三面記事小説 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 1124
レビュー : 162
  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167672072

感想・レビュー・書評

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  • 怖い。
    新聞の三面記事には書かれない事件の背景がすごい迫力で描かれている。
    タイトルページには小説になった事件の三面記事が引用されている。
    小説を読んでから記事を読み返すと、フィクションだと分かっていても、そうだったのかと納得してしまう。
    それ程真に迫っているのだ、事件を起こしてしまう心境の描写が。
    それが自分とは無関係の世界の話ではないことが分かるから、ただただ怖い。

    人と人の関係はびっくりするくらい些細なきっかけで簡単に変わってしまう。
    いきなり目の前で相手のシャッターが閉まる。ガラガラピシャリ。
    そうなったらどうするか。
    閉まったことに気付かないふりをして今まで通りのように振る舞う、なぜ?と問い質しすがりつく、自分を否定する相手の存在を消去する‥。
    どうやっても元通りにはならないのだと知っていて、でも何かしないといけないところまで追いつめられてしまった人達。

    「光の川」の輝男さんの「帰りたい帰りたい帰りたい」という切実なつぶやきが頭をぐるぐると回っている。

    • 円軌道の外さん

      コメントありがとうございました(^O^)

      角田さんは好きな作家なんやけど、
      コレはかなりゾワーっと
      鳥肌が立ちそうな感じです...

      コメントありがとうございました(^O^)

      角田さんは好きな作家なんやけど、
      コレはかなりゾワーっと
      鳥肌が立ちそうな感じですね(汗)(≧∇≦)

      ノンフィクション風に書かれた
      フィクションなのかな?
      (フェイクドキュメント?)


      ずっとハッピーエンドの
      ほんわかした小説を読んでると、

      たまにヒヤリとした触感の
      ドス黒いのが読みたくなるんスよね〜(笑)

      コレも読みたいリスト入り
      しときます(^_^)v


      takanatsuさんは
      怖い話とかは
      平気なほうですか?


      2012/12/06
    • takanatsuさん
      「たまにヒヤリとした触感の
      ドス黒いのが読みたくなるんスよね〜(笑) 」
      またこういうのって一度読み始めると中断出来ないんですよね…
      ...
      「たまにヒヤリとした触感の
      ドス黒いのが読みたくなるんスよね〜(笑) 」
      またこういうのって一度読み始めると中断出来ないんですよね…
      怖いのにやめられない、やめる方が怖いという(笑)
      「怖い話とかは
      平気なほうですか?」
      駄目です(汗)
      ホラーとか近づかないようにしているのですが、この本は怖い本だとは思わずに読み始めてしまいました…。
      でも角田さんはやっぱりすごいなと思いました!
      2012/12/06
  • 新聞の三面記事に端を発した物語。

    角田光代はどうしてこんな感情群を書き出すことができるんだろう。誰もが本来持っているけど気づかないようにしている感情。この本を読む事で在ることに気づいて不安を誘う。

    そう彼女はこの世界に既にある物語を紡いでいるんだ。

    もう久しく新聞を読むという日々から遠ざかっているけれど、毎日三面記事にて短く感情なく報道される事件一つ一つに感情がある。

    そこまで読み取っていたら動けなくなってしまうけれど、だから簡潔ではないということを改めて教えてくれるこの物語は必要だなーと。

  • 最近、本を読めない。読ませてもらえない。本を読むことが悪いことのように、あの人は溜め息をつき、僕のことを冷たい目で見る。
    本を読むことって楽しいことだったのに、わくわくすることだったのに、今は肩身が狭く、あの人の目を気にしながら、ちょこちょこ読む。でも読むことはやめない。だって僕は本を読むことが大好きだからね。


    物事には必ず、理由があって人はそれに従って生活をしていますよね。この小説は新聞の三面記事に至る経緯を物語としています。

    読んでいると、普段の自分たちの生活と何も変わらない平凡な毎日から、ふとしたことがきっかけで、犯罪にむかっていく恐ろしさが醸し出されています。
    人間も車のハンドルと一緒で「遊び」がないと自分で自分を追い詰めてしまって、正しい判断が出来なくなって間違った方向へ進んでいくんでしょうね。

    怖いこわい。

  • これでプロ?って作品はたくさんあるけれど、さすがプロ!ってうなったこの作品。この人、本当にストーリーテラーですね。おすすめ!

  • 角田さんの小説って、人の心の暗い部分がしっかりと写し出されている。すごいなあと思う。尊敬する。ほんとにリアルだ。人間って綺麗なことばっかりじゃないもんね。それが特に色濃く感じられる作品だった。闇の部分。読んでてすごく辛かった。重たくて、苦しい。

    実際にあった事件を元に書かれているのでリアリティが増す。人の命の重さがぐっとのしかかってくる。

  • 小さな新聞記事をもとに書かれた短篇集。家族間の犯罪は多いとききますが、ああ、そうだろうなと思う、たぶん、誰にでもひとつはキリキリくると思います。

  • 起こる出来事のその当事者たちは飛び抜けて変わり者だったり異常な性格だったわけではなく、だからこそ、いつ、なんどき、自分が三面記事に載る事件を起こす、または巻き込まれないとは限らない、そんな怖さがあった。

  • いろいろ考えさせられるなぁ。
    特に最後の話。読んでいるだけで辛かった。

    でもこういう風に三面記事を小説にするってすごいなと思います。

  • 自分のダークな部分に更に深く潜れば、私も三面記事に載ってしまう事をしでかすかもしれない。背筋が寒くなるような、だけど一気に読んでしまった作品であった。

  • 2018年02月11日に紹介されました!

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著者プロフィール

角田光代(かくた みつよ)
1967年、神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。
1990年、「幸福な遊戯」で海燕新人文学賞を受賞し、小説家としてデビュー。受賞歴として、1996年『まどろむ夜のUFO』で野間文芸新人賞を皮切りに、2005年『対岸の彼女』で第132回直木三十五賞、2007年『八日目の蝉』で中央公論文芸賞、2011年『ツリーハウス』で第22回伊藤整文学賞、2012年『紙の月』で第25回柴田錬三郎賞、同年『かなたの子』で第40回泉鏡花文学賞、2014年『私のなかの彼女』で第2回河合隼雄物語賞をそれぞれ受賞している。
現在、小説現代長編新人賞、すばる文学賞、山本周五郎賞、川端康成文学賞、松本清張賞の選考委員を務める。
代表作に『キッドナップ・ツアー』、『対岸の彼女』、『八日目の蝉』、『紙の月』がある。メディア化作も数多い。西原理恵子の自宅で生まれた猫、「トト」との日記ブログ、「トトほほ日記」が人気。

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