茶で『真心の接客 隼人』と名札をつけた少年と関係を深めていく愛子は記事の事件へと進んでいきます。

    ・〈光の川〉: 『介護疲れで母殺害容疑 ー …長男(54)を殺人容疑で逮捕した。長男は病気がちの母親と2人暮らしで、「介護に疲れて、発作的にやってしまった」と供述しているという。(平成18年2月3日付 朝日新聞』
    → 『中度アルツハイマー型認知症』と診断された母親のことを心配し『母は輝男がだれだかおそらくわかっていない』という中で母親の介護と自らの仕事を切り回すギリギリの日々を送る主人公の輝男。行政にも見捨てられ、一人追い詰められていく輝男は記事の事件へと進んでいきます。

    といったようにそれぞれの短編には、結果として、リアル社会に現実に起こった事件の内容がまず提示され、その事件に至る過程が描かれていきます。しかし、この内容自体はノンフィクションではなくあくまで角田さんの創作であるという点がポイントです。私たちは日々数多なされるニュース報道で、この国の中で、そして世界で日々発生している現実の事件の数々を知ります。しかし、そこに報道されるのはあくまで結果であってそれぞれの事件の裏側に何があったのかという詳細な事実、事件の舞台裏を知ることはなかなかに叶いません。この作品では、そんな事件の背後にあり得たかも知れない物語が角田さんの筆の力によってまるで事実であるかのように描かれていきます。私たちは犯罪とは悪である、そんな風に単純な立ち位置を基本的には取ると思います。”三面記事”の内容だけでは、その行為自体の悪の側面にしか気を回せないということもあります。しかし、この作品を読むことで、そんな事件の背景に、事件へと至る道筋に、そんな事件を起こした人物の心の内がどのようなものであったかに思いを馳せることが出来ました。もちろん、犯罪者の心の内、事件が事件として成立していく流れを見ても犯罪の事実、犯罪というものの重みが消えるわけでも薄まるわけでもありません。しかし、冒頭で提示されたリアル社会の事件に対して自分の感情に変化が生じるのを感じました。

    そんな六つの短編に取り上げられた事件はいずれもショッキングな内容ばかりですが、中でも特に衝撃を受けたのは最後の短編〈光の川〉でした。『介護疲れで母殺害容疑』という記事の見出しが提示するその事件。昨今、似たような報道を数多目にすると感じられる方は決して少なくないと思います。特にそんな介護が認知症を原因とするものの場合、その舞台裏は凄惨を極めます。『生ゴミをなぜかあちこちにしまいこむ』、『意味不明の言葉、被害妄想的な幻覚』、そして『大便を漏らしたパンツのなかについ手を突っ込んで、その手で家具をさわってしまう』と生々しく記される認知症の症状が悪化する母親と、それに働きながらの対応を余儀なくされる息子の輝男。そんな輝男はやがて職を失い、『収入はたつ子の年金七万円だけになる』という生活不安の日々の中、一日一日をギリギリに生きていきていく様がリアルに描かれていきます。そんな孤独な日々の中、『こちらは何も意地悪をしているんじゃないんでね』、『高齢化社会ですからね。おたくだけじゃないんです』と行政にも見放される輝男。それでも介護を止めるわけにはいかない毎日が描かれていく物語は、今のこの国では決して他人事でない現実に、読んでいて目を伏せたくなるような思いに終始包まれました。そして、そんな物語を読み終えて『介護疲れで母殺害容疑』という三面記事の見出しを再度読んだ時、そこには最初に読んだ時とは違った感情が、なんとももどかしさに包まれる感情が自分の中に去来するのを感じました。

    “三面記事を使って今の時代を切り取り、50、60年後の人たちが今の時代を知る手がかりにしたかった”とおっしゃる角田さん。そんな角田さんがこの作品の元にした六つの事件は、平成のこの国で現実に起こった、リアルな”三面記事”の内容を元にしたものでした。新聞には夥しい量の記事が掲載されています。そんな中に小さく数行だけ記された”三面記事”を読むと、まるでその事件が全体からすると大したことのないもののように錯覚もしてしまいます。しかし、そんな一つひとつの記事の裏側にも、それぞれに奥深い人間ドラマが隠されていることをこの作品を読んで実感しました。

    新聞の”三面記事”という、消耗品のようにその場限りに消化されていく記事に光を当てたこの作品。それぞれ数行に過ぎない”三面記事”を元にここまで奥深い物語を創り上げることのできる角田さんの筆の力に改めて感じ入った、非常に興味深い試みの先にある作品だと思いました。

  • 街で見かける人達、
    少し会話を聞いたりするだけで
    実はこうなのかな?と
    友達と一緒に勝手に想像したり
    知らない人を主人公にして
    短いお話を作ったりするのが好きだった。

    だから
    三面記事からヒントを得ての小説を
    ワクワクしながら読んだ。
    読後はワクワクとは程遠く
    辛くて落ち込んでしまったけれど。

    どの話もそこらじゅうにありそうで
    でもどこかでとどまっていて
    一線は越えていないだけ。
    自分も隣り合わせにいるのかも
    と思わされた。

  • 三面記事とは言うけれどどれも聞き覚えがあったり知ってる事件だったのでとても読みやすかった。

    最後の話の光の川はニュースで見たときも本当に胸が痛くて辛くて手を差し伸べるべき行政ってなんだろうって思った。別にお役所仕事だって否定するわけではなく規定から逸脱せず税収で賄っているから柔軟に対応する事ができないのもわかる。けれどそれもまた問題だよなって事件後20年近くたった今改めて考えさせられました。
    同じ状況な人は今も沢山いるしなんなら自分の身にも起こるかもしれない。
    角田さんの書く話は本当に色々と考えさせられてしまうなぁ。すき。

  • 「三面記事」とは、所謂政治・経済等の一面以外の記事を指すらしい 
    英語だと「ホーム・ニュース」や「シティ・ニュース」と呼ばれるようだ

    ということは、一般市民に最も身近な、誰にでも起こりうる 巻き込まれる可能性がある記事…他人事じゃないなと思いながら読んでいた
    実際、この作品の中の主人公達の人生は私の人生とは違うのにも関わらず、なんだか身につまされるような不思議な感覚でそれぞれの話にのめり込んでしまった
    それに角田さんの文章の巧さによって、情景まで浮かんでくる
    三面記事から触発された角田先生が[創り出した]世界なのに、この記事のバックグラウンドは本当にこうだったんじゃないかなと思える、6つの短編

    どれもこれも他人事じゃないと思えるのは、やっぱり今まで生きてきて、人生は紙一重と感じる節があるからなんだろうな…

    ラストの短編「光の川」は、有名な事件が元になってますね 京都伏見介護殺人事件…高齢化社会を改めて突きつけられるような事件でよく覚えていて、当時も胸が締め付けられる思いだった 自分自身にも起こり得るかも…

    フィクションと言えど、世の中の人々に最も身近な小説かもしれない

  • 新聞の中の、注意をして見ていないと
    見落としてしまう三面記事。

    そこには数々の事件の、事象が書かれている。

    その事象の裏には、
    1つ1つの事件のストーリーがあること。
    悪いことをした人間だけが悪い訳じゃないこと。
    色々な背景があること。

    この小説を読み、
    物事の本質を考えないといけないなと
    思った。

    角田光代さん、さすがです。

  • 角田光代さんの文章はすごい。
    言語化できない様子や情景を見事に表現してくれる。
    内容も良かったけど、文章が味わい深い。

  • 三面記事の短い文章だけではとうていわからない、事件の裏側が丁寧に描かれていた。

    普段読み飛ばしたり、サーっと見聞きしているだけの小さな記事の事件も、いろんな人の事情や感情が絡んだ結果なのだと思うと、自分も決して人ごとではないと思いました。

  • 題名の通り三面記事になっていそうなネタが深掘りされて短編の小説になっていた。角田さん特有というかさすがに短編であっても読ませる内容になっているところがさすがという感じだった。新聞を日常的に読まなくなって久しいけれど小説になるようなネタは新聞は宝庫だろうなぁ。そこから小説にするのは凡人にはムリだけれど。

  • 実際に起きた事件を元に、フィクションで描かれた短編集。
    人物設定や心理描写がとても細かくて丁寧で、やっぱり角田光代さんの作品好きだな。

  • 引き込まれる文章

  • 新聞の小さい記事の裏には、それぞれの濃い人生があった。

  • 2021/6/15 読了

    新聞に掲載されている、小さな記事の裏側を想像した話。
    実際の事件の裏側は誰もわからない。

  • 怖い。
    新聞の三面記事には書かれない事件の背景がすごい迫力で描かれている。
    タイトルページには小説になった事件の三面記事が引用されている。
    小説を読んでから記事を読み返すと、フィクションだと分かっていても、そうだったのかと納得してしまう。
    それ程真に迫っているのだ、事件を起こしてしまう心境の描写が。
    それが自分とは無関係の世界の話ではないことが分かるから、ただただ怖い。

    人と人の関係はびっくりするくらい些細なきっかけで簡単に変わってしまう。
    いきなり目の前で相手のシャッターが閉まる。ガラガラピシャリ。
    そうなったらどうするか。
    閉まったことに気付かないふりをして今まで通りのように振る舞う、なぜ?と問い質しすがりつく、自分を否定する相手の存在を消去する‥。
    どうやっても元通りにはならないのだと知っていて、でも何かしないといけないところまで追いつめられてしまった人達。

    「光の川」の輝男さんの「帰りたい帰りたい帰りたい」という切実なつぶやきが頭をぐるぐると回っている。

    • 円軌道の外さん

      コメントありがとうございました(^O^)

      角田さんは好きな作家なんやけど、
      コレはかなりゾワーっと
      鳥肌が立ちそうな感じです...

      コメントありがとうございました(^O^)

      角田さんは好きな作家なんやけど、
      コレはかなりゾワーっと
      鳥肌が立ちそうな感じですね(汗)(≧∇≦)

      ノンフィクション風に書かれた
      フィクションなのかな?
      (フェイクドキュメント?)


      ずっとハッピーエンドの
      ほんわかした小説を読んでると、

      たまにヒヤリとした触感の
      ドス黒いのが読みたくなるんスよね〜(笑)

      コレも読みたいリスト入り
      しときます(^_^)v


      takanatsuさんは
      怖い話とかは
      平気なほうですか?


      2012/12/06
    • takanatsuさん
      「たまにヒヤリとした触感の
      ドス黒いのが読みたくなるんスよね〜(笑) 」
      またこういうのって一度読み始めると中断出来ないんですよね…
      ...
      「たまにヒヤリとした触感の
      ドス黒いのが読みたくなるんスよね〜(笑) 」
      またこういうのって一度読み始めると中断出来ないんですよね…
      怖いのにやめられない、やめる方が怖いという(笑)
      「怖い話とかは
      平気なほうですか?」
      駄目です(汗)
      ホラーとか近づかないようにしているのですが、この本は怖い本だとは思わずに読み始めてしまいました…。
      でも角田さんはやっぱりすごいなと思いました!
      2012/12/06
  • 短編小説だったので、ひとつひとつが読みやすかった。
    この本を読んでから、普段何気なく知るニュースにもこんな裏側があるんだろうなと想像するようになった。

  • 人間の奥底にある闇が丁寧に描写されていて、
    結末にかけて次第にスピード感を増して、深く、重く降りかかってくる感覚
    もしかすると自分も同じ状況になったら、こんな気持ちを抱いてしまうのかもしれないと、一瞬でもそんな気持ちにさせれられる作品
    絶対にいけないことだけど、事件には少なからず"そうしなければならなかった背景''が存在するのかもと不覚にも思ってしまう
    『光の川』はひたすらに辛くて、状況を変えられる選択はあの結末しかなかったのか、社会はこうも冷酷なのかと考えさせられた

  • いろいろ考えさせられるなぁ。
    特に最後の話。読んでいるだけで辛かった。

    でもこういう風に三面記事を小説にするってすごいなと思います。

  • 短編にも関わらず、角田さんの読ませる力がすごい。最後の「光の川」が読んでて辛かった。

  • 実在の事件に肉付けされたストーリーという事実が重い。
    事件の当事者の人生を大きく変える事件を小説という形で消費して良いのかと、読みながら背徳感を拭えなかった。
    それほど生々しい迫力のある一冊だった。

  • どれもゾッとするような話だったが、惹き込まれて止まらなくなった。客観的に見ると、狂っているとしか思えない人たちが出てくるが、どこか共感できるところもあって、怖い。

  • 新聞の三面記事に端を発した物語。

    角田光代はどうしてこんな感情群を書き出すことができるんだろう。誰もが本来持っているけど気づかないようにしている感情。この本を読む事で在ることに気づいて不安を誘う。

    そう彼女はこの世界に既にある物語を紡いでいるんだ。

    もう久しく新聞を読むという日々から遠ざかっているけれど、毎日三面記事にて短く感情なく報道される事件一つ一つに感情がある。

    そこまで読み取っていたら動けなくなってしまうけれど、だから簡潔ではないということを改めて教えてくれるこの物語は必要だなーと。

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著者プロフィール

1967年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部文芸科卒業。90年『幸福な遊戯』で「海燕新人文学賞」を受賞し、デビュー。96年『まどろむ夜のUFO』で、「野間文芸新人賞」、2003年『空中庭園』で「婦人公論文芸賞」、05年『対岸の彼女』で「直木賞」、07年『八日目の蝉』で「中央公論文芸賞」、11年『ツリーハウス』で「伊藤整文学賞」、12年『かなたの子』で「泉鏡花文学賞」、『紙の月』で「柴田錬三郎賞」、14年『私のなかの彼女』で「河合隼雄物語賞」、21年『源氏物語』の完全新訳で「読売文学賞」を受賞する。他の著書に、『月と雷』『坂の途中の家』『銀の夜』『タラント』、エッセイ集『世界は終わりそうにない』『月夜の散歩』等がある。

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